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ICU「人文社会科学」の対策


問題概要

文章は1つ、設問数が40個で80点満点です。おそらく各問題2点です。
他大学では類を見ないほど文章が長く、約1万字と言われています。
40問の内4~7問が知識問題で、残りが読解問題(内容一致問題が大半)です。

何問正解すればよいのか

25~28問(=約6~7割)

対策

現代文「のみ」を勉強しましょう。

現代文を勉強して、読解問題のみで合格点を取るという戦略です。人文社会科学は知識問題を全て捨てても、残り33~36問あります。ということは、読解問題のみで25~28問(=約6~7割)を取ることは実質可能であり、極論、知識問題は全て捨てても合格点は取れます。つまり、全ては読解力にかかっている、と言っても過言ではないです。
知識問題は、知っているか知らないかの2択であり、知っている問題が出るかどうかは「運」です。しかし読解問題は、問題内容の影響を受けない(=運ではない)自分の読解力にかかっています。従って、読解問題33~36問の内、25問以上を安定して正解できる読解力を身につけることが、「最も確実な合格への道」だということです。そして、読解力をつける方法は、現代文の勉強をする以外ありません。
読解問題に関しては、内容一致問題が大半なので読めれば解けます。

はっきり言うと、人文社会科学の文章と他大学の現代文で出題される文章を比べると、他大学の文章の方が、論理の把握やテーマの理解が難しいです。なので、しっかりと現代文を勉強していれば、人文社会科学の文章や設問が簡単に感じられるはずです。

知識問題が不安な人のために

知識問題対策をする場合は、自分の選択科目のみを勉強しましょう。その勉強も、学校の授業の復習程度で大丈夫です(知識問題を捨てて、読解問題で点を取るという戦略なので)。ただし知識問題に不安を感じ、どうしても選択科目以外の勉強もしたいのであれば、対策してもかまいません。
知識問題は、確かに世界史からの出題が多い傾向はあるにせよ、日本史や政経からも普通に出題されます。上述したように、どの科目から知識問題が出るかは完全に運です。そのため、自分の選択科目以外も勉強するのは「時間の無駄」であり、知識問題は「自分の選択科目から出題されたらいいな〜」くらいに気楽に捉えるべきだと私は考えています。しかし知識問題に対する不安が取り除けないのであれば、選択科目以外を勉強してもよいでしょう。

人文社会科学まとめ

戦略としては、知識問題は捨てて、読解問題で点を取りましょう。知識問題は運ですが、読解力は運に左右されないので点数が安定しやすいはずです。
読解問題で点を取るために現代文を勉強しましょう。現代文を通して、読解力を上げ、「文章のテーマに関する知識」を増やすことを勧めます。
知識問題のための特別な対策をする必要はありません。知識問題を捨てても読解問題のみで合格点を取ることは可能だからです。

人文社会科学の対策法に関する一般論に対する反対意見

ここからはよくある言説に対する私の考えですので、飛ばしてもらっても結構です。
私は対策法として、(自分の選択科目以外の)社会科の勉強や新書を読んだりすることは勧めません。勧めないどころか「無駄だ」とさえ考えています。ネットを見るとICU対策として「広範な知識(特に社会科)が必要だ」とか「新書を読むのがよい」と言われることがあります。実際に試験当日も、武蔵境駅でもらった予備校のポケットティッシュには世界史などの豆知識が書かれた紙が入っていたり、倫政や世界史の参考書を読んでいる受験生が周りにいました。確かにそういった勉強も全く効果がないわけではないです。運良くヤマが当たれば、知識問題対策しててよかったと思うでしょう。しかしそうした勉強法は、勉強できる時間に限りがある受験においては、実際には「急がば回れ」ではなく「ただの遠回り」でしかないです。40問中たったの5問程度(=10点前後)で、しかもどの分野から出題されるか分からない知識問題を取るために、日本史や世界史、倫政の参考書を読むぐらいなら、現代文を勉強して、毎年絶対に出題される読解問題で25問以上(=50点以上)正解するための読解力を身につける方が、確実に合格点を取れますし、時間もかかりません。さらに現代文では様々なテーマの文章が出題されるので、新書レベルの多方面の知識を身につけることも不可能ではなく、しかも現代文の参考書には、正しく読解できているかを試す「設問」とどうしたら正しく読めるのかという「読み方の解説」という二つの要素もあります。この二つの要素は新書にはありません。つまり、現代文を勉強することで、読解力が上がるだけでなく、問題文を通して様々なテーマに触れることで「文章のテーマに関する知識」を増やすことができます。確かに、単純な知識問題を捨てることはICUの理念やアドミッションポリシーに反している部分があるかもしれません。しかし受験生にとっては、そんな高尚な理念よりも、合格することの方が圧倒的に重要です。したがって受験生は、大学側の意図や理想を無視しても合格点を取れるのであれば、無視してもよいでしょう。そしてICUの場合は、無視しても合格点を取れます。そのため私は知識問題の対策はすべきでなく、現代文のみを勉強すべきと考えているのです。


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