【夢日記#12】ストホルシュタイン

海水でいっぱいになった体育館。

もうすぐくるぞ!と、男性が身構える。
すると、体育館前方から天井を突き破りそうなほどの大きな大きな津波がやってきた。
私は押し寄せる波に合わせてジャンプし、身体への衝撃を最小限にするよう努めた。
隣にいたZ氏は「これでこの世の中は変わったんだ」と顔を引き攣らせながらぼやいた。どうやら昔にも同じ出来事が起きてたくさんの人が死んだらしい。
私は体育館から逃げなかった。
「また来るぞ」Z氏はさらに真剣な顔つきで身構えた。
私はまた波に合わせてジャンプをした。
何度も同じことを繰り返していくにつれ、間隔や波の大きさが予測できるようになってきた。
ゲームみたいで楽しい。
人々は依然として真剣な面持ちで波と闘っている。
私は実は心の中ではしゃいでいることがバレないよう、真剣な顔を懸命に作って次の波を待ち構えた。

この出来事は、世界中で取り上げられ中継された。
ロンドン当局によると、犯人は発達障害を持つ男性。
脳内のストホルシュタインという物質が一定値を超えると殺人衝動を引き起こすという研究結果が最近発表され、おそらくこの奇妙な事件もその物質が関わっているのではないかと、引き続き調査中とのことだ。

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