人気のD2Cブランド「neam」のコンセプトづくりの裏側 #2
SNS総フォロワー数43万人、雑誌『non-no』の読者モデルも務めるインフルエンサーの吉田南歩がディレクターのアパレルブランド「neam」を立ち上げたのは、2019年6月。時代はちょうど、D2Cというトレンドの波が来ていたように思います。
多くの消費者の情報収集のツールはTVや雑誌などの媒体からSNSを中心としたデジタルデバイスに変わり、スマホひとつでクリエイターから直接モノを買うD2Cのスタイルが急速に広まっていきました。
ここまでD2Cが広まった理由のひとつには、「D2Cならではの魅力」があるのではないでしょうか。
というのも、従来のECサイトやネットショップと比べると、D2Cブランドはクリエイターの“強い思い”が発端となってモノづくりをしているケースがほとんど。
「これを売ったら儲かるだろう」ではなく、「これを手にとった人によろこんでもらいたい!」を最優先したビジネスが成立していることは、クリエイターはもちろん消費者にとっても大きな魅力でしょう。
「neam」にこめられたわたしたちの思いにも、とても強いものがあります。
「自分のブランドを持ちたい」と私に夢を語った当時、南歩はすでに「neam」というブランド名を考えていました。nanahoという自分の名前の頭文字の「n」と「dream」を合わせた、彼女の夢が詰まった名前です。
そして、多くのD2Cブランドがそうであるように、「neam」にも大切なコンセプトがあります。
FULFILL MY DREAM ── 今日の私が夢を叶える
モテやトレンドより、「自分らしさ」と「着心地」を大切にしたい女性たちに向け、「neam」の洋服や小物を身につけているといつでも自然体な自分でいられるように、という思いがこめられています。
もちろん「思い」だけではなく、実際にアパレルブランドとしてオリジナルの洋服や小物をつくる際、徹底的にディテールにこだわってつくった制作秘話もたくさんあるのですが、これはまた別の機会にお話ししますね。
……とにかく、わたしたちはそんなふうにして、才能あるインフルエンサーの思いをカタチにすべく、「どんな人たちによろこんでもらいたいか?」というコンセプトを細かく丁寧に詰めていくことまで積極的にサポートしていったのです。
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「neam」が大切にしていることは、ほかにもあります。たとえば、フォロワーさんたちとのリアルな接点を持つということもそうです。
今回は、新宿ルミネエストさんからのお声がけがきっかけでPOP UP SHOPをオープンさせることになりましたが、ふだんも定期的に東京や大阪でフォロワーさんと南歩が交流できるような機会を持てるようなセッティングをしています。
南歩が自分の言葉で商品についてフォロワーさんに伝えることができるというだけでなく、フォロワーさんとの交流を通じて求められることを知るヒントを得る場にもなるのが、リアルな接点を持つことの意味です。
オンラインとオフラインを融合させながら、プロダクトアウトだけではなくマーケットインに沿った商品づくりをフォロワーさんたちと一緒の目線で考える──南歩を中心とした、そういうコミュニティを形成していることが「neam」に成長をもたらしているのではないかと思っています。
消費者が自分の価値観に近いものを探しに行く時代だからこそ、フォロワーさんとクリエイターの共感やつながりが大事になるもの。それを生み出していくのが、わたしの仕事でもあります。
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