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来世
俺は今絞首刑台の上に立っている。まもなく死刑が執行される。そして刑務官の合図により、俺はあっという間にこの世から消えた。
俺は少女を5人連続で殺害した極悪人。殺した後に少女を屍姦するのが俺の唯一の楽しみであった。
少女の死体に俺の精液が混入していたことから、短期間の捜査で俺は逮捕された。逮捕後、数々の法廷で戦ってきたが、全てが上告棄却され死刑を言い渡された。
俺はよく刑務官から”こんな惨いことしておいて、来世で幸せになれると思うなよ”と言われた。とはいえ俺は生前仏教を信奉していた。
俺は微かな希望を持ち、独房の中で来世に向けて修行をしていたのである。人間に生まれ変われずともせめて皆から可愛がられる犬か猫になりたかった。
そして俺はいざ死刑執行されると辺りが一瞬真っ暗になった。だがこの暗闇はすぐに終わり、拘置所からどこか別の場所に移動していたようだ。
なにやら犬のような鳴き声が聞こえる。しかも俺の視界は白黒に映る。もしや俺は犬に生まれ変わったのか。そして今俺がいる場所はペットショップなのか。
本当であれば、人間に生まれ変わりたかったが、こうして人間のペットになって世間からの重圧に飲まれずに済んだから良しとするか。
人間どもが他の犬や猫ばかりに夢中になって、俺には目も向けてくれない。俺はここで3ヶ月、半年と過ごし、もはや子犬といえなくなった。完全に売れ残りの犬になってしまったのである。
売れ残りのペット候補たちは決まって、保健所で殺処分される。俺もその例外ではなかった。
俺の命のカウントダウンは刻々と迫っている。涙で店員たちに訴えかけるも、奴らの心には響かなかった。ついに俺のガス室送りが決定したようだ。俺はまるでアウシュヴィッツで虐殺されたユダヤ人のような気分だった。
店員は俺を車に乗せ、保健所へと向かった。俺は人間だった時以上に恐怖と不安感に襲われている。そして俺は無慈悲にもガス室の中に入れられた。
他の売れ残りの犬とともに、吠えながら毒ガスが充満する部屋でもがき続けた。そして遠のく意識の中、俺は拘置所の刑務官に言われた言葉を思い出し、絶命した。
The end
担当:とろろ魔人
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