投手起用から振り返る、激闘の2022日本シリーズ
こんにちは、シュバルベです。今年も残すところ約1か月。早いものですね。
2年連続で私の応援するセ・パ両リーグのチームが戦った日本シリーズについてどこかでまとめなくては、とずっと思ってきました。双方ともに思い入れが強い分、書くのにも体力を使うため時間がかかりましたが、ようやく筆が乗ってきたので書いていきたいと思います。
ご存知の通り、東京ヤクルトスワローズとオリックス・バファローズのセパ連覇を果たした二球団はクライマックスシリーズも勝ち抜き、10月22日~30日にかけて日本シリーズで相まみえました。結果はオリックスの4勝2敗1分。オリックス・バファローズ球団としては初の日本一の栄冠を掴みました。
すでに様々な書籍やネット記事でまとめられていますが、2021年に続いて2022年の日本シリーズも非常に接戦が続き、両チームの選手・監督・スタッフそして私たちファンも神経を削る展開となりました。
さて、今回は日本シリーズの投手の運用について両チームを見て行きたいと思います。一般的に、クライマックスシリーズおよび日本シリーズと続く短期決戦はシーズンとは異なる投手運用(良い投手を多く投げさせる)を敷くことが定石とされています。
果たして2022年日本シリーズではどうだったのか。レギュラーシーズンと比べながら考えていきましょう。
1.レギュラーシーズンの投手運用
まずは大前提として、双方のチームがレギュラーシーズンでどのような投手運用をしたのか振り返りましょう。
シリーズ前に、両チームの投手運用について1本記事を書きました。
詳しくは上記記事を読んでいただきたいのですが、2チームの投手運用をまとめると次のようになります。
両チームに共通していることは、今年中継ぎ投手の連投をリーグで最も減らしていることです。それにより、よりフレッシュな状態でリリーフ投手をマウンドに送り出すことができ、シーズン終了まで多くの投手を戦力として稼働することに成功しました。
両監督とも選手として日本シリーズを経験し、そして2021年にも同じカードで対戦しているという前提のもと、2022年のシリーズではどのような投手運用を行ったのか。そこに変化はあったのか。早速観て行きましょう。
2.日本シリーズでの投手運用 ー先発投手編ー
野球の試合で最も大事な選手はだれか。勿論、その試合ごとに展開は異なりますが、多くの人は先発投手と答えるでしょう。その試合のスタートを任され、先発投手が試合を作れるか作れないかで勝敗に直結する、そんな大事な役割を担っているからです。
戦前、投手力に関しては多くの解説者がバファローズ有利と話していました。
実際に、バファローズの先発陣はシーズン防御率2.77で12球団トップ。コアとなる先発5投手のうち4投手は120イニング以上消化した上でQS率は50%を超えており、長いイニングを高いクオリティで投げる先発が揃うバファローズはデータ的にも非常に強固です。
コア5を中心とした先発投手が長いイニングを最少失点で投げ抜きロースコアゲームでも試合をモノにできる点で、中嶋監督もこのシリーズで先発投手を中心とした戦い方を描いていたはずです。
対して、スワローズの先発陣はシーズン防御率3.84で12球団最下位。80イニング以上投げた投手は6人おり「ゆとりローテーション」など工夫をしたものの、120イニング以上消化できたのは2人のみ。さらに原投手と高梨投手はシーズン終盤にかけて失速してしまい、ルーキーの山下投手に序列で負けてしまいました。
やや厳しい言い方にはなってしまいますが、21年に活躍した奥川投手の故障離脱の穴を最後まで埋められなかったという評価で、日本シリーズではバファローズの先発陣に劣ると見られても仕方ない状態でした。
2-1.プラン変更を余儀なくされたバファローズの先発投手起用
10月22日から始まった日本シリーズ、双方の先発投手は次のマッチアップとなりました。
いろいろなドラマはありましたが、今回のシリーズ先発投手が1試合で消化した最長イニングは、高橋投手と小川投手の6イニング。いわゆるクオリティスタート(※以下QS:6回3失点以内)を果たした投手もこの2人だけでした。
