他責のオッサン

“他責のオッサン”になるな!

最近、某大手企業の管理職の方と、飲みの席でお話することがあり、今から覚えば、大先輩に失礼な質問な気もしますが(汗)、

「出世できた理由ってなんですか?」

という質問をストレートにぶつけてみました。

すると

「うーん。特になんもないけど、敢えて挙げるなら、愚痴は言わなかったかな

という回答。

思わず唸ってしまいました。

たくさんの事情や制約もある中、成果を上げていかなければいけない。でも、どんな時も「なんでこうなんだろう?」って疑問をもったら、愚痴や文句を言う前に、常に「自分で変えよう」と思って行動してきた。と。

「出世していない周りの人たちを見ると、飲みの席でいつも愚痴ってるよね」

とも。

当然のことながら、大変であろう出世競争を勝ち上がったこの方が、出世した理由は、他にもたくさんあると思います。でもその方が、敢えて一つ挙げたこの理由はすごく重いなと感じました。

“他責のオッサン”とは

ビジネスにおいても、プライベートにおいても、
いい歳なのに、

・うまくいかないことを、他人や環境のせいにしてばかりの人
・所属する組織やコミュニティに貢献する前に、主張ばかりする人
・ルール遵守や義務を果たさずに、批評や批判だけする人
・批評や批判はするけど、自ら表に立って良くしようと行動しない人
・組織やコミュニティの中で、常に誰かをやり玉に挙げて、攻撃することで自分の立場を守ろうとする人
・そしてそれらのネガティブを周りに広めることだけは、やたらと熱心な人

こういう感じの人を、私は心の中で“他責のオッサン”と呼んでいます。(ゴロがいいからそう呼んでいるだけで、特に性別等は関係ありません。)

30歳過ぎくらいになって、この状態になっていると、思考や行動の癖になっているので多分一生治りません

この人達の他責は、全方位。仕事はもちろん、プライベート、家族や家庭、奥さん旦那さん、あらゆるものに対して他責。

個人的な印象ですけど、仕事の文句が多い人って、家庭や奥さん旦那さん、彼氏彼女の愚痴も多くないですか?笑

こういう人たちと一緒にいると、気持ちが滅入るので、ビジネスにおいても、プライベートにおいても、できるだけ関わらないようにしています。

“他責のオッサン”は成長しない

他責というのは、とても楽です。

うまくいかないことがあっても、他人や環境のせいにしておけばいいので、気持ちも楽だし、自分のせいじゃないので、改善する行動もしなくてすみます。

ただし、楽な一方、常に自分の以外のせいになっちゃうので、自分が成長することがありません。言い訳が常態化します。

会社や組織において自分が現場や部下の立場にいるときに、

「上司が無能だから」
「クソみたいなルールのせいで活躍できない」
「うちの会社は経営陣の考えがおかしい」

みたいなことばかり言っている人は、いざ自分が上司の立場になると、今度は

「部下が使えない」
「あいつがルールを守らないから困る」
「あいつは経営の視点がないからダメだ」

とか言い出します。

結局どこまで行っても、自分に対して「反省の矢印」を向けることができないので、成長するきっかけを自らふいにしているなあ、と感じます。

若い頃に“他責”の癖をつけないことの重要性

仕事はもちろん、プライベートで深く関わる後輩や若い方には、“他責のオッサン”にだけはならないで欲しい。と常に思っています。

他責は楽だと、言いましたが、実際にはとても苦しいことだと思っています。

例えば、日常によくある些細なことですが、誰かと喧嘩した時に、相手が100%悪いと思いつづけてたら、ずっとイライラしますよね。

「あーやっぱり自分が悪かったな」って思えたら、自然とイライラもおさまるし、悪かったところを改善しようとして成長もできます。

他人や環境はコントロールできないですが、自分自身のことはコントロールできます。

他人や環境を変えようとするより、自分が変わろうと思うほうが、よっぽど楽しいですし、結果的に成長もできると思っています。

“他責のオッサン”にならないために

私は前職でも前々職でも、新卒や若い人が入ってきた時に必ず伝えていたことがあります。

ネガティブな発言が多い人、文句や愚痴ばかり言う人、ネガティブなオーラを発する人から離れなさい

炎上ニュースの拡散力が凄まじいことからもわかる通り、実際のコミュニティや人間関係においても、ネガティブのパワーがポジティブのパワーより、強いことは、悲しいですが事実です。

