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人を操る禁断の文章術

人を操る禁断の文書術 メンタリストDaiGo
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思ったことありませんか?なんで伝わらないんだ!と。

本書は、伝えたい時に伝わる文章を書きたい、そんな方へオススメの1冊です。
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論文を書いたことのある大卒の方に特に多いと思いますが、論文は正確であることが命であるが故に、想像させる余地を与えず誤解を与えない書き方をしてしまいます。良い文章とは読み手に自ずから想像させる文章です。

とある紙オムツ売り場に「ある文章」を掲示したところ、別の商品の売り上げが大幅に向上したそうです。ある文章とは、「今しか見れない姿、残しませんか?」だったそうなのですが、この文章を掲示した結果売れたある商品とは「使い捨てカメラ」でした。

紙オムツを履く時期にしか見れない我が子の姿があり、いろんな表情を残したいと思った両親はカメラを買って帰るでしょう。つまり、読み手に想像させることで、読む→言葉に反応する→想像する→行動に起こすといった誘導をしたことになります。

「文章は読まれるために書くものではない。行動させるために書くものだ。」

行動させるためには読み手に想像させることが大切です。

想像させるための3原則。
・あれもこれも書きすぎないこと
・きれいな文章を書こうとしないこと
・自分が書きたいことを書かないこと

ここから上記3原則を踏まえ、読み手の心を動かし行動へ導いていく文章を書くためのステップをまとめていきます。

【3ステップ】
①「書かない3原則」
②7つのトリガーから1つを選ぶ
③5つのテクニックで書く

①「書かない3原則」
☞あれもこれも書きすぎないこと
伝わる文章よりも、したくなる文章を書く必要があります。したくなる文章とは、「今しか見れない姿、残しませんか?」や「あなたの思う世界最高の美女とは?」のように相手に自由に想像させる短い文章のこと。

短い文章が人の心を動かす理由はシンプルです。人は受け取った情報が足りない時は想像や予測で判断するという習性を持っているからです。短い文章を読んだ時、自分の記憶を基に自分にとって好ましい方向に想像力を働かせます。

短い文章読ませたあと自由に想像させ、行動を起こしてもらうことが目的ですから、短い文章をを書く時は「どんな人にどんな行動をして欲しいかを考えること」がスタートになります。文章に込めるのは1つのメッセージで、そのメッセージで相手の心を動かし、1つの結果を得ることを「ワンメッセージ・ワンアウトカム」と言います。


☞きれいな文章を書こうとしないこと
人を動かすのは、理論ではなく感情です。相手の感情に働きかけなければなりません。人は理論で納得しても行動には移しません。感情によって行動したあと、理屈をつけてその行動を正当化しているのです。

つまり、きれいな文章を書けば書くほど表面的な文章になってしまうので、きれいに書こうとはせず、少し雑でもいいから感情を揺さぶるような文章が好ましいということです。

僕自身、比較的理論で語ってしまう癖があるので、とても参考になりました。伝わらなかった時を思い出してみると、理論ばかりを語っていた気がします。


☞自分が書きたいことを書かないこと
書いた文章には必ず読み手がいます。文章は、どんな人が読み、読んだ人にどんな行動をして欲しいのかに注意を払うことが重要ですが、多くの人は自分が読ませたいことを考えて書こうとしてしまいます。つまり、書き出す前にどんな人たちがこの文章を読むのか考えることが重要だそうです。

相手は誰でも良いですが、自分の友達や親戚、同期など身近な人を想定して書くだけでも文章は鋭くなります。想定した人が決定したら、その人がどんな感情、境遇なのか書く前にどれだけ調べられるかで勝負は決まります。ダイレクトマーケティングの世界では、メッセージを送るターゲットを分析し、そこに向けた文章を作成する「マインドリーディング」は当たり前のように行われているので、これらを取り入れることができればいろいろなことに応用できると思います。


②7つのトリガーから1つを選ぶ
☞興味
→SNSで相手の興味や趣味を調べるとよい。相手とやりとりしたメールやLINEから、相手の使う言葉を選ぶ。

☞ホンネとタテマエ
→相手の本音を推測し、タテマエを取り払って認めること、そして自分の本音を見せることが大切。タテマエ(こうあるべき)、ホンネ(こうありたい)。「普通の人だったら...」という言葉が刺さる。

☞悩み
→人の悩みは「HARM」に集約されている。Health(健康、美容)、Ambition(将来、夢、キャリア)、Relation(人間関係、結婚、恋人、会社)、Money(お金)ここに年代をかけると悩みが的中する。

☞ソン・トク
→人間はトクすることよりもソンする方を重く感じる。最後にソンを伝えるとネガティブな印象が残るため、先にソンを示しあとからトクを示すとよい。

☞みんな一緒
→みんな一緒=社会的証明=みんながしていることは正しい
「〇〇%の人が〇〇しています」など大多数がしているという表現が刺さる。

☞認められたい
→人間には、「人から認められたい」という欲求(承認欲求)がある。「こんなの初めて」や「(あなたのおかげで)変わりました」などの言葉が相手の認められたいを刺激する。

☞あなただけの
→人は「あなただけに」の設定に弱く、心がぐいぐい動かされる。数量限定よりも情報の限定に弱い。数量限定と情報限定の掛け算で心を動かせる。特別感「あなただけに先に伝えておくね」、希少性「まだ〇〇にも言ってないから内密に」など。


③5つのテクニックで書く
☞書き出しはポジティブに
→出会い頭は考えている以上に大きなインパクトを残している(初頭効果)ので、文章の書き出しは重要。難しかったらポジティブな体験や感情を書き出すとよい。

☞何度も繰り返す
→文章の中で同じ「意味」と「感情」を言葉を変えて繰り返す。ただし、同じ言葉を3回以上使うのは相手を飽きさせるので注意すべき。大切なのは、「5W1H」を使いながら表現を変えて10回繰り返すとよい。

☞話しかけるように書く
→人は文章よりも表見や動作といった視覚情報のある会話の方が内容を覚えやすい。これを文章にも応用し、会話のように読み手の疑問や反応を取り込んでいく。

☞上げて下げてまた上げる
→書き出しはポジティブにし、途中で一度谷間を作り、締めくくりに向けネガテイブな情報や不安になる言葉をひっくり返す内容を書いていく。感情の起伏が大きくなり、感度が高まる。(大ヒットする映画や小説のストーリー展開はまさにこれ)

☞追伸をつける
→人間は達成した課題よりも達成されなかったことや中断されたことをよく覚えている(ツァイガルニク効果)ので、ドラマやマンガのように続きのあることの方がよく記憶に残る。また、一区切りつくと忘れてしまう。追伸ではこの逆の効果を利用し、願望や行動させたい内容を盛り込んだ追伸を書くことで話を終わらせず相手の記憶に残す。


ビジネスメールやラブレーター、LINEでのデートの誘い方など幅広く応用できるテクニックだと思いました。コピーライティングを勉強したい方の入門編にとてもおすすめしたい1冊でした。


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