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大学授業一歩前(第10講)

記念すべき第10講は社会学と文化研究を教えてらっしゃるケイン樹里安先生に記事の作成をしていただきました。お忙しい中ご協力ありがとうございました。『ふれる社会学』(北樹出版,3刷)をお書きになった先生の講義をお楽しみあれ!!

プロフィール

Q:ご自身のプロフィールを教えてください。

A:社会学と文化研究が専門の研究員/非常勤講師です。最近、社会学の超・入門書『ふれる社会学』(北樹出版,3刷)という本を研究仲間と一緒に世に出しました。「ハーフ」と呼ばれる人々の日常やよさこい踊りが主たる研究テーマです。また、HAFU TALK(ハーフトークhttps://hafutalk.com)というメディアを仲間と立ち上げて2周年を迎えました。夜中の飯テロが趣味。コーラとから揚げが燃料。

オススメの過ごし方

Q:現状時間が多くある大学生活におすすめの過ごし方を教えてください。

A:一言でもいいので、日記をつけてはいかがでしょうか。日付と時間と、他愛もないとこで全然いいと思います。何を食べたとか、誰とLINEで話したとか。この非日常な感じを10年後に読み返すと興味深いと思います。あと、100年後の誰かが、この時代について知りたいと思った時の優れた資料になると思うのです。あとはもうピンときた映画や本や音楽などに思う存分ふれまくるのがおすすめです。特に、本。最新のモノから古典まで。できれば大手のサイトじゃなくて、頑張って開けている本屋さんや、本屋さんのWEB SITEで買っていきましょう。なんでもかんでも売ってる大手サイトで買うのは味気ないですし。

必須の能力

Q:大学生に必須の能力をどのようにお考えますか?

A:「おもしろがる」ことでしょうか。こんなこと思ったことありませんか?大学の講義や課題の内容に「これなんかの役に立つの?」みたいなこと(笑)不思議なもので、大学卒業してからわけのわからないことに振り回された時に「あー!これ、あの時わけわからん話してた先生の言ってたことだ…」ってなる時が来たりするのですよね。だから、わけわからない講義でも、いったんおもしろがっておくと、意外とあとで効果でてくるのでおすすです。そもそも役に立つかどうかなんて、事後的にしかわからないですし。

学ぶ意義

Q:先生にとっての学ぶ意義とは?

A: 難しいなぁ(笑) まぁでも、僕にとっては、意義よりも前に「おもしろい」んだと思います、学ぶことが。不謹慎な言い方かもしれませんが。今までスルーしていたことや、それでうっかり誰かを傷つけてしまっていたことや、自分の首をギューッとしめていたかもしれないことにハッと気づける経験って、大切だと思うのですよね。僕、実はガッツリ就活していたんです。でも、社会学や文化研究(カルチュラル・スタディーズ)と出会って、「もう少しやりたいな」と思って大学院に進学してから、今まで続いてるんですね。だから、おもしろいんだと思います、きっと。

オススメの一冊

Q:今だからこそ読んでほしい一冊を教えてください。

A: めちゃ難しい(笑)社会学や社会調査について学びたい人向けに20冊くらい紹介したり(http://hokuju.jp/fureru/shiryo.html)、イベントの小冊子でもおススメしたりしてきたんですが、絞れなくてすごく難しい。チママンダ・ンゴティ・アディーチェの『なにかが首のまわりに』とかもおススメなんですが。でも、やっぱり『ふれる社会学』は読んでほしいです。自分が書いてるからってよりかは、読んでほしい「書き物」を書く人たちばっかりに原稿を依頼して出来上がった本なので、ぜひ。好きなところからパラパラとめくってほしいです。


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メッセージ

Q:学生に向けてのメッセージをお願いします。

A: 対面講義というよりも「キャンパスライフ」を奪われてしまっているので、何をするにしても気が滅入りますよね。積み重なる課題の山、講義を受講するにもリフレッシュするにもスマホやパソコン、タブレット。こんなはずじゃなかった、ですよね。僕は「授業する側」ですが対面授業もそうですし、授業準備や原稿執筆で利用していたお店に行けないのがかなりキツいです。映画もLIVEもいきたいし何より本屋さんに行きたい。さっきおススメした日記や「おもしろがる」ことは、実は自分に言い聞かせてることなのです。なんとか健康第一で、時には「生きさせろ」と声をあげながら、でもほどよく力を抜きながら、安易な自己責任論(ほかにも要因があるはずなのにそこはスルーして「こんな状況になったのはお前が〇〇しなかったからだ」ばっかりの議論)なんかに絡めとられずに、おたがい踏ん張っていきましょう

おわりに

今回はケイン樹里安先生に記事を作成していただきました。お忙し中ありがとうございました。重ねてお礼申し上げます。ありがとうございました。『ふれる社会学』とても面白かったです!!

まだまだ大学での授業は開始されていない中、本を読むことで新たな世界に行ける気がします。先生が仰るように、個人経営の本屋さんや地元密着型の本屋さんなどで本を買うと、そこにも新たな発見があると思います!!社会が動き始める中、大学生(私自身も.....)は大変ですが、今だからこそ学べることを少しずつ学んでいきたいと思います。次回の講義は6月6日です。お楽しみに!!



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