なので、もし自分の周りにこういう人がいたら、若いうちは特に、できるだけ距離を置いてください。

会社や組織やコミュニティの文句や愚痴を言うだけの、しょーもない飲み会には行かないでください。お金と時間の無駄です。

さらに注意すべきことは、仮に仕事の能力が高い人であったとしても、この類の人からは離れること。

組織が壊れる時に、そのキーマンになっているのは、「能力が高いネガティブな人」だったりします。

なので、能力が高い低いに関わらず、ネガティブな思考癖や発信癖のある人からは距離を置くことをオススメします。

外部要因を内部要因に

“他責のオッサン”にならないための、キーワード。

私が尊敬していて、一方的に自分のメンターの一人だと思っている某社長から教えてもらった言葉。

何か問題が起きた時に、外部要因であることは当然のことながら多々ありますが、あえてその時に「外部要因を内部要因に」という思考フローを入れる。

「確かにこういう外部の要因はあるけど、本当にそうだっけ?内部に要因はない??」

経営陣はもとより、社員が常にこういう発想で仕事をしていると、凄く前向きな改善パワーを生み出しますよね。言い訳癖も絶対つかない。

自分原因論、なんて言葉は巷でもよくつかわれますが、私は「外部要因を内部要因に」という言葉がお気に入りです。

自責の発想は経営者脳だ

若くて志の高い人は、「今の会社で出世して役員になりたい!」「将来、経営者になりたい!」と思っている人も多いでしょう。

そういう方にも、他責でない、自責の発想はオススメです。

なぜなら、経営者の人、特に社長は100%自責の発想で動いているから。

当然そういう人こそ経営者になれる、ということもあるでしょうし、シンプルに他責にしたところで、結局自分に返ってきてしまうからです。笑

「雇われる側⇒雇う側」
「使われる側⇒使う側」

といった変化は

「他責⇒自責」

という変化でもあります。

敢えて少しだけ過激な表現をするのであれば、「搾取される側は嫌だ!」と思うのであれば、根本的に「他責」の発想を捨てること。

若いうちから、こういう考え方でで動いていると、管理職や経営者へのトレーニングになると思います。

愚痴った時は、必ずポジティブで終わる!

こんなこと書いていると、「お前は一切愚痴らないんかい!」とか、「愚痴も弱音も吐かない聖人になれよってこと?」という感想を持たれる方もいると思います。

人間、誰しも、24時間365日ポジティブで居続けることは難しいですし、当然ガス抜きも必要です。

若手同士で飲みにいって、普段は前向きなメンバーでも、時には愚痴が出ることもあると思います。それは健全なことだと思います。

大事なことは、愚痴った後に、必ず「とはいえ、頑張っていこう!」「むかつくけど、自分もこういうとこが悪いからそれは直そう!」とか、最終的にポジティブに着地させることかなと思っています。

「愚痴を言った飲み会は、最後は必ずポジティブに締める!」というルールにしたら、愚痴ったことをポジティブなパワーに変えられると思います。

管理職になったら愚痴る相手を選ぶ

管理職や経営者になると、ますますプレッシャーやストレスが増してきて、愚痴りたい気持ちも増えてくると思います。笑

注意したいなと思うことは、愚痴る相手を選ぶということ。

私自身もこれで失敗した経験があります。

私主導であるプロジェクトを進めている時に、社内の人に弱音を吐いてしまったことがあります。それが、まわりまわって私の上司の役員まで伝わってしまったようで、後日「おい、お前このプロジェクトに疑問があるんだって?」という話になってしまい、私自身が信頼を落とす結果になりました。

もちろん、私自身にそんな意図はなく、ただ話を聞いてもらいたかっただけでしたが、そういう軽はずみな行動は管理職になると、大事(おおごと)になってしまうことがあります。

間違っても自分より下のメンバーはダメですし、できれば利害関係がない、守秘義務を守ってくれる信頼できる人がいればベストかな。と思います。

いつまでもイキイキとしている大人であれ

最後に、自戒も込めて。

社会で活躍している、魅力的な諸先輩方は、40代でも50代でも、老けを感じさせることなく、イキイキとしてます。(多少お腹とかは出てくるかもですが。笑)

彼ら、彼女らが、最低限当たり前のように持っている共通点は“他責のオッサン”ではない!ということ。

何歳になっても、自分自身に「反省の矢印」を向け、成長できる大人でありたいなと思います。

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