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お金に執着し始めるきっかけ

母親に育ててもらった分(=お金)を返して自由になるために、私は「もっとお金を稼がないと!」と思い込みました。

高校卒業後に経理事務員として就職した私は、入社後まもなく会社での立場や給与の違いに愕然とし、なんとかしないと!と焦り出しました。
まず私が与えられた仕事は、上司・先輩への朝・昼・休憩時間のお茶出し。全員違う湯呑みのためそれを覚えること。コーヒーを飲む先輩のために、砂糖・ミルクの有無やお好みの量を覚えること…ハイ、This is 昭和な世界でした。
男性が多い職場で、お茶出しは女性の仕事。朝の掃除もごみ捨ても、たばこを吸わないのに灰皿の片付けも全部女性社員の仕事でした。

同じ新卒でも大卒や専門学校卒の男性社員は雑用業務一切なしで、責任ある仕事(対外的な仕事)を任されて、お局様からの攻撃を受けることもなくて、とても羨ましかったです。

学歴が違えば給与に差があることはわかっていましたが、高校時代の成績が悪いわけでもなく、家庭の経済的理由で大学に行けなかっただけなのに…と、やるせない気持ちでいっぱいになりました。今思えば、人と比較することや人の目を気にすることが過剰でしたね。

大学に行く方法はいくらでもありましたが、当時の私は視野が狭かったのと、家族親戚に味方になってくれる人がいなかったので学校の先生などの大人を信用することも出来ず誰にも相談出来ずにいました。
保育園時代からのいじめや父親がいないなどの差別もあり、「被害者意識」がとても強くて、自己肯定感も低く、そこに学歴コンプレックスも加わって劣等感の塊でした。

さらに、いつも誰かに攻撃されるのでは?バカにされるのでは?と気が張っているので、いつもお腹の調子が悪くて落ち着かなくて、通勤電車とバスの中でも、会社の仕事中でも、トイレの心配ばかりしていました。

これも今思えば、そんな状態でよく仕事が出来ていたなーと思います。
体調が悪くても這ってでもお金のため・生活のため会社に行かないといけない。そんな毎日にうんざりしていたのと、経理事務がどうも苦手で…。

でも、経理事務を選んだのは自分です。「自己責任」です。
その会社を選んだのも自分です。男性が多くて、お局様がいることも事前に知っていましたが、その前に就職試験で2社落ちていた私は、母親から「どこでもいいから早く決めて!」と言われて、あきらめ半分でその会社を選んでしまったのです。

私が選んだのは、ただ就職すること・安定した仕事に就くこと=会社に就職して、それほど残業することもなく、お客さん(人)と関わることもなく、毎月決まった額のお給料をいただけること、でしたが、人と関わらずにお給料(お金)をもらうなんて出来ないんですよね。

そうともわからず、毎日いじめるお局様が悪い!体調悪いのに無理してでも会社に行けという母親が悪い!男性ばかり優遇する会社が悪い!となんでも誰かのせい・何かのせいにしていました。

そうして、その職場から脱出してもっとお金を稼ぎたい!もっと男女の差がなくやりがいがある仕事がしたい!と思った私は、自分の得意な仕事・好きな仕事って何だろう?と考えました。

・経理事務は毎月・毎年決まったことをやるのは苦手・好きじゃない。
・銀行回りは好き…外に出かけて社外の人と接するのは好き。
 息苦しい会社 から出て、街中に行けるのが楽しい。
・コンピューターの入力は好き・面白い。
(当時は各自1台のパソコンはなく、電算室というところにわざわざ行って
 伝票入力をしていました)
・コンピューター担当の人はいつも気楽で楽しそう。
・総務人事担当のおじさんは、いつも周りに気を遣って大変そう。
・忙しいし、お局様の手前、有休取りづらい。

など、いろいろと周りの人を観察したり、自分なりに考えたり情報収集をした結果、IT業界に転職するために情報処理の資格を取るスクールに行くことを決めました。

今思えば、とても良い会社でした。

というか、転職して行ったどの会社でも、
・私自身がしっかりしていれば…
・きちんと目的をもって仕事に就いていれば…
・自分自身を大切にしていれば…
・もっと人間関係を築く努力をしていれば…
・人を避けずにきちんと向き合っていれば…
もっと違う人生だったと言えます。

私はこれらが全然出来ていませんでした。

だから、自分の欲しいもの・欲しい結果がいつも得られず、人のことを羨んだり、自分や周りを否定してばかりいました。

そして、

「お金さえあれば…」と極端な思考

に走ってしまいます。

・お金があれば自由になれる。(お金がないから不自由)
・お金をたくさん稼げばバカにされない。(お金がないからバカにされる)
・お金があれば健康になれる。(お金がないから不健康)
・お金があれば好きなことが出来る。
 (お金が無いから嫌なことを我慢しないといけない)
・お金さえあれば幸せになれる。(お金がないから不幸)

人生のその時々の瞬間を楽しめなかった私は、今になって「もっと楽しまないと!」と思えるようになりました。
だから、今何かに囚われて自分の人生の方向を見失っている人に、私の失敗経験が何かのヒントになればと思っています。

失敗ストーリーはまだまだ続きます…。

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