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営業プロジェクトが思うように進まない_解決編①

 今回から2回にわたって、UNITE代表の上田と「セールスというアートをサイエンスし、日本の営業をアップデートする」というミッションミッションを掲げ、営業プレイヤー、コンサルタント、そして現在SFA/CRMを提供するマツリカでマネージャーとして活躍しながら、UNITEのセールスディベロッパーとしても活動されている中谷真史さんとの「成果を出し続ける組織を作る」プロジェクトについての対談をお届けします。

 一回目である本記事では、営業組織が前に進まない企業に共通する課題と、そのリスクが会社にいかに影響を及ぼすのかについてお話していきます。新型コロナウイルスの流行など、社会の変化にも触れていきます。

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UNITEのセールスディベロッパーとしても活動されている中谷真史さん

営業組織が前に進まない企業に何が共通しているか

上田:では、早速始めさせていただきます。よろしくお願いします。

中谷:よろしくお願いします。

上田:まずはじめに、営業組織が前に進まない理由からお聞きしたいのですが、組織に共通している特徴はありますか?

中谷:やはり、「優れたマネージャーがいないこと」は、要因として大きいです。
 簡単にいってしまえば「名プレーヤー=名マネージャーではない」ということです。売ることのできる人間が、必ずしもマネジメントできるわけではありません。役割としてのマネージャーではなく、事業全体を見渡すことができる、売ること以外の能力に長けたマネージャーがいないことが共通点としてありますね。
 
 経営における営業組織は当然ながら利益を生み出すためのキャッシュを持ってくる一番重要なファンクションです。それにも関わらず、事業全体を考えられる人がいないというのは、大きなネックになります。
   
 この能力は営業ではなく企画やマーケティングに携わる人の方が持っていたりしますが、そういう人には営業の知識がなかったりもします。営業プレイヤーから昇進するだけでは実践できず、かといって営業以外が着任しても実践できない、というところが難しいところだと思います。

上田:営業のマネジメントスキルは、営業の延長線上にないということですか?

中谷:延長線上にはあります。しかしながら、かなり大きな一歩を踏み出さなければそこにたどり着くことはできません。

上田:その理由は何だと思いますか?

中谷:まず、「売ること」と「売らせること」が全く違うことだからです。そしてその「売らせる」ことにも2つあります。世の中一般的に、「売らせること=商談自体を成功に導くこと」だと考えられています。売らせることのもう1つは、商談そのものではなく、目標などの数字の作り方やターゲティングの仕方、戦略の組み立てなどをすることです。後者ができるマネージャーはほとんどいませんね。

上田:そもそもやる機会がないのか、やってもできないのか、どちらなのでしょうか?

中谷:そもそも後者のようなマネージャーの動きをしようとする人が少ないですね。その結果として経営者に負担がいくことが中小企業のリアルだと感じています。いわゆる「プレイングマネージャー」ばかりです。

上田:マネージャーがいないという課題の解決策として「採用」があると思うのですが、実際にそのような働きのできるマネージャーを採用するべきですか?また、採用することは可能でしょうか?

中谷:採用できるのであれば、採用するべきです。ですが、できる人はほとんどいませんので採用難易度は非常に高いです。

上田:採用ができず、マネージャーがいないことが営業組織が前に進まない課題に直結しているんですね。


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営業組織が進まないことは直接経営のリスクに繋がる。

上田:営業組織が前に進まないことは、具体的にどういった課題に繋がりますか?

中谷:プレイングマネージャーは結局のところプレイヤーなので、そうなると営業部門全体を見通せる人がいないことになります。全員営業では読みも立たないし、課題を抽出しきることができません。その結果として、経営者が全ての組織を見ないと回らないという企業が多いです。うまく行く営業組織は、優秀なビジネス感覚を持っている経営者のハードワークによって成り立っていると言っても過言ではありません。

上田:読みが立たない状況を詳しく説明していただけますか?

中谷:はい。この先の読みが立たないことに加えて、計画が未達であるという状況です。例えば、100%を目標にしているけど80%しか行きそうにありません、と言っている組織が結果79%だったらすごくよく見通せています。でも、それができないと100%行くと思っているのに40%しか行かない、といったようなことが起こってしまうんですね。

 そう言った見通しが立てられないことは、直接経営のリスクになり得ます。利益は将来の事業投資になるので、ある程度の見通しが立てられなければ、将来の事業を考えられないことを理由に会社のグロースを止めてしまうことになります。

上田:営業目標の未達という課題をよくみてみると、どこに課題点があるのかわかっていない場合が多そうですね。

中谷:そうですね、課題がわかっているけれど、どう解決していいかわからない場合ももちろんあります。

変わりゆく時代の中で、この問題はどうなっていくのか

上田:今新型コロナウイルスが流行して、働き方や組織の進め方が大幅に変化する時代に差し掛かっていると思うんですけど、そういったこともこれまで話してきた課題と関係してきますか?

中谷:関係はあると思います。今までないがしろにされていたものや、見て見ぬ振りをされてきたものが顕在化してきていますね。対面だから問題がないように思えてきたものができなくなって初めて、これは危機的な状況だと気付き始めている組織が多い印象を受けています。
 そんな中でも元から現状や目標、課題感をマネージャーが管理できていた組織は、オフラインで業務をしていても、テレワークになっても、そんなに大きく状況は変わっていないはずです。

上田:これから直接的にどんな問題が起こりうると思いますか?

中谷:新型コロナウイルスの影響によってどの部分が削られて、どこがうまくいっていないから、どれくらい売り上げが落ちるのか見通せないケースが増えてくると思います。見通せないから、何をカバーすればいいのかもわからない状況になると思います。

上田:現場から上がってくる目標未達の要因として、「抽象度の高い理由」が上がってきたら危険ですね。

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リモートで対談をする様子

現状と課題の把握が、課題解決の最初の一歩

上田:「先を見通せない」組織、企業も多いですが、どうすればその状態を抜け出せるのでしょうか?

中谷:現状と課題の整理をする事に尽きます。

上田:なるほど。UNITEとしても、現状と課題の整理ができるようにするために、それを何度も行ってきたマネージャーに企業に入ってもらう事で、理想と現実の乖離を可視化し続けています。

中谷:そこがまず最初に必要になるので、UNITEのアプローチはお金を払ってでもやるべきだと思います。特にこれから事業をグロースさせたい、伸ばす必要のある組織はその時間とノウハウをお金で買う事の価値は非常に大きいです。もちろんそういったことのできる人を採用するために動き続けた方が良いですが、早めに時間とノウハウをお金で買うことをお勧めします。

上田:時間とノウハウ、成功確率と採用のリスク減のためにと言うことはもちろん、時代背景にあったサービスであるとも思っているので、それをお話しいただけてよかったです。


 今回は、営業組織が進まない企業に共通している課題とその背景、そして「まず最初に対策すべきこと」についてお話を伺いました。また、新型コロナウイルスの流行によるリモートワークの増加との関連についても触れてきました。後編では、UNITEが行っているセールスディベロッパー事業の具体的な事例についてお話していきます。


UNITE株式会社について
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