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THE FIRST SLAM DUNKの線画の話がしたいんです。

観ました。観ましたよ。
THE FIRST SLAM DUNK。

ストーリー、作画、新キャストの声優、、色々と感想はありますが、私は線画のことを誰かと話したい気分になりました。

線、だいぶ異質じゃなかったですか??
ってことを真っ先に思ったんですが、感想言ってる人たちの中に言及している人を見つけられない。。。

同じ気持ちの人がいたら、こっそり教えてください。
誰かに言いたいので、とりあえず聞いてくれ。

※ネタバレしたくない人は、映画1回観た後に読んでね。
※そうだったっけ?な人は、これ読んでから2回目観に行ってね。

線画について

独特な輪郭線

ここで言う線画とは、主にキャラクターの輪郭線のことを指してます。
スマホで予告動画を見ていた時は気付かなかったんですが、映画館の大画面で観た時に気付きました。

均一な太さの黒い線じゃないぞ…?

少しかすれていて、少しにじんだような線。
真っ黒ではなく、ほんの少し茶色がかった墨黒っぽい色。
私はそういう風に感じました。(実際の設定はどうか知りません)

極端に描くと、下記のような線。
左側が普通のペンの線だとしたら、映画は右側のようなイメージです。実際は、かすれは具合はもう少しマイルドで、もう少しにじみが強いかなって感じですが。

右側が映画の輪郭線のイメージ

下記、予告動画の0:05の宮城リョータを一時停止で止めて、輪郭線を観てみてください。(0:05以外の部分でもいいんですが、できれば、なるべく大きい画面で)
なんとなく、私の言いたいこと伝わりますでしょうか…?

こういう質感の輪郭線をアニメで他に観たことがなくて、すごく異質だなぁと感じたんです。

パッと思い浮かんだのは、スタジオジブリの「かぐや姫の物語」。
まぁここまで極端に手描き風では無いものの、色合いとの馴染むバランス含めて、意図してこの線の表現になっているのかなと。

ちなみに、私がアニメの線画で一番好きなのは、強弱の付け方が狂気的な「鬼滅の刃」の輪郭線なのですが、映画スラムダンクはまた違った味のある線で面白いです。

線の種類の多さ

主な輪郭線は、上記のような質感なのですが、それ以外にも色々な太さの描き分け、種類の違う線が使われていました。

太さについては、下記動画の0:06、流川のアップを観てくださいませ。
下まつ毛と眉毛の線、太さがだいぶ違いますね。眉毛の方は、線の先に少し濃淡があって筆で描いたような質感に近いです。

映画でゴリのアップになった時にも眉毛ばかり観てましたが、あれが一番太い線な気がする。

ただ、回想シーンの引きの絵では、キャラクターの輪郭線が太すぎて、ちょっと違和感ありましたね。キャラが小さく描かれている時は、もう少し線は細くても良かったんじゃ…と思いました。

また、線の種類については、上記の他に、オープニング映像で鉛筆画タッチの線が出てきます。
キャラクターが鉛筆で徐々に描き出されていって動き出すやつ。あれ何なんですか大好きなんですけど。
以前の資生堂のCMを彷彿とさせますね…(公開前にあのタッチで映画が観たいとぼやいていた人!完全にサービスショットなので観た方がいいよ!)

鉛筆っぽいタッチだと、何箇所かだけ影の部分に薄く影線が入っていたところがあったんですよね。顔アップの首の影とかに薄ーく。ちょっとこの辺りは記憶に自信がないですが。

と、あともう一つ。
リョーちんがゾーンプレスを抜ける時、一瞬白黒の線のみになる瞬間があるんですが、あれはかすれた線ではなく、原作漫画のような真っ黒いキリリとした線だったと思うんですよね。Gペンで描いたような線。一瞬だったんで、ここも自信ないですが、たぶん。

とにかく、線の質感の多様さが全体を通して印象に残りました。
こういう線画のアニメって他にあるんでしょうか…。
アニメ詳しい人教えてくれ〜〜〜。

色について

滲んだ影の色

線の話はこれくらいにしといて。次は色のこと。
キャラクターの色の表現も気になった部分です。

アニメといえば、セル画時代からのコントラストがはっきりとした配色のイメージが強くて、現在もキャラの色はそういうパキパキとした境界が明確な塗り分けが多いと思うんです。スラムダンクの旧アニメもそうです。

ただ、この「THE FIRST SLAM DUNK」では、影の付け方にぼかしが入ってるんですよ。
言ってること伝わりづらいと思いますが、下記のような境界線のはっきりしない滲んだような色の塗り方になってるんです。
さっきの上に貼った予告映像と見比べてみてくださいまし。