2021年、同カードでQSを達成した投手はスワローズで奥川・高橋、バファローズで山本・宮城の計4投手。しかも高橋投手と山本投手は9イニングを投げ切っているのとは対照的です。
ある意味、先発投手に弱みを抱えているスワローズの投手陣が長いイニングを投げ切れていない点は想定内だったはずです。しかし、バファローズはそうではありません。初戦に山本投手のアクシデントという誤算はあったものの、想定以上に「振れる」スワローズ打線を前にプランの変更を余儀なくされたというのが私の見立てです。
ここで一つキーになるのは「周回効果」でしょう。
周回効果とは「打者との対戦が1回り目よりも2回り目、2回り目より3回り目と増えるごとに、打たれやすくなる効果」のことで、簡単に言えば投手はイニングを重ねれば球速が少しずつ落ちていく一方、打者は投手のボールを見る回数が増えていくため、打順が回るごとに打者優位の状況になっていきます。
※周回効果については以下2記事をご参照ください。
大方の予想通り、日本シリーズ初戦は両チームで最もイニングを稼いだエース同士の対戦となりました。しかしこの試合で山本由伸投手は右わき腹の違和感を訴え4.0回途中降板。オリックスとしては初戦から大きな誤算で始まったシリーズとなりましたが、この試合で山本投手は2本被弾し、さらに村上選手にもリリーフ投手が打たれ計3被弾。
神宮球場というバッター優位の球場で、さらに投手の調子が悪いとスワローズ打線は長打を重ねてくるという現実を見せられ、中嶋監督はこのカードの戦術を変えることを決断したのではないでしょうか。
具体的には、先発投手が打順3巡目にピンチを迎えたタイミングで交代し周回効果を防ぐというものです。
改めてシリーズの先発投手起用を見てみましょう。
2戦目は4回で2巡が回り5回先頭から山﨑福投手を交代。3戦目は宮城投手が3巡目の山田選手に4回表に被弾し、5回表に村上選手に二塁打を打たれイニング途中に交代。4戦目は5回表に3巡目の1番塩見選手に長打を打たれ山岡投手から交代。5戦目は5回表に3巡目の上位打線にチャンスを作られ田嶋投手から交代。6戦目・7戦目はともにスワローズ3巡目の2番打者から投手を交代しています。
バファローズの先発投手陣は多くのイニング・球数を投げられる投手が揃っていますが、今回の日本シリーズで100球を超えた選手は0。長いイニングを投げる以上に、スワローズの打線の3巡目以降の周回効果を避けたいという意図を結果から感じました。
これは結果論かもしれませんが、5戦目~7戦目のバファローズ先発3人はいずれも無失点でマウンドを後続に託しており、チームも連勝。ベンチの策が当たったと言えるでしょう。
2-2.2戦目山﨑福也投手の起用
バファローズとしてはエース山本由伸で勝てず迎えてしまった2戦目。
スワローズは予想通りサイスニード投手でしたが、オリックスは山﨑福也投手を抜擢しました。
このシリーズ、非常に多くの勝敗の分岐点があったように感じていますが、この山﨑福也投手の起用は大きかったですね。
沢村賞を2年続けて獲得し、球界一の投手たる山本由伸投手で初戦を勝ち、ある種楽な状態でマウンドに上げることが第1プランの上での2戦目山﨑福也投手だったとは思いますが、彼の2度の好投はバファローズにとって最高の結果を引きました。
そして、この2戦目の先発を中嶋監督は10月18日には決めていたこと。これは本当に勝負師だなと感じます。
オリックスの誇る先発投手の”コア5(山本由伸・宮城大弥・田嶋大樹・山岡泰輔・山﨑福也)”の中では最もシーズン投球回の少ない山﨑福投手ですが、明治大学在籍時に幾度となく登板してきた神宮球場との相性を見ての起用となりました。
試合前日、山﨑福也投手のコメントが出ています。
この試合は引き分けに終わるも山﨑福也投手は4回無失点の好投を見せ、打者としても打点を挙げることに成功すると、10月29日の6戦目にも登板機会が回ってきます。この試合でも5回無失点とゲームメイクし、山本投手が離脱した穴を埋めた活躍を見せ、このシリーズの優秀選手賞を獲得しました。
