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ドローンで沖縄の海を撮影するときに試したい写真編集

こんにちは。私は沖縄の石垣島でドローン(DJI MavicMini)を使って、様々な海の写真・動画を撮影しています。仕事がらサンゴの成長量を確認したり、土砂流出の状況を調べるのが目的。同時に講演会やセミナーで使う写真も撮影したり。MavicMiniはRAW撮影ができないので色の編集に苦労します。今日はそんな色味の強い沖縄の海を「よりドラマティックに再現する写真編集」の方法をご紹介します。

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沖縄の海は情報量が多いのです。雲の立体さ、深い海のコントラスト、森の緑、浅いサンゴ礁の岩場、空の青さ...様々な要素を1枚にまとめる必要があります。撮って出しも悪くありませんが、どことなくぼんやり見えてしまう...という時には、それぞれの要素↑ を整理して編集すると見せたい部分が決まります。

・あえて彩度を下げる = 情報量を減らす
・ハイライトを引き立たせる = 雲を立体視
・シャープを少しかける = 雲や森が引きたつ
・HSLやコントラストを調整 = 海を再現

露出や明るさは動かさず上の4つで色を出すのが私の好み。人それぞれ皆見せたい色が違いますが、この先の作例も参考にしてみてください。


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この写真は手前のリーフエッジ(サンゴ礁の外側)の確認用に、構図など何も考えずに撮った一枚。リーフの形状を見ようとコントラストを少し強めにしたところ、沖合の潮目(横筋)にかかる雲の筋がくっきりと見え始めて。それならと空とリーフを横長(2.45:1)で切り抜いたら思いの外見栄えがよくなりました。


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MavicMiniは影の部分の再現性が乏しく逆光に弱いカメラですが、シャドウやブラックの域を白飛びしないように調整します。その後、HSLバーで色を置き換えて山肌や木々の黒さに紺色を加えると心地よい一日が始まる予感がします。


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2017年、日本で最も大きなサンゴ礁である「石西礁湖」の9割のサンゴが死んでしまいました。その理由は世界的な海水温上昇。

私はいち市民として毎日の海を記録し、自分でも調べ、その情報を専門家と共有できるようにしています。この写真は大雨が描いた砂模様。陸上の土砂流出もサンゴが弱る原因なので、コントラストを引き上げて黒土を強調しました。


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象徴的な構造物に視線がいくのは自然のこと。岩盤の彩りは弱め、海の色は深みを足し、ハイライトを動かして雲の反射を引き立たせます。風が少し強い日に撮影すると水面が動きも表現されます。


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撮って出しの写真は白一色ですが、ハイライトとコントラストを動かすと沖縄らしい雲が引き立って海に白い帯が引かれます。彩りを足すと陽の色も溢れます。


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夕日が強めた赤味やマゼンタを抑えるのって難しいですね。この写真はホワイトバランスの調整とHSLでマゼンタや赤を減らしました。でも土砂流出を止めれば色補正もいらなくなるので沢山木を植えなきゃ。


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上の写真を陸側から見たもの。土砂流出を解りやすくするため、上の写真とは逆に赤味を強めました。海の青みは元々無いので緑と赤味を引き立てると伝わりが増します。


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真冬の海を夏のように変えるにはコントラストやブラックの色を動かします。と言っても薄暗い曇り空の日の海の色を夏色に変えることはできなくて、晴れた日に撮らないとこの色が再現できません。

水の惑星 地球は、太陽の光で美しさが増していく。この先もずっとそうであり続けますように。

それをいつまでも写真に残せたらいいですよね。

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