解雇規制を緩和するなんて、とんでもない!

たまに解雇規制を緩和してほしいという、経営者の声を目にする事があるのですが、私は解雇規制緩和には反対です。

解雇規制を緩和してほしい理由

解雇が容易になれば、もっと適正のある人を雇い直す事が出来たり、不向きなのに、いつまでもしがみついている人のためなどを聞きます。

なら、それ以上に配慮するべき事があるでしょう。

なぜ解雇が難しいのか

解雇が難しい理由は、極めてシンプルです。
その人の生活が、かかっているからです。

雇用というのは、生活の支えであり、それがいきなり解雇となると、生活の支えは一気に失われてしまいます。
退職金や雇用保険などがあるにしても、次の仕事を探すにしても、簡単な事ではありません。

なぜ不向きでも、しがみつかなければならないのか

明らかに不向きなはずなのに、なかなか転職しない人がいるかもしれません。
それもなぜかと言うと、転職が難しすぎるからです。

ただでさえ難しい面接を突破して入社した所を簡単に捨てるなど出来ないはずです。
それ以上に転職が出来ない理由は、転職が悪だと言われているからです。

転職が悪なのが悪

とにかく転職が難しすぎる。それが一番の問題であり、解雇規制よりも真っ先に着手するべき問題だと思います。

特にすぐに転職したり、転職回数が多かったり、ブランクがあったりというのも、転職を不利にさせている要因だと思うのですが、私から言わせれば、このような事で採用をしたくないという考えの方が馬鹿げていると思います。

今はパワハラや過酷なノルマが社会問題になっており、転職を考える人も少なくないはずです。
しかし、転職するのは悪だという風潮から、少なくとも3年は頑張らなくてはならない、早めに退職すると転職に苦労する、経歴を汚すわけには行かないなどなど、転職における障害が、あまりにも多すぎます。
ゆえに、たとえ自分に合わない仕事でも、なんとかしがみ付いて耐えなければならないと思い辞める事が出来ず、逃げ場がなく自殺する人も後を絶たないのではないでしょうか。

転職回数・ブランクで採否を決めると、最終的には働けなくなる人を作ってしまう要因にもなりえます。

採用の方を簡単にする

私が思うには、採用の方を簡単にしてしまった方がいいのではと考えます。

求人でも、やってほしい事を書いて、それが出来ると思った人が応募し、面接でもそれが出来るかどうかを聞いて、出来ると思ったら採用! というぐらい簡単になってもいい気がします。
過去の経歴にも特に触れない。経歴で何が出来るか分析するよりも、これが出来るかと求人の時点で開示しておけば、特に問題は無いでしょう。

面接でのミスマッチが起こるのも、もはや就職活動自体が職業の一種と言える程に面接が難しくなりすぎて、業務が出来るかどうかの確認ではなく、面接に受かる事だけに力を注ぎすぎて、それに燃え尽きてしまっているのではないかと。
採用も簡単にしてしまえば、働く側も自分に合わないと思ったら、無理してしがみ付く必要もなく、別の仕事を探そうと自分からスッパリ辞めてくれるはずです。
簡単に辞められない人を求めているって? あれ? 辞めさせやすいようにしたいと言っているのは誰でしたっけ??

どうせ法律を変えてと言うのなら、解雇規制を緩和するよりも、採用を簡単にする方に変更していった方がいいと思うのですけどね。

解雇規制緩和の問題

解雇規制を緩和すると、おそらくリストラの嵐となり、失業者が増加するだけでしょう。

この人はこの会社に向いていないから、解雇した方がその人のためだと思って、解雇をしたいという経営者もいるそうですが、経営者全員がそういう善意を持つ人ばかりではないので、解雇規制は必要です。

特に一時的な株価上昇を狙ってリストラをする企業も少なくありませんし、生産がひと段落したからと言って作業者を解雇して現場は常に初心者という事にもなりかねません。

それに、簡単に辞めさせられるようになると、作業者の方も不安で仕事に身が入らなくなるでしょうし、どうせ辞めさせられるからと仕事が雑になる可能性もあります。

また、消費も大きく落ち込み、経済が回らなくなる要因にもなるでしょう。
そもそも企業が提供する商品やサービスを作るのも労働者であり、それを買うのも労働者です。
労働者が仕事を失うという事は、商品やサービスを購入するためのお金も失い、企業は商品やサービスを作り出す労働力も失い、次第に商品やサービスの需要もなくなり、やがては事業縮小、それを補うためにまたリストラと、負の連鎖は続いていきます。

えらい人は株主にどんどん株を買ってもらえば黒字に転換できると勘違いしているようですが、疲弊していく企業の何に投資すればいいのでしょうか。
そもそも国民全員が株についての知識があるのでしょうか。さらに言えば株だけで延命処置をするだけでブランドという看板しかない企業に価値など生まれるのでしょうか。

自由に転職が出来るようになってほしい

転職の自由は憲法にも定められているのですが、転職は悪だという風潮がある限り、その自由も奪われてしまっています。
結果、自殺者まで出てしまう程の問題にもなっています。

解雇規制を緩和したいという企業は、要はすぐに辞めてほしくはないけど、都合よく解雇できる人員が欲しいという勝手な考えのように思えます。
辞めてほしくなければ、辞められないような社内環境を作ればいいわけです。

辞めてほしければ現在でも「解雇」ではなく「退職」を迫るような行為をしているわけですから、解雇規制を変える必要などないでしょう。
雇用保険の支給待機期間も3ヶ月から7日に変更されたわけですし、もうそれでいいじゃないですか。

それよりも、採用の方を簡単にするべきだと思います。
そもそも働く人がいなければ、経済は回りませんし、自殺者も減りません。
働けなくなる人を増やすことこそ、最大の問題でしょう。

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