からだが変わる体幹ウォーキング
からだが変わる体幹ウォーキング
金哲彦・平凡社
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マラソン、ジョギング系をされている方だったら、一度はお名前拝見したことあるんじゃないかしら、な、金哲彦さんの御本。
ここ連日「歩く」についての本を読んでおりますが、ここはちょっと本職のトレーナーがどういった形で教えてくださってるかな、と知りたくて拝読いたしました。体幹…体幹ね…言葉は、知ってる……体幹トレーニングとやらは…なんか…触りだけ…少しだけやったことが…あったような……
金先生、元々ランニングやジョギング、マラソンのトレーナーの方なので、
「ウォーキングの話からランニングに誘導したりするんでしょっっ!?いっぱい運動させる方向にいったりするんでしょっっ!!??」
と走るの大嫌いな私は実は少し身構えていたんですけれど、全然そんなことはなくて、「立つことから始めよう」なんて、バリバリに初心者や普段動きつけない人に向けてこちらの本書かれています。
金先生、走りの専門家なので、走りの負荷の高さに比べ、歩くほうが続けやすいですよと説いてくれてます。ただ、そんな負荷の低めな運動の「歩き」でも、体を痛めてしまう人が多く出ている点に触れて、
「どうせ歩くならちゃんと効果が出るほうがいいよね」
と促してくれています。
以前に金先生のマラソンの本も読んだことがあるんですが、そういえばいきなり走るんではなく、走るのと同じ距離や時間をまずは歩いてみよう(意外と歩ききれなかったりもするらしい)、て話の入りだったし、金先生の指導、ベースは「歩く」なのかもですね。そうだよなあ、基本ではあるもんなあ。走るより歩くほうが日常からすることだもんね。
歩きはまず手軽である点、習慣化しやすい点、どういった効果があるかを冒頭にかなり丁寧に説明なさってて、歩くことを習慣にすることへのハードルをうんと低くして、さあレクチャー開始、となったら「立つところからはじめよう」としています。丁寧!とっても丁寧!こちら読みつつ実際に立ってみたんですけれど、確かに意識すると普段使ってない筋肉使って立ってる気がする!
ウォーキングのいいところは手軽な点とあって、そこもあって「こうするべきだ」といった形にはしたくないとも書いています。とはいえ読者各位は体力も年齢も環境も違うので、まずは自分の癖をリセットすることを推奨しています。姿勢がそのうんと手前なところで、チェックシートまで入っているよ。
こちらの本、挿絵も豊富ですし写真も入っているし、手近な道具での姿勢の正し方やそれに対する解説も非常に細やかです。良い例だけではなく悪い例も載せているので、あっなるほどー、てなりやすい書かれ方なんですね。すごくこう…説明慣れしている…多くの方にたくさん説明や指導をして、言葉もブラッシュアップなさったんだろうな…
こちら新書なんですけれど、ページ数も文字量も文字サイズもとにかく「読みやすい」!基本的な部分にページの大半を使っておいでなのですが、巻末の方に
「レベルアップしたいのであれば」
といった記述やメニューがあったり、
「体に痛みが出た時の対処と見直したら良い点」
も非常に細かに解説されてるんですね。ウォーキングは体への負担が少ない運動ではあるけれど、運動である以上は何かしら負荷がかかるんだぞ、という前提でまとめられていて、運動してこないままで大人になった人、初心者にはめちゃくちゃ安心出来る内容です。
あくまで生活の中に上手に取り入れる形で、楽しんで行ってね、はじめは散歩とか散策からでいいからね、と、とにかくハードルを低く、入り口を広くとってくれてます。ちょっとした運動をいかに普段から取り込んで気長に続けられるようにするかのシステム構築についてもページを割いていますが、そういう普段アイテムでの運動をする注意点なども記載されていて、いたれりつくせり…!!運動記録を取るのも推奨されていて、巻末に記録用テンプレートを載せてくれています。最近だとスマホアプリでもっとよろしい性能のものも多いわけですけれど、アナログ派はいつまでもいるもんだからね…
ということで、どんなに簡単なことでも少しずつでも、普段からなんかしらしよう、と思える優しい本ですので、「○○をしなきゃ!」てガチガチになってしまったり、「頑張りたいけど体がついていかないんだ…」て理想とのギャップにちょっとへこんでしまうといった人は、自分に優しく出来る良い本かと思います。実際の体の姿勢もですが、気持ちや運動への姿勢や負荷もリセット出来そうな良い本でした。おすすめです!
わたしも今より少しだけ歩くのを意識しようっと。
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