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タケシは自分自身を見つめなおした件【短編小説】

タケシは、料理と旅を趣味としている。

かれこれ社会に出て30年、社会人として、会社員としてそれなりのポジションを与えられ、それなりに苦労した事もあったが楽しく充実した日々を送っていた。

タケシは、料理と旅が好きである。

50歳を超えて人生100年時代、人生の折り返しを迎えていた。
若い頃とは違い何かをチャレンジするのも億劫になったり、新たな出会いや、経験も積もうとしなくなっている自分がいる。
自分自身を脳天から見下げ俯瞰の想いで見ているとそんな事を強く感じる様になった。

このままでいいのか。

この意識に苛まれると思考の交差が取り纏まりのない渋滞を起こす。

ここまでの人生頑張ってる、新しい事をやる方が苦痛だ。いやまだ出来るはずだ、チャレンジすべきだ、でも失敗したら、この纏まらない意識の連鎖に苦悩しながらもタケシは、一つの答えを出した。

自分のやりたい事、好きな事ってなんだんだろう。

タケシは、料理が好き!旅が好き!である。

こうなるといても居ても立っても居られない。

長らくお世話になっている会社に辞表をだし自分のやりたい事にチャレンジをしようと決意した。

タケシは、料理が出来る仕事、旅が出来る仕事が自分の年齢から出来る事は何か、昼下がりの大きな公園で考えていた。

昼時という事もあり周辺のサラリーマンやOLがお昼ご飯を買いに公園にいつも来ているキッチンカーの前に並びだした。

タケシもサラリーマンの時に良く経験した光景である。

その光景をぼんやりと見ていた。

『あーーー!』

そうか、そうしよう、後悔無く残りの人生を生きるには、やりたい事をやり切り悔いのない人生をそれだけである。

翌日、タケシは、キッチンカーを購入した。

これからは、キッチンカーで全国を旅しながら、ご当地の食材で料理を作りキッチンカーで販売する。

そうやって、残りの人生を好きな料理と旅で生きて行くと心に誓い行動に移したのであった。

タケシは、料理と旅が好きであった。

~おしまい~

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