【イーコーホン廟】バンコク・チャイナタウンの警察署内にある祠は裏社会の大物が祀られるギャンブラーやトレーダーの聖地
なんだか怪しい不穏なタイトルですが、雑誌「ムー」とか「クレイジージャーニー」ではありませんよ。安心してください。
でも祠のある場所へ行くのは少しドキドキします。
ただでさえチャイナタウンは喧騒がひどく、雑然とした雰囲気なのでさらに緊張感が増しますが、地元の華僑や華人のみなさんに崇拝されている伝説の大物が祀られている場所をご紹介します。
成り上がり上等!イーコーホン物語
広東省で産まれたイーコーホン(二哥豐)は第一次アヘン戦争中に家族と共にタイへ亡命しようと中国を離れましたが、父はタイへ到着する前に亡くなってしまいます。
母の再婚相手のイジメに耐えられず、家を出てギャングの元で船の荷積みをしたり、賭博界の大物の元で厳しい仕事をします。
勇気と才覚と任侠に溢れた彼はボスや仲間からも一目置かれ、着々と頭角を表し、やがてチャイナタウンの一大秘密結社のリーダーとなります。
その頃タイは財政難に見舞われており、彼は賭博による税収を収める代わりに賭博場に対し特別な課税法を与えるよう提案し成功。
国内最大の合法賭博場で構成される複合企業体を作ります。
タイの財政難を救い、自らも多角経営により莫大な資産家となった彼は、積極的に慈善事業も行い中国とタイに多額の寄付をし、両国から偉大な人物として尊敬されるようになりました。
祠が警察の屋上にある理由
彼の死後、邸宅は国に寄贈され現在のプラプラチャイ警察署となり、「幸運をもたらす者」として神格化され、タイの賭博師の間で広く崇拝されるようになりました。
そんな訳でプラプラチャイ警察署の屋上にイーコーホン廟があるのです。
だいぶ端折った紹介文でさえ、まじで映画一本作れるやん、なサクセスストーリー。
では、早速行ってみよう!
と、その前に警察のお隣にある、【ベビーガネーシャ】をお参りしてからにしましょう。
合わせてお参りすると金運爆上がりとの噂の祠
プラプラチャイ警察の横には【ベビーガネーシャ】の祠があります。
繁栄と成功、商売などでご利益があると言われているガネーシャですが、なぜかは分かりませんが赤ちゃんガネーシャはそのパワーがもっと強いそうです。
成長していく段階だからかな?
それにしてもかわいいガネーシャさんですね。
お目々くりくりでバブみがすごいです。
ここをお参りする人達はもれなく警察の屋上に向かって手を合わせていました。
では、今度こそ警察内部に突撃!
イーコーホン廟への行き方
MRTワットマンコン駅からワットマンコン側に出て、北にずっと歩くとプラプラチャイ警察に着きます。
この看板が目印で、ワットカニカーポンのすぐ向かいにあります。
プラプラチャイ警察署の建物の横に駐車場の入口があるので、そこから階段で4階まで登ります。
エレベーターもあるのですが、IDカードが無いとボタンが押せないようになっていて、誰か関係者がいたら一緒に乗せてもらえます。
私は登るときに、エレベーター前で迷ってたら警察官が来て一緒に乗せてもらえました。
屋上に溢れる人と線香の煙
屋上に上がると想像以上に参拝者がいてびっくり。
宝くじを持ってたり、株アプリを開けてお参りしている人も。
そしてとにかく何でもデカい!
線香もろうそくも極太で、これから出てる煙の量が軽く火事レベルで、煙たすぎて長居できないくらいです。
タイ華僑のゴッドファーザー登場
こちらがイーコーホンさんです。
みなさん像の前まで行って跪き、彼の手をさすりながら真剣にお祈りしています。
お供えセットも少し変わっていて、コーヒーとタバコです。
イーコーホンさんが生前好きだったものなのでしょうね。
プラクルアン(お守り)も売っていて、寺院よりだいぶ高額にも関わらず、何人もの方が購入されていました。
タイ寺院でも結構宝くじに当たると評判の寺院は真剣にお参りしている方が多いのですが、こちらはそれを上回る欲望が渦巻いていました。
私は全然霊感とか無いんですけど、みんなの念が強すぎて当てられたのか疲れてしまって、その後行く予定にしていたワットテープシリンタラーワートをキャンセルしたくらいです。
屋上から見える混沌としたチャイナタウンの全景が映画のワンシーンのようなので、そこは見どころです。
写真を趣味にしていらっしゃる方にとっては良い場所だと思います。
また、タイと中国の歴史に名を残したひとりの人間の、サクセスストーリーを調べるきっかけになったのも良かったです。
トレーダーさんや商売をされている方はお参りされるとご利益があるかもしれませんよ。
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