【夜話】ユニコーンのニコニコアイス

ぽんちゃんはアイスクリームがだいすきなオンナノコ
いつもすてきなアイスクリームのことをかんがえていました。

バニラ、イチゴ、チョコ、メロン…
アイスクリームは　どんなあじだって　とてもステキで
つめたくって　あまくって　かわいくて
とてもおいしい　ステキな　たべものです。

きょうも　ぽんちゃんは
いつもどおり　おかーちゃんと「しょうてんがい　ゆるゆるおさんぽ」に　いくことに　しました
いろんなおみせを　みながら　おさんぽです

おとーちゃんのおみせを　でて、ほそいろじを　あるき
ちょっといったら　くいっと　まがると　
いつもの　おまんじゅうやさんが　みえます。

おねーさんたちが　てをふってくれた　ので　
ぽんちゃんも　にこにこ　おかえしです
どこいくの？と　きかれたので

「おかーちゃんと　おやさい　かいにいくのよー」と　こたえました。

おててを　あげて　しんごうを　わたって…
だいすきな　とおりには　いつも
いろんな　はたらくくるま
それを　みるのが　たのしみで…

あれ？　
みたことのない　くるまが　とまっています。
ピンクと　みずいろの　すごくかわいい　おみせやさんの　くるまです

「あれー？」
ぽんちゃんが　おおきな　こえを　あげました
「おかあちゃん、くるまのうえに　おおきくて　しろいおしりが　あるよ？」

ほんとうです
しろくて　おおきくて　まぁるい　どうぶつのおしりが　
ふさふさながい　かみのけみたいな　しっぽが
ゆーらゆーら　くるまのうえで　ゆれていました。

あららあれは…

ふりかえったのは　ピンクとみずいろの　たてがみの　おうまさん…
ん？　おでこに　おおきな　ツノが　はえてる！

ぽんちゃん！　あれは　ユニコーンさん　だよ！
おツノが　いっぽん　はえている　おうまさんだ！
おかーちゃんは　びっくりしながら　そういいました

すると、たのしげな　うたが　きこえてきたの　です

「ゆーにゆにゆにゆにこーん、にこにこにこにこゆにこーん♪
  ゆーにこーんのあいあいあいすは　にこにこうまうま、ひひひひーん♪♪」

わぁ！　ユニコーンさんが　おうたを　うたってる！
アイスやさん　なんだね！　いってみようか！
おかーちゃんと　ぽんちゃんは　おおいそぎで　かけだしました！

ぽんちゃんを　だっこした　おかーさんが　なかをのぞくと…
なんと、　なかにも　ユニコーン！
さっきの　ユニコーンさん　とは　おいろが　ちょっとちがうけれど
おんなじ　タイプの　ユニコーンさん　です。

「ぶひひひひ♪　アイス　いかがっすかー？」

にこにこ　しながら　ユニコーンさんが　きいてきます

メニューは　どこか　と　おかーちゃんが　キョロキョロしたら
ぽんちゃんが　おおきなこえで　いいました
「いちばん　おいしい　アイスを　ください！」

「はいリョウカイ　ふたつで　800えん　ね」
ユニコーンさんは　そういうと　いきなり　おおきく　バンザイを　しました

そして　おでこのツノに　いきおいよく　さわり…
はなしたときに　ツノが　まぶしく　ひかりかがやき　ました！
なんと！！　アイスが　いつのまにか　つかまれていました。

ピンクとみずいろの　シマシマアイスと　
みどりときいろの　グルグルアイスです！
しかも、おはなのような　かたちです。
ぽんちゃんは　おおよろこび。
いそいで　アイスを　うけとります。

「なんの　あじ　ですか？」
ぽんちゃんがきくと、
「イチゴサイダー」と　「れもんソーダ」と　おしえて　くれました

おかーちゃんと　ぽんちゃんは、　いつもの　べんちに　すわって　たべました
ものすごく　おいしい　アイスで　むちゅうで　たべてしまい
あっというまに　なくなってしまいました

たべおわって　「おいしかったね」と　いいながら　きづくと……
なんと　びっくり！
まわりの　けしきが　かわっていました　
いちめんの　しろい　ふわふわと、あお…
おかーちゃんと　ぽんちゃんは　おそらの　うえに　いたのです！
あるいてみると　しろいくもは　ふわふわで　いいにおい！
りょうてに　いっぱい　あつめてみたら　なんだか　とっても　おいしそう…
ぽんちゃんは　ひとくち　たべてみることに　しました

ふしぎです！　おててでさわっても　とけないし　つめたくないのに
たべてみたら　それは　アイスクリーム　でした！　
つめたくて　あまくて　いいにおい…

さらに　ふしぎなことに　
くものアイスは　たべる　たびに　ちがうあじが　しました

いちご、ちょこ、めろん、ちーず、ばなな、まんごー、ばにら…
なんて　ふしぎでたのしくて　おいしいんでしょう！
ふたりは　むちゅうに　なって　たべました。

「あっ！！」
とつぜん　おかーちゃんが　いいました
「これ、アイスなのに　こんなに　たべたら　おなかいたく　なっちゃうかな」
おかーちゃんは　あわてています
めちゃくちゃおいしかったので　ついつい　わすれて　しまって　いたのです
「まぁ、いっか、たべてしまったものは　しかたない」
そういうと、むこうの　ほうから　こえがしました。

「だいじょうぶさ。　くもの　アイスは　まほうのアイス　だからね！」
また　あえました。
ユニコーンさん　です
「おなか　いたく　ならないどころか　かんぜんげんき　けんこうかいふくの
とびきり　すぺしゃる　まじかるアイス　だぞ！　あんしんして　たべてね」

そういって　ぽーんと　おおきい　ぼーるみたいなものを　なげてきました
なんだか　ものすごく　すてきなにおいがします
「それ、　ユニコーンの　にこにこすぺしゃる　レインボーアイス　だぜ」
ほんとだ、なないろに　かがやいて　にじみたいな　いろの、あいす
さわっても　つめたくないし　おもくもないけど　アイスだ！

「おいしいから　たべてごらんよ」
そういって　ユニコーンさんは
しんじゅみたいに　きらきらひかる　スプーンを　くれました

そのあじと　いったら！！
ぽんちゃんは　じぶんが　きらきらひかって　
くるくる　まわったり　とんだり　しているような　きぶんになりました
そのくらい　とくべつ　とびきり　さいこうに　おいしいアイス　だったのです

また、むちゅうでたべて　しまいました
そして、またです
たべおわって　きがつけば　いつものやおやさんの　まえにいました
アイスクリームやさんは　もういません

あれ？　なにがあったの？？
わからなくて、　やおやさんに　きいてみましたが　

「アイスやさん　なんて　みてないよ。　ユニコーンなんて　みたことないよ」
と　いわれてしまいました
でも、おかーさんと、ぽんちゃんは　たしかにアイスをたべたのです。

だって、ぽんちゃんの　おくちは　よごれていたし
おなかは　いっぱいだったから　よるごはんも　たべれなかったし　
なによりの　しょうこに　ふたりの　てには　
しろくて　キラキラした　すてきなスプーンが　のこっていたのですから！

ぽんちゃんは　あのひからまいにち　そのすぷーんを　ながめています
きっと、ユニコーンさんの　あの、まほうの　ツノから　できてるんです

このすぷーんがあれば　いつかまた　ユニコーンさんに　あえると　
ぽんちゃんは　そう　おもうのです