今から不況を体験するエンジニアの方へ

なんか卒業式の校長先生のセリフみたいですが、特にSierに所属されている(だけじゃないですが)エンジニアの方に向けた不景気を二回経験したおっさんエンジニアの経験談です。

1回めの不況(1994年・バブル崩壊後)

自分が一度めの不景気を経験したのは、ちょうどバブルが弾けた後の1994年です。そのころの自分はコンピューター専門学園HALで簿記会計以外wのコンピューター系(当時ITとは言わなかったw)の科目は上位で、当時学科は二年生でしたが、四年生にも負けないと自負していました。
当時の自分はゲームの会社に行きたくて、またゲームの会社も当時はまともな業界の扱いではなく、超有名会社のC社ですら2年前は面接に寝巻きで行っても合格するなんて嘘か誠かわからない話しもあるぐらいでした(その後関係者に聞くと本当に受かっていたようです)。
でも急にバブルが崩壊し、就職に焦った四年生大学の上の方が、ゲームなんて好きでないのにゲーム業界になだれ込み、寝巻きで合格してた会社も、とあるソフトが大ヒットして、急に試験のハードルが高くなり、自分は他の企業含め、ことごとく撃墜され、普通のコンピューター系の会社も採用が全くなくて 、あっても情報処理免許二種以上などと、資格なんてクソだって言ってた自分は面接の機会すらなくて、専門学校内でイケイケ(死語)だった自分は、ゲームセンターのバイトをしながら就職できずに家にいるのも辛かったので休みの日は公園のベンチを温めてました・・・
最初の就職は

にも記載しているので、ご興味あれば読んでください。

2回めの不況(2008年・リーマンショク)

1回めの不況の厳しさからなんとか体制を立て直し、気がつけば携帯電話開発のプロジェクトマネージャー兼現場責任者&Sierでの取締役兼技術部統括部長(150名近い部下)で2005年に三名で始めた某携帯電話開発の自分のチームは2008年には30名を超える状況となり少し空いた時間は自分のエンジニアとしての腕を下げないように普通に実装してたりと、またイケイケな状況にありました・・・
が、流石に1回めの不況で学んでいた部分もあり、その頃ソフトバンクの携帯電話の割賦販売の始まりやiPhoneなどの台頭に危機感を感じ、取締役会議で携帯電話開発のビジネスはもう崩壊するから新しい開発にシフトすべきと、携帯電話の受託開発のTOPの自分が会議で叫ぶわけですが、他の取締役連中は携帯電話の受託はまだまだ景気が続く、比企はそんなの心配せずに、自分のチームと技術部だけ見ておけと言われてました・・・

そしてリーマンショックです。リーマンショックは一気にイケイケの携帯電話開発の現場を飲み込みまたSier業界全体をも飲み込みました。
それまでは技術力の高さや案件のしっかりした実績等内容が重視されていて、エンジニアを率いる自分としては良い仕事さえやっておけば、案件は自ずと流れてくるって感じでしたが、リーマンショック後は悲惨たるものになりました。
仕事がないので安売り合戦・オフショア開発したいからブリッジになってくれと、自分のチームの食い扶持をどんどん下げる環境になっていき、今まで技術力での戦いは一気に下火となり、仕事を取れば競合のエンジニアがリストラ・仕事を取られれば自社のエンジニアがリストラと今までの技術者としてのプライドは簡単に壊れました・・・
またリーマンショック前までのエンジニアは金の卵的扱いで、多少のわがまま言ってもできるエンジニアは許容されていましたが、リーマンショック後は扱いにくい性格のエンジニアは仕事が取れないので給与ダウンやリストラの候補となりました。
結局のところ、景気の良さに自分は乗っていたんだなと、景気が自分の実力を後座さえしている事に気がつきました。
生き残った会社のメンバーには技術だけで組織に依存してはいけない、いざとなったら横にスライドできるように、コミュニティに参加するようにと、

のインタビューでも答えたようにメンバーを連れて、動いてました。

現在、世間を見ると、ITのポジションが非常に高くなり、当時リーマンショック前のイケイケだった自分以上のテンションのエンジニアは多くいると思います。コロナの件でリモートワーク云々で生産性がUPで俺いけてるみたいな感じで語られているかたもいらっしゃりますが、不景気は生産性云々なんて正論は通じません。気持ちを切り替えるのはなかなか大変ですが、もしこのnoteを見ていただいて、少しでも気持ちのスイッチを切り替えようとするSier(以外)のエンジニアの方がいらっしゃれば幸いです。
エンジニアのスキルをないがしろにするわけではないですが、社会人として生きるスキルも同時に磨いていただければと。
まずは自分の周辺に興味を持ちやれる範囲を広げていけばと思います。

冬が終わり、桜の花が咲き始めました

最後に終わらない冬はないように、不況後に好景気に好転するかはわかりませんが不景気は終わります。
どれだけの時間がかかるかもわからないし、もしかしたら今は奇跡的に不景気にならないなんて希望的な観測も持ちたいですが、もし不景気になって仕事が無くなっても自暴自棄にならず乗り切っていただければと思います。
自分自身もどれだけ続くのだろうと思っていました・・・。
でも明けない冬はなく桜はいずれ咲きます。


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