2020/06/27の創作日記(〆切まで126日)
初日から予想外に「スキ」をもらえて非常に嬉しい。誰かの反応をもらうのがネットへ発信する醍醐味だとつくづく思う。
気分がいいので、自分がどうやってこの日記に書く元ネタを作っているか少し解説しようと思う。
画像は昼間に紹介したRoam Researchの画面をスクショしたものだ。
僕は普段アイデア出しをする際にはアウトライナーに思ったことをそのまま吐き出していく。マインドマップやKJ法など色々試してみたが、最初期のアイデア出しに関してはこのやり方が一番自分にあっていた。
テキストエディタとは違い文章の階層化が容易であるため、文章量が多くなった場合にも必要なツリーだけ展開したり、フォーカスしたり、項目を入れ替えたり考えながら書くのに向いている。
効率化が大好きなブロガーたちがノウハウを無償で公開しているので、気になった人は「アウトライナー 使い方」とでも検索してほしい。
特に倉下忠憲氏やTak.氏の方法論は多くの人に役立つと思う。
さて。今日の本題は、オリジナリティについて、だ。
昨日書いた「書くべき作品」の条件は「オリジナリティのある、完成度の高い、若者向けのエンタメ小説」だった。
今日は「オリジナリティ」の一点を深堀りして考えてみた。
よく耳にする言葉だが、実際のところその中身が何なのかを深く考える機会はあまりないのではなかろうか。
クリエイターにとってはある意味呪いのような言葉でもあるので、深く考えようとしない人も多いかもしれない。
僕は昨日、「オリジナリティとは、「既存作品に類似品のない・少ないもの」。テンプレの対極。『話の型』を崩すのはエンタメである以上はリスキー。シナリオよりも要素(キャラクターや世界観)で差別化を行うのがベター」だと述べた。
今日はこの文章を更に3つに分けて、①既存作品に類似品が少ない、②『話の型』、③シナリオの三点を詳しく考えていく。
①既存作品に類似品が少ないとは?
結論から言うと、作品を構成する情報の組み合わせが特殊であることだ。
情報そのものが特殊なのでなく、組み合わせが特殊であることを強調して言っておく。
具体的には、「ロウきゅーぶ!」や「りゅうおうのおしごと!」などが分かりやすいだろうか。
両作品とも「ロリ(小学生)+○○」で成功した作品である。
前者はバスケを、後者は将棋を取り扱った作品であるが、それ単体だと目新しい印象はないだろう。だが、そこにロリという一見食い合わせの悪そうな属性を組み合わせることで、真新しさを獲得しているのだ。
勘違いしてはいけないのは、ロウきゅーぶ!にしろ、りゅうおうのおしごと!にしろ珍しい組み合わせだから受け入れられたわけではない、ということ。組み合わせの真新しさはあくまで最初のフックに過ぎず、しっかりとストーリーの質で読者を満足させたからこそヒットしたのだ。
アニメだと「魔法少女まどかマギカ」も意外性のある組み合わせでヒットした作品の好例である。とはいえ、魔法少女というポップなイメージと過酷な現実の組み合わせは今ではすっかり定番となってしまい意外性はなくなってしまったが。
ゼロから何かを生み出すのがクリエイターの本質だと言う人もいるだろうが、僕の意見は違う。既存の情報の組み合わせで新たな価値を生み出すのが今の時代のオリジナリティだ。
②話の型とは?
簡単に言うと、大衆が好む作品には一定のテンプレートが存在する、ということ。
細かな話をすると文庫本一冊分は余裕で分量を食うので、興味のある人は「物語の体操」「千の顔を持つ英雄」「SAVE THE CATの法則」あたりを読んでほしい。
小説作法というより、脚本作法の分野になるので小説書きでも好みが分かれる考え方だ。
僕も効能を感じる一方で、知らなかった頃のように自由気ままに小説を書けなくなった窮屈さを感じることがたまにある。また、人によってはこの考えを学ぶことで逆に下手になる現象も結構見てきた。
紹介しておいてなんだが、創作論の中でもかなりの劇物なので摂取は自己責任でお願いする。
ちなみに僕の考えだと、オリジナリティ欲しさに話の型からワザとズラすと大抵失敗する(少なくともわけわからん、と投げられる覚悟はするべきだ)。純粋に面白さを追い求めた結果、型から外れる場合はその限りではないが。
③シナリオとは?
僕が勝手に使っているだけのオリジナル定義なので書くべきか悩んだが、日記なのでそのまま書くことにする。上に乗っけている画像が該当部分なので、そっちを読んでなんとなく理解できた人、あるいは理解を拒んだ人はこの先は読まなくてもいいと思う。
ざっくり説明すると、シナリオとはプロット以上、ストーリー未満のものと僕は定義している。
プロットは設計図であり、ストーリーとは実際に書かれた文章から読者が受け取る物語の流れ。両者の中間がシナリオということになる。
イメージとして一番近いのは演劇の脚本だろうか。流れは一通り書かれているものの、演者(キャラクター)も大道具(世界観)もないのでそれだけ読んでも面白いものではない。消費者に見せるものではなく、あくまで創作者が使うものだ。
僕がこの概念をわざわざ定義して使うのは、型から小説を書く際にキャラや世界観、演出の情報が載せられたストーリーだと情報量が多すぎて取り回しが悪いからだ。
具体例を載せようかとも思ったが、長くなりすぎたので別記事に書いて後でリンクを張っておく。
基本的にシナリオは、前述した話の型に嵌っているものなので、ここを工夫してオリジナリティを出すことは容易ではないと思う。
そんなことはないと思う人は、是非自作やお気に入りの作品のストーリーがキャラクター、世界観、演出を省いて一般化したときにどう見えるか想像してみてほしい。意外と普通なのではなかろうか。
では、今回はこの辺りで。
よければ