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【読書記録】秘密の花園

秘密の花園
三浦しをん著

高校を卒業してもう10年ほど。
女クラだったけど、女子校ほど閉塞感はなく、むしろ校風的にめちゃオープンだったので、やっぱ女子校ってなんかこう、次元が違うんだなって思う。

『JKブランド』ってことばが今はあるけど、昔からこのマインドは女子高生になったことある人はわりと理解できると思う。なんか『最強』なんですよね。自分の世界はすごく狭いけど、それに気づいてなくて、なにをしても許される感。
でも『JKブランド』って本人たちも感じてるけど、周りの人も感じてて。10年ほど経ったいま、わたしは楽しそうでいいなぁという気持ちと『危うさ』も感じながら彼女たちをみています。

なゆちゃん。幼い頃の酷すぎる経験が彼女の中の大切な感情を殺したんだと思う。そして、それは家族からも傷つけられて、なんだか『奪われた』感じ。そして、もうもっと壊れてしまいたい気持ちが彼氏に求めることや、痴漢にカッターを向けたシーンに繋がったのかなって。『奪われて壊れて』、たった1人で抱える秘密が彼女を苦しめているんだよなぁ。
淑子ちゃん。刺激を求めてるんじゃなくて、『希望にしがみつく』感じ。存在価値を認めてくれる、わたしだけを見てくれるってすごく嬉しいことで。きっと彼女にはそれが友人とも家族ともできなかったんだと思う。
翠ちゃん。『友情とか愛情とかじゃないもっと尊いなにか。』を改めて読んで感じた。なんかそういうニュートラルな感情を嫌味なく、美しく描かれていた。
そういうニュートラルな感情って特別感あるように描かれてしまいがちだけど、いま翠ちゃんが思っている、感じているのが普通だよっていう感じで描かれていて、よかった。

とまぁ、いろいろ話してたけど、あとこれだけは書いときたいのが、出てくる男性がクソなこと。でもこれはわたしもかつてそうだったように、学校の外には一方的な性愛…いや、性欲をぶつけてくる人がいて、稀に校内に刺激を与えるものとして扱う人がいて…彼女たちがなゆちゃんでもなく、淑子ちゃんでもなく、翠ちゃんでもなく、『女子高生』で『消費されている』といやでも感じた。10代なんて簡単に壊れてしまうものだから、そういう大人たちがいることに辟易する。特に性被害は心に残りつづけてしまう。お前の一瞬の快楽のために彼女たちをものとして消費するなと、改めて強く思いました。

最後のこの言葉が女子校のことも言ってるけど、社会に対してもなのかなって。どうかな。
『笹ちゃん、学校っていうのは不思議なところだねぇ。僕はこんなに年をとってしまったのに、生徒たちはいつまでも若いままだ。いつだって十代のまま、笑ったり泣いたりしている。ほら今年も、あと数日したらまた新しく生徒たちが入ってくる。そして時が来たら去っていく。永遠にその繰り返しだ。』

そんなわけで、インスタやってます。

@enjoyfemlife_uni



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