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運送業界の人手不足改善に貢献?米国では無人走行成功も報告される自動運転トラック最新情報

UNICAST Robotics

近年ますます注目が高まる自動運転車。General Motors、Ford、トヨタ、日産といった大手自動車メーカーだけでなく、Googleの関連会社であるWaymoやインテルの関連会社であるMobileyeなどのテック企業も自動運転車の開発や実験を進めています

しかし、自動化が進められているのは普通自動車だけでないことをご存知でしょうか? 物流の要である、トラックでも自動化が進められているんです!例えば、米国のPlus社は2021年8月に100%無人での走行に成功したと発表しています。今回は、開発と実験の進む自動運転トラックで使われている技術についてご紹介します。

株式会社ユニキャストは、人とロボットによる未来の共創を目指すソフトウェア開発会社です。このマガジンでは、海外の情報を中心に様々な社会課題の解決のために開発されたロボットを紹介しています。

デモレベルでは自動運転は実現済み!

▲Plus社のレベル4での自動運転トラックテスト走行の様子。Plus社 Youtubeチャンネルより

下の図は、日本自動車連盟(JAF)がまとめた自動運転レベルです。米国など他国も同様の基準を採用しており、多くの自動運転トラックシステム開発会社は「決められた条件下で、全ての運転操作を自動化」というレベル4での実用化を目指して開発を進めています。

自動運転レベルとその概要 日本自動車連盟公式サイトより抜粋

【レベル0】運転自動化なし
自動運転する技術が何もない状態
運転操作の主体:ドライバー

【レベル1】運転支援車
システムがアクセル・ブレーキ操作またはハンドル操作のどちらかを部分的に行う
運転操作の主体:ドライバー

【レベル2】運転支援車
システムがアクセル・ブレーキ操作またはハンドル操作の両方を部分的に行う
運転操作の主体:ドライバー

【レベル3】条件付自動運転車(限定領域)
決められた条件下で、全ての運転操作を自動化。ただし運転自動化システム作動中も、システムからの要請でドライバーはいつでも運転に戻れなければならない
運転操作の主体:システム(システム非作動の場合はドライバー)

【レベル4】自動運転車(限定領域)
決められた条件下で、全ての運転操作を自動化。
運転操作の主体:システム

【レベル5】完全自動運転車
条件なく、全ての運転操作を自動化
運転操作の主体:システム

Plus社の動画を見ると、勝手にハンドルが動いていて、どのような仕組みになっているのか不思議ですよね?各社はどのように、トラックの自動運転を可能にしているのでしょうか。トラック用自動運転システムを開発するTorc Robotics社、Plus社、TuSimple社、Kodiak社を参考に、各社共通の基本的な自動運転技術を紹介します。

1. トラック周囲の視界を取得する技術

どのトラックにも、周囲の情報を把握するための、RadarやLiDAR、カメラが搭載されています。RadarやLiDARは、遠距離の物体を検出・可視化するための技術です。Radarは電波をLiDARはレーザー光を用いる点がその違いです。

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▲ トラックに搭載されているRadar、LiDAR、カメラ Torc Robotics社公式サイトより

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▲ トラックのカメラ、LiDAR, Radarを通してそれぞれの視界 Kodiak社公式サイトより

これらの技術により、360°の視界取得が可能になります。見通すことのできる距離は、カメラでは1000m近く、Radarでは300m、LiDARでは200mと広範囲にわたります(Kodiak社TuSimple社)。数百mならともかく、1km先の後方を運転中に見ることは難しいですよね。自動運転システムの方が人よりも視覚が優れていることもあるかもしれません。

2. トラック自身の情報を取得する技術

自動走行で確実にかつ効率的に物資を輸送するためには、今トラックがどこにいて、どれくらいのスピードで走行していて、そして渋滞等周囲の状況はどうなっているのか、といった情報も必要となります。それを可能にするのが、「ローカリゼーション(localization)」や「マッピング(mapping)」といった位置特定技術です。

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▲情報取得と処理のイメージ画像 TuSimple社公式サイトより

これにより、刻一刻と変化する道路や自身の走行状況を取得することができます。TuSimple社によれば、同社システムは膨大な情報を取得し、1秒あたり600兆回もの情報演算処理が可能とのことです。

3. 取得した情報を分析し、次の行動を計画、実行する技術

周囲やトラック自体の情報を取得したら、今度はその情報をもとに次の行動を取る必要があります。例えば、行き先に応じて走行レーンを変更する必要がありますし、また自分の前後の車に応じてスピードを変更する必要などがあります。

TuSimple社によれば、目の前の車両などの問題に対して、システムは人の15倍速く反応することができるそうです。

▲ Torc Robotics社の自動運転システムが自動でレーンを変更する様子 Torc Robotics社公式Youtubeチャンネルより

既に人より安全に運転できるという実験結果も?

トラックが自動運転になることで、どのような恩恵を受けることができるのでしょうか?

第一に挙げられるのは、安全性の向上です。アメリカ合衆国運輸省も、米国内の深刻な自動車事故のうち94%はヒューマンエラーによって引き起こされているため、自動運転による安全性向上に期待を寄せていると述べています。

また、トラック用の自動運転システムの開発を進めるTuSimple社は、人による走行と同社のシステムによる走行の比較実験結果をまとめています。TuSimple社は、システムによる運転の方が車道のレーンの中心を走行し続けることができると発表しています。

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▲自動運転システムと人による運転の車道内での走行位置の比較 TuSimple社公式サイトより

長距離移動が求められることも多いトラックドライバー。運転時間が長くなれば、それだけ疲労も溜まり、事故の可能性もあがります。その点において、普通自動車以上にトラックは自動運転の恩恵を受けることができるかもしれません。

また、人手不足問題への貢献も期待されています。米国トラック協会によると、米国ではおよそ8万人のトラックドライバーが不足しているとのこと。日本においても、ドライバー職は1995年から常に有効求人倍率が全職業平均より高い数値になっており、昨今の有効求人倍率は3を超えているそうです。つまりドライバー職は常に人手が不足しているということになります。

人を必要としないレベル4もしくはレベル5の自動運転システムが実用化されれば、この人手不足問題に直接アプローチすることが可能となります。また、ドライバー職専門の求人サイトであるジョブコンプラスDは、ドライバーの人手不足の要因として、「大変な仕事」というドライバー職へのイメージがあると指摘しています。たとえ人による補助を必要とするレベル3の自動運転システムでも、ドライバーの運転の負担を軽減できれば、そのようなイメージの改善にも繋がり、より新たな人材を確保しやすくなるかもしれません。

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▲後続のトラックは無人運転をさせる後続車無人隊列走行の様子 経済産業省ニュースリリースより

各社で無人走行のデモの成功事業規模拡大による新オフィスの開設140億円規模の資金調達成功など明るいニュースが続く自動運転トラック業界。また日本でも、豊田通商(経済産業省と国土交通省の委託)が2021年2月に後続車無人隊列走行を実験し、成功しています。自動運転トラックが私たちの生活に身近になる日も、実は近いのかもしれません。

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