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シン・エヴァンゲリオン感想1

ネタバレ注意


もう考察することとかないでしょ。


 全部作中で答えを出してくれてた。もうアレが完成で最後。それ以上の補足など蛇足でしかないと思うわって思うくらい完璧な作品だった。作品というか、人間になったというか。
 映像作品って人間になり得るんだな。所々庵野監督がやりたい!って思ってたことの総集編って感じがして、え、庵野監督死なんよね?ってちょっと心配になるくらいだった。彼の人生や価値観、魂が透けて見えてすごく良かった。
 いやほんと、AIにはわかんない人間的な、ホントに人間にしかわからない微細な人間らしさが今までの作品以上にわかりやすくダイレクトで、かつ優しい気持ちのまま伝えられていて、補足解説など必要ないと思う。もうアレだけで完成してた。

感想


 まず初めの方。ほんとにしんどかった。黒波が人間らしくなっていくのと対比されるように映る人間を辞めたがるシンジ君が悲しすぎた。黒波可愛い。
 アスカも、というか今作のアスカはQより更に「諦め」がついた感じがあって寂しかったな。「自分は式波型の…」ってわかってる感じがすごく悲しかった。でもケンケンといい感じなのめちゃよかった!かわいい。幸せになってね。

 あとねーーーー…これはね…私にとってはすごいデカいことだったんだけど、トウジが生きてた。しかも委員長と結婚して幸せになってた。これはね、ほんとにね、見た瞬間泣いてしまったんだ、息をスゥーって吸って。
 元々エヴァンゲリオンの漫画が小学生の時住んでた地域のカラオケにあって、私はそこから入ったんだよね。トウジが推しでさ。でも漫画って結構初めの方にサラッとズタボロになって死ぬのよね、トウジ。当時小学生の私にとって「推しが四肢もがれて血だらけで死ぬ」という体験はほんとにショックで、そこからずっとエヴァ倦厭してたんだよね。私にとっては「神殺しのチカラ」ならぬ「推し殺しの漫画」だったから。
 だからこそ今作の幸せで満ち足りているトウジを見て、すごい安心して泣いてしまった。やっとこの時が来たんだ。やっとこの世界線にこれたんだ。って。委員長の隣で、支え合って、肩を寄せ合って、娘の表情に一喜一憂して、そして生活は続く。ヒカリちゃんも「今日と同じ明日がずーっと続けば、それが一番いいじゃない」みたいなこと言ってたし、本当にそれを、そういう満ち足りた小さな幸せを拾い集めれる2人になれて良かったね!!!!!!!(拍手)(大号泣)になった。幸せの象徴だったし、未来だったな。

 桜ちゃん、本当に辛かったね。シンジ君のことを本当に、ちゃんと本心から、心の底から心配してて、シンジが1人で背負い込んで塞ぎ込んで傷つくのを1人の人間としてやめて欲しくて、可哀想で見てられなくて、でもシンジはお父さんを殺した仇で、でも今自分が生きてるのはシンジのおかげで。いっぱい葛藤したね。また泣けてきた。もう、ほんとに、よくがんばったよね。みんな。

 マリが全部ぶっ壊して元に戻してくれたの、ほんとに嬉しかった。ほんとによかった。「絶対に迎えに行くから!」って言って、本当に迎えにきてくれたのはマリだけだったんじゃないかなぁ。ありがとう。シンジ君を1人にしないでいてくれて。シンジ君に何度も手を差し伸べてくれて。シンジ君を現実に引き戻してくれて。
 きっとマリの存在がなかったら、カヲル君の口から「君はリアリティの中で立ち直ったんだね」みたいな言葉出てこなかったんだよね。今でも夢想みたいな“物語”の中で、自己満足で自己完結的ループから抜け出せずにいた。マリの存在によってシン・エヴァンゲリオンは一映像作品から人間そのものになった。

 カヲル君、泣いてた。私、あんなに綺麗な涙見たことないかもしれん。キャラクターで。彼も辛かったんだ。「人ではないモノだからね」なんて今までの作品では通してずっと全てのチルドレンと一線を画して“異端”であった彼も、本当はずっと円環の理の中で不安で寂しかったんだ。永遠の孤独を使命として与えられたのが苦しかったんだ。だって彼は繰り返しているだけで15歳だもの。
 シンジ君を幸せにすることで自分が幸せになろうとするのはエゴだって、そうすることで自分を幸せにしてあげたかったんだね。でもそれが人間らしさなんだよ。彼が海洋研究所の司令になったのも肯ける。多分そこが、今までの円環から抜け出すための第一歩だったんだね。生命を、種を残す。それは幾度も生命として生き続けた自分の魂に刻まれた寂しさがそうさせたんだろうなと思うと泣いてしまう。

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