採用でミスマッチが起こる理由

就活の時期というのもあり、最近では「企業が優秀な人材を見抜く方法」等といった記事をニュースで見かけますが、企業も採用ミスマッチを恐れているというわけでしょうか。
しかしなぜミスマッチが起こるのか、原因はさほど難しくないように思えます。

ミスマッチが起こる要因は、主に2つです。

・企業側は就活生を見抜こうとしている
・就活生は面接に合格しようとしている

前者は就活生を見抜くべきなのは当たり前と思うかもしれませんが、人を見抜くというのは、そう簡単な事ではありません。
たいてい動揺した結果を本心だと言い、それで見抜いたと思い込むのがオチです。

後者は主勝政は面接に合格する事が目的になっているという事です。
面接に合格したいがゆえに、経歴に嘘をつかないレベルで本心を封じ、演技を行い、それを見抜かれずに完璧な演技をした結果を面接で披露する事が目的になっているのです。
本心を封じたうえで完璧な演技をする。それは簡単な事ではありませんから、それはもう猛練習をするでしょう。
しかし、そこで肝心な事を忘れているかもしれません。

仕事が出来るかどうか です。

ミスマッチを防ぐ方法

面接は完璧中の完璧でも、実際に働いてみると、成績がかんばしくなかったり、すぐに辞めていくという事もあるでしょう。
そういったミスマッチを防ぐ方法が2つあります。

・企業側は就活生を見抜かない
・就活生は面接に合格しようとしない

先ほどとは逆という、シンプルな答えです。

つまり企業は、就活生が何が出来るのかを見抜くのではなく、具体的な仕事例を出して就活生がそれを遂行できるかどうかを選んでもらえばいいのです。
企業側は何をしてほしいのかをWebサイトや求人などに具体的に記しておき、それを就活生に選んでもらうだけです。
就活生に対し、とことんまで具体的にアピールするよう求めているのなら、企業側もそれぐらいの事をやって当然です。

就活生は、面接に合格するのではなく、企業が記した「やってほしい事」が出来るのであれば、それに応募すればいいだけの話です。
お互いに、何が出来るのか、何をすればよいのかをわかっていれば、ミスマッチなんて起きようがないのです。

適正というよりもはや心理テスト

「面接でのNGワード」とかの記事を見ていると、もう仕事に対する適正を見ていると言うよりは、心理テストなのかと思ってしまいます。

「他にも受けている所はありますか?」という質問に対し「御社だけです」と答えるとNGとか、実際他を受けていないにも関わらず正直に答えて何が悪いのでしょうか。
「他は受けていない」たったそれだけにも、壮大なシナリオを用意しなければならないというのでしょうか。

果ては圧迫面接などという、就活生に尊大な態度を取り、暴言を吐くような企業もあるようですが、採用は対等の立場で決定すべきという、労働基準法の項目を知らないのでしょうか。

「志望動機は?」と聞かれても、大体は生活のための金稼ぎ以外の何物でもありません。
「あなたはどのように当社に貢献しますか?」と聞かれても、雇ってすぐには指示に従わせるだけだろうし、長く務めてそれなりの経験と権限を持たないと、わかるはずもありません。
「将来の展望は?」と聞かれても、不況になったら平気でリストラするのが当たり前の世の中になっているのに、それでも雇用を続けてくれるのか?と逆に聞きたいぐらいです。
「当社が第一志納ですか?」と聞かれても、とりあえず「御社が第一志望です」と言うしかないものです。
「あなたの長所・短所は?」と聞かれても、前日から入念に練りこんだ、当たり障りもなく、かつなるべく濃厚な内容を言うだけでしょう。

自分の短所なんて、面接で不利になるネガティブな要素なんて、そう簡単に言うはずもありません。
それがすんなり言えるのは、「自分の事を整理出来ている」のか「面接の事前準備が入念に出来ている」と言えるでしょうが、どちらにしてもその人の本心を見抜く事は不可能です。

そのうえ、二次面接とか三次面接とかある企業もあるわけです。
受かるかどうかもわからないような企業に、そこまでしなければならないのです。
ここまで来たら、もはや面接自体が専門職のようなものです。

即退職が多い理由

入社した直後に退職、もしくは退職代行に依頼したという話も多く聞きます。
それは入社した新入社員の人に問題があったのではなく、企業もそれなりに隠していた事も多く、面接で聞いた事とは条件が異なっていたという事があったからではないでしょうか。

ハッキリ言って、条件が違ったら即辞めるというのは、正しい判断だと思います。
実際に入社したら、いわれた条件とは異なっていたり、問題点が次々出てくるような会社は、就活生をナメているとしか思えません。
経歴が汚れる事を気にする人がいるかもしれませんが、それ以上に誠意もない会社に使いつぶされる事のほうが、はるかに恐ろしい話です。

退職や転職を悪い要素として見ている悪習慣が今でも根付いているのは確かですが、そのようなバカな評価をしない会社を探し直す事も視野に入れるべきです。

今の面接が難しすぎる

難しい面接を突破してきた人材を採っているのに、なぜか実務の成績は芳しくなかった。
なら面接の内容をもっと難しい内容にして、もっと優秀な人材を採用しよう。
就活性の方は、奇想天外な心理テスト的な質問もされるから、そういった事にも対処しなくてはいけない。
そうやって、面接の難易度もインフレしていっているのではないかと思います。

長々と書いてきましたが、要するに…

面接で合格する事自体が目的になっている

これに尽きます。

仕事が出来るかどうかの適正を確認するのではなく、もはや面接が出来るかどうかになってしまっている。
営業職であれば、面接でのスキルも活かせるかもしれませんが、そうでない人は、面接対策をするよりも、その人の専門に関する事の勉強を続けたほうがいいぐらいです。

コミュニケーション能力はある程度必要ですが、人との基本的な対話が出来て、情報伝達も問題なければいいと思います。
よほどガラの悪い人間でもなければ、そうそう問題を起こす事もないでしょう。

要するに、就活生が「会社がやってほしい事が出来るかどうか」が説明できて、それが7割ぐらい出来るのであればよく、
会社側は「問題こそあるものの、それを解決してほしい」事も正直に説明できればいいのではないかと思います。
面接のプロを雇っても、面接以外何も出来なくても無理もないのですから、面接を簡単にして、この程度の質問だけにしてしまった方が、むしろいいのではないでしょうか。


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