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復職と人インタビュー きさい-001 2023/09/25

「《何か》と人」インタビュー。
今回は、「復職と人」です。
参加者はきさいさんです。


休職

——今、どういう状況ですか。

今、休職の3ヶ月目にそろそろ入るところで、復職に向けて準備しているところです。

仕事の方は、Webディレクターをしてまして。
休職のきっかけとしては、社内の面談で、Webディレクターは続けられないんじゃないと、そういうふうに言われたので、1回キャリア考え直そうっていうのが直接のきっかけですね。

——お休み中、何をされていますか。

なんだかんだ忙しくしてるというか、休職のために診断書を取っているので治療はもちろんしてるんですけど、
普通に日常生活を送ってるというか、展覧会とかに行ったり、友達とゲームしながら通話したりとか、自分自身の創作活動をしたりとかっていうところで、
キャリアのことを考える時間は毎日取ってるんですけど、それ以外はアクティブに過ごしてます。

私、休職3回目で、前の仕事で2回休職してるんですね。
で、転職してから1回目ということで、休職するっていうこと自体に関しては、すごく大きな感情はないんですけど、なんていうんでしょう、
お休み始める前は、すごいぐるぐる考えながら、仕事続けるのも疲れちゃったというか、どんどん効率落ちてるな、
もうだんだん、机に向かうのもしんどくなってきたなって、
もう1回診断書もらおう、みたいな感じ。

次のキャリアがイメージで見えたときには、すごく明るい気持ちになりますけど、社内で別の仕事をしたりとか、
いざそれを連絡しようとか、行動しようとすると、ちょっと不安がよぎったりとか、ちょっと人に話してみて、あんまり反応が芳しくなかったりすると、気持ちが落ちこんだりとかっていうような上がり下がりはあります。
元々上がり下がり自体は大きい性格なんですけど。

——診断名はなんでしょうか。

抑うつ状態っていう診断書をもらってます。
なんていうんでしょう、自分の性格、明るいなと思ってるんですけど、その延長線上にずっと鬱がついてまわってるような感じで。
病気というよりも性格の一部としてくっついて回ってる、闇の部分だよね、みたいな感覚で。
明るいところがあったら暗いところもあるよね、暗いところが私の場合「うつ病」って名前がつけられてるよね、っていうような感覚でいて。

一番最初に診断されたときって、新卒のときだったんですよ。
新卒から数年で、すごい仕事がしんどかったときに、泣きながら精神科行って、でも私だけがつらいんじゃないですよね、みたいな。
みんな頑張ってるし、ここで私だけ休むのってずるいですよね、みたいなこと言ったら、いやそれは立派なうつ病なので、休んで大丈夫ですって言われたっていうのが、一番最初に診断をもらったときです。

本当に重たいときは、全然動けなかったです。寝不足が積み重なってたのもあって、一日中寝てて、ご飯食べてまた布団に戻って、睡眠はできないまでも、ご飯食べるとお風呂入る以外の時間はずっと横になってるみたいな。

考えてないのに口からうわごと出てきて、それが死にたいとか今の自分じゃなくなりたいみたいな内容っていうのが、確かに客観的に見たら病的だなって思います。
ただ自分の意識としては、夢遊病状態というかふわふわしてる。

——そういう性格傾向って、いつごろからなんでしょうか。

学生時代も、大学のときにすごい生活リズムが乱れてて、自己嫌悪に陥ってた時期があって。
週17コマ授業を入れてるのに、2コマしか出れなくて、友達に知られるのが怖くて外にでないとか、逆に親には泣いて説明とかしていたので、精神科行ったら何らかの診断をもらえたんじゃないかと思うんですね。
親には薦められたんですけど、こんなんで行ってたら、頑張るものも頑張れないから、みたいな感じで。

うまくいかなくなると身動きが取れなくなるというのは、遡れば小学生時代から全然ありました。
自分の責任でうまくやらなきゃいけないときに、強く出るみたいですね。

それから、性格的に、目の前のやりたいことに情熱を注いじゃうし、それに関する予定をめちゃくちゃ分詰めてしまうんですね。
やりたいって思ったら経験しないと気が済まない。