振り返ると、両チームの先発投手起用で意外性があったのは山﨑福也投手を2戦目に据えたことだけでした。
シーズン中から中嶋監督は選手の調子を見ながら変幻自在の選手起用を行ってきました。朝日新聞社の室田賢記者は次のように記します。
サンスポの記事でも中嶋監督がスコアラーやコーチ陣とデータをチェックし、トレーナーとは選手の状態をチェックしていることが伝えられていましたが、日本シリーズの第2戦という非常に大事なゲームでそれが活きた結果になったと言えるでしょう。
2-3.想定以上の出来だったスワローズ先発陣
上記2項目ではオリックス・バファローズの先発投手起用をめぐる考察を行いましたが、スワローズ側も見てみましょう。改めて、先発のマッチアップはこちら。
当初、スワローズの方が先発投手の力量に劣ると言われ、実際にレギュラーシーズンではオリックスと対極ともいえる状態だった先発陣。
しかし、日本シリーズでスワローズの投手がバファローズの投手より先にマウンドに降りたのは最終戦のサイスニード投手のみ。
3戦目の高橋投手と6戦目の小川投手は6回QSも達成しているほか、42歳の大ベテラン石川投手は5回1失点、ルーキー山下輝投手は5回3失点と試合を作ることが出来ました。
昨年から今年にかけて、日本シリーズでスワローズVSバファローズは計13試合行ったわけですが、そのうち11試合は2点差以内での決着。息の詰まるような僅差の試合が続き先発投手にかかるプレッシャーも大きい中で、スワローズの先発投手はバファローズの強力投手陣に負けずとも劣らないピッチングを見せてくれました。
髙津監督は先発投手について次のように語っています。
髙津監督の起用で最も驚かされたのはルーキーの山下輝投手の継投のタイミングです。
シーズン終盤の山下投手の投球内容からすれば日本シリーズでの登板は妥当でしたが、4回2失点で交代かと思われたところ、バファローズの上位打線3巡目にもマウンドに送り出しました。
結果的に吉田正尚選手にホームランを打たれ5回3失点となりますが、6回表にスワローズが逆転し勝ち投手の権利をこの時点で得ることに成功しています。
最後にクローザーのマクガフ投手が打たれ敗戦となりますが、髙津監督の勝負手の凄さに圧倒された試合でした。
3.日本シリーズでの投手運用 ーリリーフ投手編ー
続いてはリリーフ投手です。先の章で先発投手は想定以上の出来だったスワローズ、想定外の事態で修正プランに変更したバファローズという位置づけを書きました。
日本シリーズが終わった今、スワローズのマクガフ投手が5戦目にサヨナラ被弾、さらに6戦目もエラーから2失点するなど乱調。逆にバファローズは宇田川投手や山﨑颯一郎投手ら150km/hを超える速球を武器に脚光を集めたことを既に知っています。
先に述べたように、両チームの先発投手が速いイニングで降板したことで、リリーフ投手に未だかつてないほど脚光が集まったシリーズになったともいえるでしょう。
改めて中継ぎ投手の運用という側面からこのシリーズを見てみるとどうだったのか。以下、見て行きましょう。
3-1.総動員の中に見える登板管理
両チームのリリーフの登板日と球数は次の表になります。
2戦目が延長12回引き分けになったこと、そして前章で見たように多くの先発投手が6回を投げ切れなかったことで中継ぎ投手の登板が嵩んだ日本シリーズとなりました。
第1章で書いたように、スワローズ・バファローズともリーグで最も中継ぎ投手の連投が少ない2チームでしたが、日本シリーズではまさにリミッター解除。バファローズは7度の2連投、スワローズは5度の2連投となりました。
しかし、3連投はここでも意図的に避けられています。
京セラ3連戦で3登板した選手は両チーム0。3戦目は7-1と点差が開いたこともありますが、やはり3日連続登板は日本シリーズにおいても回避すべきという認識を持っているのでしょう。
