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【ワットテワラートクンチョン】死体をみる瞑想修行の壁画と人気パワスポのある寺院

タイの多くの寺院では、ヒンドゥー教の要素があちこちに見られますが、この寺院ではもっと色濃くご利益の対象としてヒンドゥーの神々が鎮座しています。

実はグーグルマップでの口コミ数もそんなに多くなく、変わった壁画があるという話を聞きそれだけを目的に行ったのですが、良い意味で期待を裏切る素晴らしい寺院でした。

たいそうなご利益があるようで、暑い中何人も並んでお参りされていた寺院をご紹介します。

境内に入る前にマーライを買おう

タイ国立図書館からチャオプラヤー川方面に歩いて行くとある【ワット テワラートクンチョンウォラウィハーン】

近くに公共交通機関がボートしかないため、ほとんどの方は車で来ていました。

お供え用にマーライ(花輪)を買おうと屋台に寄ると、お供えする場所が5ヶ所あるので5個買いなさいとのこと。
ほんまかいな、と思いながら言われるがまま購入しましたが、本当でした。

境内では販売していないので本堂・礼拝堂・人気のパワースポット2ヶ所で少なくとも4個は買っておきましょう。

貴重な椰子の葉写本もある礼拝堂

まずは礼拝堂から。

外観も非常に立派で、切妻部分の装飾が非常に美しいですね!

切妻部分の装飾が
非常に立派です

中には様々な年代、印相の仏像が置かれています。
タイ寺院の多くは本堂以外でも降魔印の仏像ばかりが置いてあるところが多いので、このように坐像で色んな印相の仏像を一挙に見られるのは珍しいです。

同じ降魔印の仏像でも時代によって肉髷や螺髪の大きさ、顔つきや指の形などが異なるので見比べて見るのも楽しいです。

古いビルマ形式の仏像まであります。
このプリミティブさがまた味があって良いです。

礼拝堂内は綺麗に整備されていて、ひとつづつタイ語と英語・中国語で説明が書いてあるのも親切です。

ここでマーライを
ひとつお供えします。

礼拝堂入って右手にある仏像の前には仏足石もあるのですが、ガラスケースに入っているため上手に撮れませんでした。

とても大きくて立派なので、ぜひ現地に行かれた際にはご覧下さい。

この仏像の前に
仏足石があります。

この礼拝堂にはもう一つ見所があって、椰子の葉写本が収めされた書棚があります。

比較的新しいものではありますが、パーリ語で書かれた大蔵経などが、タイの伝統織物に巻かれて保管してある様子が間近で見られます。

このように積んで置いてある様子を見る機会はなかなか無いのでぜひ忘れずにご覧になってみて下さい。

美しくもグロテスクな本堂の壁画

本堂も礼拝堂と同じく、美しい佇まいです。

門から見える結界石の
配置が好きなんですよね〜
礼拝堂より少し控えめな装飾です

立派な降魔印の仏像の両サイド、上半分にはたくさんの天人が描かれていて、壁画の濃紺と天井の朱赤とのコントラストが非常に美しいです。

本堂の仏像にもマーライをお供え
入口すぐの壁画も幻想的。
ジャータカ物語の一部だと思われます。

しかし、この下半分の壁画がなかなかグロテスクなのです。

私はこれを見るためにこの寺院へ行ったのですが、美しい天人の壁画からは想像も付かない残酷な絵でギョッとしました。

腐敗した死体
虎に食われる僧侶
内臓の出ている死体

このような【死体を見る絵】は10枚あり、死亡してから骨になるまでの過程を描いています。

これはヴィパッサナー瞑想修行の中の【アスファ瞑想】というもので、さまざまな死体を見ることで、美や肉体への愛の執着から心を解放することを目的とした瞑想です。

日本にもこれと同じ【九相図】がありますね。

【ダンマパダ】という経典の中にこのような記述があります。
「見るがよい。外見は着飾ろうとも身体とはさまざまなものの寄せ集めでしかなく爛れに満ちているのだ。
悩み苦しみ、願望ばかりが多くて、そこには永続性も安定性もない。」

なかなかグロテスクですが、含蓄の深い、とても珍しい壁画ですので一見の価値ありです。

願いが速攻叶う?エラワン象に乗るインドラ

本堂の横にはエラワン象に乗っているインドラの像があります。

後ろの建物は博物館です。

このインドラに願い事をすると、成功を収め、願いがすぐに叶うと信じられていて、多くの人が願い事をするために行列を作っています。

日陰が無いので
並ぶのも大変

この像の前にお願い事をする小さな柵があるのですが、マーライをお供えして拝むだけなら特に並ぶ必要はありません。
インドラの足元にマーライを置いて、真正面を避けてお祈りするだけでも大丈夫です。

ひとつだけお願い事を叶えてくれるテワラートネラミット

こちらも大人気&大行列。
自分が今、最も望む願いを1つ叶えてもらえるテワラートネラミットの像です。

ここはエラワン像より
並んでいました。
大人気なんですね!

お参りの方法が独特なので、手順を紹介しますね。
列に並んでたオシャレカップルの美人お姉さんに撮影許可を頂いたのでご覧ください。

①マーライひとつとお札2枚を用意
金額はいくらでもいいんですが、20バーツを2枚の方が多かったです。
ツルツルした新札は、後で紹介するハンコのインクがのりにくいので旧札をオススメします。
お札は筒状に丸めておきます。

お札2枚とマーライを用意
筒のように丸めておきます

②マーライを像の腕にかけて手にお札を挟んでから、突き出した指をおでこに付ける
この時に【住所・名前・お願い事ひとつ】を心の中で唱えます。
マントラもあるみたいですが、そこは日本人なので唱えずとも許してもらえるでしょう。

お札を持たせた手を
包みこんで指先をおでこに当てます

③足をさすりながらご利益にあやかる
ちょっとどういう意味があるのかは分からないのですが、像のすねから足の甲を撫でて自分の胸あたりに手のひらを付ける動作を3回ほど。

足をさするのは何でだろう?
タオウェスワンでも
よくやってますよね。

④マーライとお札一枚は喜捨し、残ったお札にハンコを押す
マーライは向かって左の台に置き、お札一枚は右のボックスに入れます。
ボックスの前にスタンプがあるので残ったお札に押してお財布に入れておきます。

マーライがもりもりで
置くのも大変
スタンプを押したお札。
ちょうど旧札100バーツがあったので
これを使いました。

どうやら屋台が並ぶところに、お札の番号から占ってくれるおばさまがいるようです。

気になる方はぜひ探しに行ってみてください。

奥にある小さな礼拝堂も忘れずに

この小さな礼拝堂も必見です。
遊行仏を中心に色んな年代の仏像があります。
ガンダーラスタイルの仏像やカンボジア系の仏像などたくさんの仏像が!

最前列の3体は
古い形の仏像です

ここには人懐こい黒猫さんがいて、涼んでいましたよ。

人懐っこい黒猫ちゃん

とても美しく見所がたくさん、人気パワースポットが2ヶ所もある寺院。
パワスポでのお参りも見よう見まねで参加してみてみて下さい。
現地の人気分を味わえておすすめです。

土日には寺院の横に市場も出ていて、合わせて楽しむことができますよ。

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