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育てた野菜から自家採種する方法

育ててみないとなかなか実感が湧かないとは思いますが、種の魅力というのは計り知れないものです。こんなちんちくりんの種から、その何倍もの大きさの実が何個も収穫できるのは、神秘以外の何物でもないです。

自家採種の楽しみ

私は昨年から、つまり家庭菜園初めて2年目から、積極的に自家採種をしています。初めから自家採種するつもりで栽培するので、それが可能な固定種、在来種の種を購入して栽培しています。

今年は今の時点で、

・聖護院節なりきゅうり
・ピクルス用のきゅうり
・ワーンミニトマト
・マティナトマト(中玉)
・ポンデローザトマト(大玉)
・山科ナス
・早生真黒ナス(昨年越冬した株に今年できた実から採種)
・泉州水ナス

の種を採りました。

きゅうりの種の採り方

こちらは聖護院節なりきゅうりです。めっちゃデカくなりました。相当長い期間、木にぶら下がっていましたが、先週自分から地面に落ちていたので収穫しました。

ここまで熟したきゅうりは、縦2つに割ると、プルプルのゼリーみたいな物に包まれた種が大量に出てきます。これをこのまま何か蓋付きの容器に入れて、3日ほど発酵させた後、水でプルプル(発酵するとプルプルしなくなる)を洗い流し、沈む種だけを選抜して乾燥させます。

ナスの種の採り方

こちらは私が勝手にmamaと呼んでいる、畑で育った泉州水ナスさんです。賀茂茄子かと思うくらい巨大に育ちました。

この状態で収穫した後、10日前後、自宅の涼しめの場所で追熟させます。木から採った後、放置していると、どんどんシワシワになり、表面に白いカビが生えて来たりと見た目はすごいことになりますが、とことん熟してから種を取り出します。

下の3枚は8/12にあらためて撮影したもの。

先日、mamaよりもひと足早く、プランターから種取り用の山科ナスと早生真黒ナスを収穫しました。それがこちら↓

こちらはもう追熟の2週間が経過して、上の写真の状態から、さらにシワシワのカビカビになったので種を採りだしました。すると、大変充実した種ができていて、大半の種が沈みました。


ナスの種子寿命は5年ほどらしいので(きゅうりも5年くらい)、来年以降の栽培も安泰です。

ナスの種はきゅうりのように発酵はさせず、取り出したら果肉や皮などのカスを取り除いて乾燥させて保存します。水に沈ませての作業なので、あらかたのカスの除去は茶漉しを使うと便利です。最後、種も茶漉しでキャッチします。

トマトの種の採り方

トマトの種の処理は、きゅうりの場合とよく似ています。収穫したトマトを常温の室内に3日ほど放置して、種を取り出して蓋付き容器に入れ、これも3日ほど発酵させて、プルプル除去して沈む種だけを選び、乾燥させます。

種の乾燥に使うと便利なもの

私は使用済みのお茶パックや出汁パックを捨てずに洗って乾燥させておいて、種の乾燥に活用しています。

この袋に入れる前の時点では、ガーゼの上に種を乗せて、少し乾燥させることもあります。その際、ガーゼなら良いのですが、ティッシュペーパーを使うと種がへばりついて取れなくなり、結局また水に種を浸けてティッシュを取り除くところからやり直しになるので、ティッシュはやめた方がいいです。水に入れたティッシュにも種がまとわりつくので、ものすごくイライラします。

保管方法

私は小さいビニール袋に入れて、さらにここにシリカゲルを入れてから、冷蔵庫で保管しています。

写真の上の方の蓋付き容器は、現在発酵中の種が入っています。発酵→洗浄→乾燥が終われば、袋に入れて保管します。

家庭菜園の醍醐味

どの野菜もそうですが、種は本当に小さいんですよ。当たり前のことなんですけど、この粒から細い細い根っこが出て来て、やがて葉が出て、結構なサイズの木に育つのを見るのはめっちゃ面白い。家庭菜園の楽しみの半分くらいは種から苗を育てる部分だと言っても過言ではないですね。

あと、種がものすごく貴重なものに思えてきます。まな板の上にトマトの種が残っていようものなら、絶対に食べる、みたいな。何なんでしょうね、この変わり様は。

家庭菜園をやっている多くの方が、苗を買ってきて楽しんでいるのではないかと思いますが、場所や時間に余裕がある場合は、種から育てることをおすすめします。

実際には、栽培品種によっては温度管理が大変で、寒い時期にナスやトウガラシを発芽させるにはそれ相応の工夫が必要ですが(またの機会に詳しく書きます)、とにかく、

種→発芽→双葉→本葉→蕾→実…

という生長の神秘に触れると、毎日がものすごく楽しくなります。

野菜ごとに生長のアルゴリズムは決まっていても、毎年飽きることはありません。工夫のし甲斐も無限にあるので、それがまた面白いです。私はまだまだプロのような再現性をマスターするような域には達していませんが、この楽しみをもっと多くの人が知り、自分で自分が食べるものを作る人が増えればいいなと思っています。

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