象徴的なのは第5戦。26日に行われた第4戦は1-0の1点差ゲームでこの試合に獅子奮迅の働きを見せたのが山﨑颯投手と宇田川投手でした。しかし、中嶋監督は続く27日の第5戦でこの2人をベンチ外にします。
バファローズの水本ヘッドコーチも直近の記事で次のように述べています。
長くプロ野球界で働き、中嶋監督をこの2年支えた水本ヘッドすら驚く中嶋監督の中継ぎ投手の登板管理の徹底ぶりは歴史的なものでした。
一方、スワローズも登板管理はかなり厳格に行っています。3戦目以降で2日連続の連投を行ったのは6-7戦目の石山投手のみ。試合展開にも左右されるとはいえ、両チームがレギュラーシーズンで徹底してきた「脱・連投」の投手運用は日本シリーズの場においても意識されたものだったと言えます。
投手の未来という長期的な育成プランも当然ありますが、短期的に見ても連投した投手は3連投目4連投目とパフォーマンスが落ちていくゆえに、もはやスワローズとバファローズのベンチでは当然の対応なのかもしれません。
両球団ともホークアイシステムを採用し、アナリスト部門を設けて首脳陣が積極的にデータを活用している中でこの運用は採られていると考えると、今後他球団も追随してくる動きになるのではないでしょうか。
3-2.両チームのリリーフ事情
スワローズもバファローズも、この日本シリーズでの最多登板は5試合。スワローズは清水投手と石山投手、バファローズは比嘉投手とワゲスパック投手です。
そして、彼ら4投手は素晴らしい働きを日本シリーズにおいて果たすことになります。
まず日本一に輝いたバファローズ。
比嘉投手は火消し役を担い、初登板は山本由伸投手の緊急登板後。この試合を打者3人のうち2人を三振に取る完璧な投球で終え、翌日も延長11回から登板し1安打許すも2三振。この2試合で中嶋監督も比嘉投手の使い方を決めたのでしょう。以降の3登板はいずれもイニング途中からの出場。ピンチの場面でも三振やゲッツーで切り抜け、バファローズのリリーフ投手陣の中心として活躍しました。
ワゲスパック投手は日本一を決めたマウンドに立った優勝投手。シーズン中は先発としても10試合に登板しましたが7月後半から中継ぎに転向。挙げたセーブは5つですが、このシリーズでは4戦目から抑えを任され5試合5イニングを無失点。
比嘉投手もワゲスパック投手もレギュラーシーズン中はここまで重い役割を担っていなかったですが、日本シリーズでの抜擢は中嶋監督の「調子のいい選手をどんどん使って、全員で勝つ。それをシンプルにやっただけだと思います」(2022年10月30日付サンスポ)という哲学ゆえでしょう。
また、バファローズの中継ぎ陣でシリーズ無失点は比嘉・ワゲスパックの両投手以外では宇田川投手のみ。山﨑颯一郎投手や近藤投手、本田投手など150km/hを超える剛球リリーバー達も複数回目の登板ではスワローズ打線に捉えられてしまったことを考えると、このシリーズ無失点の上記3投手の凄さが浮き彫りになります。
特に宇田川投手は4戦目、ワンアウトランナー三塁で山岡投手からスイッチした場面で山崎・山田の二者を連続三振に取ったシーン。あの中嶋監督がシリーズの分水嶺を問われた際に「4戦目の、強いて名前を挙げるなら宇田川ですかね。」(11月17日発刊Number1062 P.6)というほどの鮮烈な印象を与えました。
一方、スワローズはどうだったのか。
強力な打線を背景に、先発投手は最低限ゲームを作りリードを奪ったらリリーフ投手の戦いに持ち込む。髙津監督自身、現役時代はクローザーだったこともあり「リリーフ勝負になったときは負けたくない」(2022年6月8日付サンスポ)と常々語るように、リリーフ投手の運用には自信を持っているカテゴリーです。
日本シリーズ中、5登板を重ねた清水投手と石山投手は2人で1失点のみ。清水投手は6回1失点、石山投手は5回無失点とほぼ完璧なピッチングを見せました。
特に清水投手はマクガフ投手がベンチから外れた7戦目で9回のマウンドに上り、緊迫した試合の最終回を抑えるという経験を日本シリーズの場面で積むことに成功しています。
