書評:最高の体調 ACTIVE HEALTH
本の感想
面白かった。様々な論文を引っ張ってきて科学的根拠を述べるこの本はとても勉強になることが多い。雑学となる様々な知識を蓄えた。同時に実践していきたい内容、実際に僕自身が体感している内容も多数含まれていて読んで良かった本だと感じた。
要約
現代と古代を比較し、文明病という多くの人が抱える病の原因を突き止めそれの対策方法について述べている。そして、目的としては遺伝子が持つポテンシャルを最大限まで引き出すことである。
奥義
現代人にとって不足がちな食物繊維を意識的に摂り入れること。そしてビオフェルミンを飲むことによって腸内環境を改善する。腸内環境の改善は、アレルギーや認知機能、さらには「疲れやすさ」の改善にもつながってくる。
お勧めしたい人
・心と体が病んでいる(疲労感がある)と感じている人
・脳と体を最適化したいと考えている人
あとがき
ここでの奥義は腸内環境の改善に対する奥義を提案しましたが、他にも使える奥義がこの本には多数あると感じています。
何回も読み直して実践していきたい本です、
以下、抜粋ですので、内容について気になる人、復習したい人の参考になればと思います。
第一章 文明病
「文明病」が心と体を病んでいく。
「文明病」とは近代社会の変化によって引き起こされる、現代に特有の病気や症状を意味する。
その最たる例が、「肥満」である。この原因は社会が豊かになったからである。カロリーの摂取について議論してしまっては月並みの対処法になるのでこの本では議論しない。ここで、使うべきは「進化医学」の補助線である。
これは、進化論をベースにしながら人間の病気の正体を考えていく学問。
別名、「ダーウィニアンメディスン」。
人類の狩猟採集生活は600万年。
そして、農耕生活はここ1万年。
この壮大なタイムスパンを見れば、人類は進化の過程で古代の環境に最適化してきたと考えるのが自然である。
進化医学は体の不調だけでなく心のトラブルや脳のパフォーマンス低下も説明することができる。
文明病には現代人の集中力低下やうつ病も入る。
2017年にテキサス大学が行った認知機能に関する実験結果から研究チームは
「デジタルデバイスが近くにあるだけで、認知機能は大きく低下する。 デバイスの存在を近くに感じた時点で、 目の前の作業に使える認知のリソース は減ってしまうのだ」ということを言っている。
問題解決ステップ
①自分が抱える問題について、どこに遺伝のミスマッチがあるのかを特定す る
②ミスマッチを起こしている環境を、遺伝に沿うように修正する
不調
=「炎症」+「不安」
第2章は炎症と不安についての概略。
第3~5章は「炎症」を解決するために「腸」「環境」「ストレス」の3つを修正し、体と脳を根本からリセットする。
第6~8章は「不安」を解決するために「価値」「死」「遊び」の3点に焦点を当て、心理的トラップを逃れる。
第二章 炎症と不安の概略
炎症編
炎症は体の表面だけに起きる現象ではない
内臓脂肪は体を燃やす
「トランス脂肪酸」と「孤独」は現代的な現象
特に、「孤独」は自分の生存を脅かすもの
不安編
ぼんやりした不安の4つの脅威
①慢性的な不安は記憶力を低下させる
②不安は、理性的な判断力を奪う
③不安は死期を早める
④不安は不安を呼び込む
本来、不安の機能は「アラーム」だった。
炎症と不安は負のスパイラルを引き起こす。
「ぼんやりした不安」が脳に炎症を起こし、そのせいで増強された不安がさらなる炎症の火種に変わる。
第三章-第五章 炎症への対処
三章 腸
腸内細菌は人類にとって最古の友人である。
5300万年前は「持ちつ持たれつ」の関係だった。
腸内細菌のエサは、食物繊維。
腸内細菌が死ぬ要素とは??
①抗生物質を使う
部屋の換気は腸内環境を左右し、体内の炎症にインパクトを与える。現代では、人間とバクテリアが共存できる住居こそが理想の空間である。
つまり、自然の大気を吸い込むだけでも腸内環境は改善する
②加工食品の摂取
腸内細菌は加工食品が大の苦手。
加工食品を摂取するにしても食事量の1~2割に抑える。
第三章:実践ガイド(腸内細菌と仲良くするために)
・抗生物質をむやみに使わない
・抗菌グッズや殺菌グッズの排除
・空気をきれいに保つ:HEPAフィルタを使った空気清浄機を購入。湿度も意識。(30~50%)
・発酵食品:納豆、キムチ、ヨーグルトなど一日に40~50g,3週間様子を見る
・プロバイオティクス。例えば、「ビオフェルミン」や「ラクトーンA」も含まれる
・食物繊維:一日30gを目標に、5gずつ増やしていく。
第四章 環境
現代人に影響が大きい2つの環境とは、「自然」と「友人」である。
なぜなのか?理由として、その2つこそが、現代と古代で最も大きく異なっているからだと。
まずは、自然について
人類は数百万年の歴史において、初めて自然の景観から離れる存在となった。緑豊かな環境に適応するために変化してきた人類にとって異例の事態だと語る。
続いて、友人について
狩猟採集民の暮らしは濃密そのものだった。共同体の中に「見知らぬ人」など存在しなかった。加えて、個人間の格差や差別もゼロ。
それに比べ、現代ではどうであろう。
孤独を今もこじらせ続けており、特にここ数十年日本での問題は激増。
ユニセフの調査によると15歳以下の子供の30%が孤独を感じると答えた。
自然との接触を増やすための3STEP
①「自然音」または「自然画像」
②「観葉植物」
③「公園」
友人:親密な人間関係を築くために意識する3つのポイント
「時間」「同期」「互恵」
第四章:実践ガイド
自然
・デジタルの自然を増やす
・観葉植物
・公園の活用
・太陽
・アウトドア
友人
・接触時間:コミュニケーションは200時間
・同期行動:だれかと同じような行動をとれるコミュニティに参加する
・信頼:相手への相談という形で深い会話を心がける
第5章 ストレス
この章ではストレスへの対処法について説明する
ストレスを感じたときの応急処置「リアプライザル」
優良ホルモン「メラトニン」を増やす
第六章-第八章 不安への対処
第六章 価値
不安に対処するには、自分の価値感を明確にする。つまり、それはなぜ生きるかを知るということ。
未来をを今に近づける。目標ではなく価値。目標とは未来に達成すべきゴールであり、達成すればそこで終わり。一方、価値はつねに現在のプロセス。
第7章 死
『7つの習慣における第2の習慣、終わりを思い描くことから始める』に共通するように、死を意識することが心理的な不安や体内の炎症レベルが下がるという研究が報告されています。
死の不安を減らすためのキーワードは「畏敬」と「観察」
畏敬とは、鳥肌が立つような感情。観察とは、自分の思考と感情の変化でリアルタイムで気づくこと。
第8章 遊び
遊び心を持ちながら生き続ける
ルール化することで、”いまここ”に集中できる
人間の脳は、一度に「4±1」情報しか処理できない。生まれ持った認知のリソースをいたずらに消費しない点で理にかなっている。
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