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3つの結婚

タイトル:3つの結婚

イントロ〜

結婚を誓い合えば、外見は問題じゃありません。
中身の問題で、その相手を裏切れば、とんでもないことになるようです。

メインシナリオ〜

ト書き〈自宅の鏡の前〉

私の名前は果輪(かわ)ルコ。
今年35歳になる独身OLだが、私は不細工だ。

(カクテルバー)

そんなある日、私は或る人に出会った。

夢子「こちらをどうぞ。あなたは変わるわ」

彼女は夢子さんと言い、そんなカクテルバーなんかで出会った人が私の美貌について真剣に取り組んでくれ、
私を変えてくれるため、或る秘薬をくれた。

(鏡の前)

それを飲むと…

ルコ「え、これ…あたし?」

私は絶世の美女に生まれ変わった。

(改めて)

隆史「なんか最近、すごく綺麗になったね、どうしたの?」

ルコ「え?そ、そうかなぁ、ありがとう」

実はこれまで、あんな不細工だった私にも1人だけ付き合ってくれた人がいて、彼の名前は隆史(たかし)さん。

隆史さんとは会社で出会い、あんな不細工で根暗だった私にも真剣に向き合ってくれ、
密かに将来を約束してくれていた、そんな珍しい人。

でも隆史さんも、それまでの私と同じように冴えない人で、
もしかすると私以外、他の女の人なら誰も相手にする人が居ないような、そんな彼だったのだ。

でも私は幸せだった。仕事もプライベートも、それなりに順調。それについては満足していた。
満足していなかったのは、自分の容姿。
理想の美貌を手に入れることが出来ないでいた、その運命についてだけ。

でも私は夢子さんのお陰で、その女性の美貌を遂に手に入れたのだ。

夢子さんは本当に不思議な人だった。

昔どこかでいちど会ったことがあるような人、
そんな気がして、そこから安心が芽生えたのか、
私は彼女に自分の悩みを全て打ち明け、
どうしても今のこの美貌を手に入れたいと、
彼女に散々無心していた。

夢子さんは実は、都内でエステサロンを開業していたらしく、その延長で話が進んだ。
そして彼女はようやく私の願いに折れてくれ、1つの条件をもとに、私のその願いを叶えてくれた。

夢子「私は今のあなたとその彼氏さん、隆史さんとの将来が幸せになるようにと、このお薬をあなたに差し上げます」

夢子「ですのであなたは、今のそのあなたを認めてくれた隆史さんとの幸せにだけ向かって歩き、他の人と愛を紡ぎ合うような、そんなことだけは絶対しないで下さいね」

つまり浮気をするなと言うこと。

夢子「もしこの約束を破ったら、あなたにとんでもない不幸が訪れますのでご用心を」

少し怖いことも言ってきたが、私は美貌を手に入れるためなら何でも良く、
彼女のそんな箴言(ことば)もどこかで軽く聞き流していた。

ト書き〈浮気から不幸〉

そして私は文字通りに隆史さんと結婚し、それなりに幸せな毎日を暮らすようになっていた。

でもやっぱり思ってた通り、そんな彼との毎日に飽きが差し、私は不倫に走った。
これほどの美貌なら、私の周りに寄ってくる男は多かった。

リュウさんとデビッドさん。今の私の浮気相手。

デビッドと楽しんだそのホテル帰り。あの夢子が私の前に現れた。

(路地裏)

夢子「ルコさん。あれほど言っておいたのに、約束を破ったんですか?」

彼女はやはり一方的に私を責めてきた。そんな言葉を聞きながら、私はだんだん腹が立ってきた。

ルコ「もうほっといてよ!確かにあんたには感謝してたけど、私の人生、かき乱す権利は無いでしょ!」

そして彼女を無視して横を通り過ぎようとした時、
彼女は私の背中に向かって言ってきた。

夢子「これが最後のチャンス。もう1度浮気したら、あなたには不幸が訪れます」

そんな彼女を見ていると、その声を聞いているだけで、私の中に、その彼女を責めたい気持ちが出てきた。

ルコ「…フフン♪私はこの美貌を手に入れたの。もうあんたにとやかく言う資格なんてないわよ」

ルコ「今付き合ってるデビッドはねぇ、実は足フェチなのよ。美貌の持ち主のこの私の下半身の虜になっててねぇ、いつもそこだけを重点に私を愛してくれるわ」

ルコ「それともう1人、リュウって人とも私付き合っててね、彼は胸フェチ。私のこの豊満なバストが大好きなの」

ルコ「そんな2人に愛されて、私はとても幸せよ。隆史さんとじゃ、こんな満足は得られないからね♪私の今の正直、わかった?」

夢子「そうですか」

フン!と振り向き、私は彼女の前を時立ち去った。

(ホテル)

そしてその後も心の赴くまま、後日、私はまたリュウと浮気した。
その瞬間だった。私の目の前がぐるぐる回り出し、
私の意識は一旦飛んで、次に目覚めると、私はもう人の形をしていなかった。

(デビッドの自宅とリュウの自宅にて)

デビッド「うっ!うわあぁあぁ!!」
リュウ「なっ!ぎゃあぁあぁあ!!」

私の上半身はリュウの自宅の玄関を入ってすぐの廊下に放置され、
下半身は同じく、デビッドの自宅のリビングに放置されていた。

ト書き〈2人の自宅アパートを同時に見上げながら〉

夢子「だから言ったのよ。そんなに浮気がしたいなら、あなたは一生、その浮気相手の元に居ればいい。胸フェチのリュウにはルコの上半身を、足フェチのデビッドにはルコの下半身を、それぞれプレゼントしてあげたわ」

夢子「私はルコの夢と欲望から生まれた生霊。夢の方だけを叶えてあげようとしたけど、欲望がその夢を殺してしまった」

夢子「隆史はあなたの中身を愛し、美貌をもって化けていたあなたの存在そのものを大事にしてくれていたのに、あなたはそれに気づかず、そんな彼を心の中で無き者にした」

夢子「外見を愛する人など、所詮は欲望の虜。今あなたが経験してるように、部分的にしかあなたを愛せない人たちなのよ?ルコ。これからあなたは、その欲望の偽の愛を相手に、一生を捧げて生きなさい」

(リュウの自宅)

ルコ「…うう、ねえ、リュウさぁん…私の胸ぇ、好きでしょぉお…早く、早く愛してよぉ」(這いずりながら彼に近づく)

リュウ「く…!来るな!来ないでくれぇえ!」

私の下半身も不思議と言葉をしゃべり…

ルコ「ねぇデビッドぉ、私の下半身、愛してくれたのよねぇ…。早くいつものように太ももさん、愛してよぉ…」

デビッド「ガッデム!!This woman is the devil!」

2人とも、私を見るなり部屋を飛び出した。

夢子「逃げてっちゃったようね」

動画はこちら(^^♪
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