意外にも、スワローズは石山・木澤・田口・今野・久保と5人のリリーバーがシリーズ無失点。髙津監督が整備してきたリリーフ陣はこのシリーズでも十分に力を発揮できたと言って良いでしょう。
3-3.神宮1・2戦目の中継ぎ起用に見る中嶋監督の凄み
最後に、日本一に輝いたバファローズの中継ぎ起用で印象的だったところを。
1戦目・2戦目のバファローズの中継ぎ投手の起用は非常に興味深いものでした。
2戦目は9回登板した阿部投手が同点スリーランを打たれ延長戦に突入するわけですが、9回までで考えるとこの2試合で7人のリリーフ投手がマウンドに上がりました。前日に被弾した平野投手はベンチ外も思い切った決断ですが、二試合でここまで多くの投手が起用されるのは珍しいでしょう。
これは6・7戦目の神宮に戻って来た時のバファローズの布石になっていたのではないかと考えています。
今回のシリーズでは山本投手の乱調があったがゆえに、「神宮のマウンド」にフォーカスが当てられました。
確かに特殊なマウンドであることは多くの選手・OBが言及するところですが、そもそもオリックスが神宮球場で試合をすること自体、2019年6月交流戦以来のことでした。
※交流戦は2020年コロナ中止、21年・22年はともに京セラ開催。昨年の日本シリーズでは日程の問題で東京ドーム開催でした。
3年半ぶりの球場ともなれば多くの投手は初マウンドで、神宮球場でなくともアジャストに多少なりとも時間がかかるのは当然です。そこで、中嶋監督はシリーズの早い段階、それも最速のタイミングで、主戦となり得るリリーフ投手をほぼ全員経験させた。それがこの2試合の継投で意図したところではないでしょうか。
神宮に戻ってきた6戦目、バファローズは5投手で1安打完封。特に宇田川ー平野ー山﨑颯ーワゲスパックと繋いだリリーフ投手は被安打ゼロ。難しいマウンドを感じさせない投球を見せ、日本一をぐっと近づけた試合となりました。
4.さいごに
日本シリーズで起きたこと、見てきたこと、そして記事等で取り上げられた選手・首脳陣の声を中心に、2チームの投手運用に絞って書いてきました。
これだけ書いても髙津監督がインタビューで語るように、たくさんあったポイントの1つか2つぐらいで、現場では1試合目から多くの分岐点が存在していたでしょう。
インタビューでもいわゆる塩対応気味で(すみません)、自身の考えをインタビュー等で語る機会も少ないゆえに、中嶋監督を中心としたバファローズ首脳陣の考えを読み解くのはかなり難しいのですが、起きていることを整理していくと確かに「感性と科学」に基づいた運用を感じることが出来ます。
打撃でノれる山﨑福投手の2戦目起用や、阿部投手のリベンジ登板は感性。データを元に緻密な登板管理を敷いたり、先発投手の周回効果を見越した継投は科学。あくまで私の推測に過ぎないのですが、どちらも大事で野球だけでなくとも欠かせない二つの視点です。
スワローズはその点、髙津監督が著書を含め多くの言葉を公に発信しているため比較的分かりやすいですね。
バファローズの強固な中継ぎ陣について、髙津監督は次のように述べています。
ワゲスパック投手や山﨑颯一郎投手が中継ぎに回り日本一の原動力となりましたが、この発言は的を射ていますよね。
思えば21年のスワローズ日本一では、スアレス投手と田口投手がシーズン途中に先発からリリーフに転向しています。この時と今回のバファローズの運用はかなり近しいものがあるように見えますね。
さて、両チームを行ったり来たりで読みづらい点も多々あったと思いますが、この記事であの激闘を再度思い出し、ファンの皆様の思い出と消化のお手伝いが出来れば幸いです。
1ファンとして、来年も出来ることなら同じカードの対戦を見たいですね。3度目の再戦で白黒つける、じゃないですが。そして中嶋監督にはいつかその考えを語ったり書いたりしてほしいです笑
長い記事でしたがお読みいただきありがとうございました。
■出典
写真はいずれも筆者撮影のもの。
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