左:湘北ユニフォーム、右:肌の色のイメージです

なんかですね。この色に気づいた時、結構感動してしまったんです。

ああ、この色を動かせるようになったんだなって。

実は中学生の部活でセル画を塗った経験があるんですが、あれって透明なシートの表に線を描いて、裏から色を塗っていくんです。だから、塗る順番が普通に絵を描く時と逆になる。影の部分だと、影を先に塗って、その後にベースの色を塗ることになります。

なので、手描きのセル画だと、動くキャラにこういう滲んだ色を置くのって難しかったと思うんですよ。だから、均一なベタ塗りの表現だったんだと。

今はデジタル作画が主流だと思いますが、それでも色の塗り分けは昔と大きく変わらない印象です。

でもこんな風に、水彩画みたいな濃淡のついた色をキャラクターにつけて動かすことも出来るんだなって。
予告映像の時点では、3DCGのライティングで出来た影?とか思ってたんですが、映画観たら違うなと。(実際どうやって作ってるかは全然知らないので、的外れなこと言ってるかもしれないんですが…)

アニメーションの色の表現って、今後はもっと多様になっていくのかな…
そう考えると、ワクワクします。

作画全体について

 で、ここまでの線と色の話に、 CGを駆使したキャラクターの動きが組み合わさるのがすごく面白いなぁと思いまして。

CGによるリアルな動き…デジタルな要素に、均一でない線と色でアナログな質感を足してるように感じました。

それから、試合シーンの選手の動きは、まぁ凄いんですが、途中にキャラクターが話したりして画面が「静」になる瞬間のカット、やたらクオリティ高くありません??一枚絵として見てられるくらい印象的なカットが要所要所にあるんですよ。

これって井上雄彦先生が元になる原画をかなり描いたのでは…??
「絵がうまい…」とアホみたいな感想が度々浮かんでました。

ストーリーとか声優さんとか

ストーリーについては、不満ありです。
今回宮城リョータが主体の話で、回想シーンがかなり多いこと。そのために、試合の半分程度(あくまで体感の話)がカットされていること。

試合での選手の動きをリアルに見せたいんだろうなと予想はついていたので、試合だけで全編まるまる通しでやってくれるんじゃないかと期待してたんです。なので、前半これだけ…?ってのが悲しい。

そして内容が原作ラストの山王戦だったことで、その前の豊玉戦の映像化はもう無いのかな…というのも寂しい。うう。

で、公開前に物議を醸した新キャストの声優さんについて。
これに関しては、多少違和感はあるだろうけど、観てれば慣れるかな〜くらいの気持ちでいたんです。旧キャストじゃないのは残念ではあるけれど、そんなに深刻には捉えてなくて。

でもね、思った以上に自分の頭が混乱しました。
声優さんが悪いとかではなく、自分の頭の中にある声と一致しなくて、最後まで絵と声が分離しているような感覚でした。自分でもびっくりするくらい脳に馴染まなかった。

アニメをがっつり通って、というかアニメから入って小・中・高と過ごしたからですかね。2時間じゃ声を書き換えできなかったです。もう細胞に染み付いているとしか思えない。自分の細胞を舐めてました。

阿鼻叫喚する声優クラスタの皆さんを静観しててごめんよ…
辛かったんだね…

で、何回観るべきか

ここまで文章を読んでくれた人は、スラムダンクに興味アリとして話しますけども、とりあえずまぁ1回は観ますよね?
観てからあーだこーだ言いたいもんね?

映画館にもう一度観に行くかは…迷うところだけどしないかなぁ。元々映画館に頻繁に行くほどの映画好きでもないので、絶対映画館で!っていうこだわりが無いんですよね。
それよりは、円盤買って家で一時停止しながら、ちびちび観直したいかな。

予告映像はなんであんな印象の薄い部分を切り取ったんだって感じだったので、あれでがっかりした人は、映画本編観てみるのもいいんじゃ無いですかね。私は結構印象変わりました。

あーだこーだ細かいことを言いましたが、アニメーションの映像表現として、とても面白いと私は感じたので。

長々と聞いてくれてありがとうございました。
線画について語りたい方、お待ちしてます。


【追記】
作画への驚きが溢れ過ぎて、制作サイドの情報を漁って表現方法の答え合わせをした話を書きました。

ちなみに、漫画全巻も買い直しましたよ。(Amazonは最近本の扱いに悪い話を聞くので、漫画全巻.comで買ってみた。公開前に買っておいてよかった。)
最新の新装再編集版と迷ったんですが、サイズの大きい完全版の方を。映画の色の参考として使われたのは、新装再編集版の方の表紙らしいです。
「あれから10日後」は持ってないんだよなぁ…悩む。

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