高校までは、親の管理下でやりたいことやれないことっていうのがあったので、その分自由になったら、大学からはやりたいことは絶対やる、みたいに決めたところがあって。
その反面で、やらないといけないことっていうのが初めておろそかになったんですね。

この状況は初めてだったので、すごいショックで、課題が出せないとか、授業に間に合わないとか、めちゃくちゃショックで。
それで自分が許せなくなっちゃって。
若かったので無限にできるって思ってたっていうか。
自分が突然できなくなっちゃったみたいな感覚になって、すごいショックだったっていうところが始まりだったと思いますね。

仕事

復職できる状態なのかっていうのを産業医と面談しないといけないんですけど、それによっては1ヶ月延びたりとかするかもしれないんですけど。
計画としては、部署異動とかをこちらからお願いするつもりではあります。

会社自体には、ありがたいと思ってる部分がすごい強くて。
今の会社に勤めてる先輩は、物の考え方とか尊敬できる人が多くて、できればすぐには離れたくないっていうのがあるんですね。
でも、異動の希望が叶えられない場合は、転職しようかなっていうのもあります。

ライティングとか、直接自分がクリエイティブをする側をやりたいなと思ってます。
ディレクターのようにマルチタスクを求められる仕事よりも、専門的に取り組める仕事の方が向いてるんじゃないかっていうのを言われていて。
自分も、専門分野を絞りたいなと思っていたので。

——人生の中で、仕事はどんな存在なのでしょう。

私、仕事頑張りたい派の人間なんですよ。
できれば仕事でも成果残したいです。なぜかというと、人生を点取りゲームというか、ある意味、ハイスコアを目指すゲームだと思っている節がすごいあって。
人と比べてハイスコアとかじゃなくて、自分が目指せるだけの高得点、高い視点に至りたいみたいな意味なんですけど。

そうすれば、今まで手にしていない価値観とか、見えなかった景色とかが見えるんじゃないかっていうのをすごく思ってて。

仕事がうまくいったときの達成感、たくさんの人と一緒に大きなものを成し遂げたときの景色って、私はまだ人に比べて十分見れてないと思うんですよ。

もっと景色が見たい。
いろんな景色見たなって思いたいっていうのが、すごくあるなって思います。

——その景色を得るために、何が足りないと思いますか。

ビクビクおびえないメンタル欲しいなって、すごい思ってるんですよね。
なんか、すごい一瞬で後ろ向きになっちゃって。
Webディレクターが向いてないと言われた人から、何言われるのも怖いみたいな状態になっちゃって。
それが仕事全体に、もっと向いてない感を出してしまうというか。
向いてないって言われたけど、私まだ頑張れるしっていうメンタルがあれば、違っただろうなって思ってて。

ディレクターって、ある意味、いろんな人にすごい気を使いまくる仕事なので、余計に過敏になってたところもあると思っていて。
ある意味、図太い自分を手に入れたいっていうところはありますね。

ただ、ディレクターも正直すごい能力なかったかって言われると、足りてないところはもちろんあったんですけど、部分的には役に立てる部分もあったし。
全然能力足りてなかったっていうよりも、何か、自分が絶対にWebディレクターをやっていきたいっていう気持ちが別になかった。

流れ流れてたどり着いて、何となく適性あるかもって思って始めたけど、適性がない。
だから言われたらすぐ折れちゃったみたいな。
もっと自分の性質と向き合って、これだったら前向きにやりたいっていうものを見つけた上で、何かが向いてないって言われても、私これはできますみたいなものがあるといいのかなって感じです。

終わりに

休職は増加傾向。私は会社で働いていた時、システム部門にいたものですから、社員のアカウントの管理もしていた時があったんですね。そうすると、この人が休職、あの人が退職だ、といった情報に多く触れていて、体感的にも休職が当たり前になったな、と思います。

インタビューに従事している立場から言うと、人はだれか一人でも自分の話を十分に理解してくれる人がいれば幸せだ、と思っているから、「職場に何でも話せる友人が一人でもいればいい」説が有力だと思うのよね。社内バディ制というか。

あとはスカブラか。炭鉱で、おもしろトークする人。こういう人、普通の組織にも、その役割として、いてもいいと思うんだよね。

まあ気長に。

制作:qbc(無名人インタビュー主催・作家)

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