マガジンのカバー画像

物語

19
思い付く限りの欲を全て架空の人生に当て嵌めて、眺めながら自らのはしたなさやまずしさを愉しむ遊び
運営しているクリエイター

#SM

覚醒

「お久しぶり。」
背後から気色の悪い声に肩を叩かれました。
こういう時の嫌な予感はもはや予感の範疇を超えて逃れられぬ現実となります。
振り向けばそこには、一度見れば絶対忘れないほどに醜悪な男。幼馴染の男でした。

女は思わず歪みそうになる顔を真顔に保つのに必死です。男はそんな黙ったままの女にジメッとした分厚い手を差し出してきました。
まぁ、ただの挨拶にわざわざ握手を求める奴があるでしょうか。その

もっとみる