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伊豆で黒塗りアルファードを見かけたら

インバウンド観光客、中でも中国人観光客の動向について、コロナのビフォー・アフターでどのように変わったのか?の続きです。

今回は伊豆観光の変化です。

以前であれば、伊豆観光の顧客層は40代~50代が中心でした。

中国におけるその年代のジャパニーズキラーコンテンツといえば、なんと川端康成の「伊豆の踊子」でした。
ですので、観光先は中伊豆がメイン。浄蓮の滝や河津七滝を大型観光バスでめぐる団体旅行といった風情なのでした。

河津七滝の初景滝
「ななたき」ではなくて「ななだる」です

さて、アフター・コロナではどう変化したか?

まず、客層が一巡して、年齢層がぐっと下がり、日本のサブカルチャーに興味がある世代が増えます。
彼らは「伊豆の踊子」には関心がありません。むしろ、彼らの興味は「君の名は」「ラブライブ」「ゆるキャン△」など、ご当地アニメ作品の聖地巡礼にあります。
そうなりますと、観光先も舞台の東伊豆や西伊豆方面にシフトしていくことになります。

交通機関は電車・路線バスのほかに貸切ハイヤーが利用されています。
特に、彼らのお好みは黒塗りのアルファード。このミニバンが醸し出すVIP感にココロをくすぐられるのでしょう。
伊豆で黒塗りのアルファードを見かけたら、それはインバウンドのチャーター車かもしれません。場合によっては白ナンバーでも。

どこを観光するのか判断する情報は、かつての旅行会社任せから、ウェイボーやREDBOOKなどのSNSから仕入れます。
少し前であれば数万のフォロワーを持つインフルエンサーの記事から影響を受けることが多かったようなのですが、インフルエンサーと旅行会社のタイアップがネット上でにわかに指摘されるようになって以来、最近では単純に、その場所が「どれだけ高く評価されているか」「どれだけ多くの人が訪れているか」が選択の基準となっているようです。

そんな訳で、大室山を中心とした伊豆高原エリアは中国人観光客にバズっている最中

「路線バスに80人が乗っていたら、79人は中国人で、残り1人が日本人。なぜなら1人は運転手だから」
そんな、ジョークが生まれるほど、伊東駅から大室山リフト方面へ向かう路線バスは大変な盛況のようです。

リフト公式動画もあります。これを観てから安全に乗るのだ!

その他、中国では贅沢スポーツとしてプレーするハードルが高いゴルフ。
一方、伊豆は多くのコースを抱えた立地です。
ゴルフがオリンピック種目に採用されてメジャーな存在になると共に、密にならないプレー環境が後押しして、心のハードルがぐっとさがって
「良ければ、高くてもかまわない」
と5泊6日で4プレーのようなゴルフ三昧の旅行が売れ始めており、これからの観光の目玉になると期待されています。

なんだか、オモシロイ時代になってきましたね。

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