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「居心地がいいから離れる」って矛盾ですか?

10月からのイタリア大学院進学のためにイタリアのビザが必要になり、いろいろ調べた結果、日本から学生ビザを申請する方が何かと便利ということが分かったので、2か月間日本に一時帰国していました。

3日間のホテル隔離を終えたあとは横浜の実家に帰り、残りの11日間の隔離を行いました。

実際、友達には特に連絡をせずに秘密にちかい状態で帰国したので、勉強と仕事をしつつ、まったりした一時帰国。

家族にご飯を作ったり、一緒に草むしりをしたり、ダンスを練習したり、普通の毎日だけど恋しくて仕方なかったものがあって、心底ほっとしました。

2019年2月に渡航して、スペインでの生活はなんだかんだで2年半という結構な期間になりました。

当初は1年だけの留学の計画でいたけど半年延長し、その後コロナでビザ更新がわけわからない状態になり(年末までの自動更新の対象でした)、さらに半年ビザ更新したらなぜか2022年1月までビザがおりました(半年のおまけ(笑))。

ここまで留学を延長してきたけど、思い返すと、その都度自分の中で葛藤があって、将来を考えて何がベストかを考えたりもしました。

でも結局、「どの選択に一番心が躍るか?」というシンプルな感覚に従ってここまで来た気がします。

2021年に入ってからは、「ヨーロッパで大学院に進学する」という漠然とした夢みたいなものに向けて、本格的に動き始めました。

もともと、バレンシア大学に行こうと思っていたので、ずっとそこに標準を合わせて準備をしてきました。

でもあるとき、「もっと新しいことに挑戦してもいいんじゃない?」というふわっとしたアイデアが自分の心に芽生えました。

ふと、バレンシアを、スペインを出て、全く違うことをするのも楽しそうと思いました。

ここまでスペイン語を頑張ってきたのは、大学院留学に向けた準備でした。

自分でも、得意じゃない英語で進学なんて…とも思いました。でも、同時に、いつまでも逃げていたら一生上達しないとも思いました。

思い立ってからは、ヨーロッパ内で、私の専攻を英語で授業してくれる修士課程を片っ端から探しました。

奨学金に通るかわからなかったので(実際落ちた(笑))、生活費と学費が安く、語学の条件が合う場所を探すとなると、選択肢は多くありませんでした。

ともかく、英語の資格をとらないと始まらない、と思って、IELTSの勉強を始めました。

苦手で逃げてきた英語と向き合って勉強した2か月間は、意外と楽しかったです。

結果、目標のオーバーオール7.0にはとどかなかったけど、いくつかの大学の募集条件に設定されている6.5を取得。

いよいよスペイン国外の大学院への出願がリアルになってきた。

各大学への出願を行っている頃、スペインは日が伸びて、夜の9時10時まで明るい季節になっていきました。

ビーチに行く機会も増えました。

スペイン、というか、バレンシアの夏は、私にとって特別な季節でした。

泳げなくて、水着も恥ずかしくて、海が嫌いだった私が、友達に誘われてバレンシアのビーチに行くようになってすっかり考え方が変わった思い出があるからです。

単純に地中海が美しいから、といえばそれまでですが、ビキニでビーチに寝そべることも、すっぴんで夜の海に飛びこんでへとへとになるまで泳ぐことも、日本にいたころの自分にはありえないことでした。

ここに来ての初めての夏は、女でも、大人でも、人の目を気にしないで楽しいことをしていいんだと気づくきっかけをくれた季節でした。

ビーチで波を眺めていると「こんなにこの街が好きなのに、離れる必要があるのかな?」とふと思いました。

不満がゼロなわけではないけど(主に虫)、完璧に近いくらい、大好きな街。

別の街にうつって、やっぱりバレンシアに残ればよかったと思ったらどうしよう。

バレンシアの好きなところを再確認するたびに、心が揺れました。

でも、やっぱり、いま新しいことに挑戦しないと、後悔する!

バレンシアを離れる理由はなくても、他のことに行ってみたいという好奇心の強さが、何よりも自分の原動力になりました。

挑戦して、失敗して、変化していくことが、今の自分にとっての一番心地いい生活のスタイルなんだろうと思います。

大好きで居心地がいいからこそ、ずっとそこにいたら、今の自分を超えることができないと思いました。語学力しかり、総合的な経験値しかり。

ローマの大学院への進学が決まり渡航日まで決まった今でも、これでよかったのか、悩むことがあります。

でも、大学院がつらかったら、やめて別の道を探せばいいし。ローマが合わなくて嫌だったら、またバレンシアに戻ればいいし。

スペインの大学に行かないなら、スペイン語はなんのために?とも思いますが、スペイン語のおかげで仲良くなれた沢山の友達、思い出、全部宝物です。

それに、これからも絶対に役に立つときが来ると信じているので、イタリアに行ってからもレベルをなるべく落とさないように、(できる限り)スペイン語をつかっていきたい…です…。

離れたくないくらい大好きな街に出会えて本当に幸せ者だなと思います。

大好きで居心地がいいからこそ離れるっていうのは、矛盾しているように見えて、実は我ながら筋が通っているのかも、と思ったのでノートに残しました。

だらだら長い文章を読んでくださって、ありがとうございました!

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