空が青かったって話
夏休みにバルト三国に行きました。
久しぶりのヨーロッパ(といっても一年ぶりだけど)ということでとても楽しみで、前日の夜はなかなか眠れませんでした。
タリンに着いて、翌朝ヘルシンキにフェリーで日帰り旅へ。素敵な出会いもあって、いざ、観光!のつもりが
なんと熱を出してしまい、
激しい頭痛と寒気で歩くのが辛く、まさかの
異国の公園のベンチで爆睡、
早々にフェリー乗り場へ帰り座り込んで出発を待つ始末。
翌日はタリン旧市街散策の予定が、一日中ドミトリーのベッドで寝込むことに。近くのスーパーで買ったフルーツはかろうじて食べられたので、メロンとマスカットをちょびりちょびり食べて過ごしました。
次の日にはなんとか体調が戻ったので、ラトビアに移動して観光ができました。
タリン旧市街を楽しみにしていた私はかなり落ち込んでいましたが、リガはこじんまりした街の中に小さくも美しい聖堂が多く、体力の落ちた私にピッタリの街でした。
街をふらふら歩きながらたくさん写真を撮って、
あぁ、ヨーロッパは空が青い。
と、ため息混じりにシャッター切りました。
それは私が病み上がりでやっと部屋から出られたから、なおさらそう感じたのかもしれません。もしくは、体調が良くなって開放的な気持ちだったのかも。
とにかく、その後のシャウレイ、ヴィリニュスでも天候に恵まれ、素敵な空をたくさん見ることができました。
ヨーロッパの真っさらな澄んだ青い空は、自由で広大な世界が、ずーっと遠くまで広がっていることを教えてくれたようでした。
そうして無事に9日間の旅を終え帰国した私は、心の中でいろいろな決心をしていました。
“会社辞めよう”
正直なところ、当時の私は毎日残業続きで、睡眠時間が足りず立ったまま寝てしまったり、夜寝付けない、目が覚める、胃腸炎など、ストレスが様々な形で身体に出てきていました。
旅行中の発熱も、それが原因だと思います。
思い立つと、体が軽くなり、翌週には上司に退職の旨を伝えてました。
そうして、もういいや!と思い、入社以来初めてとも言える「定時退社」をしました。
夏の終わりの東京は、まだ日が高く、この時間に帰路についていることが嬉しく、大きく息を吸い込みました。そして、
え、日本の空も青いじゃん!!
と思いました。(笑)
こんなに清々しい青空が広がっていることに今まで気付かず過ごしていたことに驚きました。
疲れ果て閉塞感に苛まれていた私には見つけられなかった景色が、今日の私にはこんな明瞭に感ぜられる。
それはもしかしたら、熱を出して寝込んでいた私が、外に出て見つけた空と、同じなのかもしれません。
やりたいことをやる、苦しい場所から離れる。そんなシンプルな行動の一つで、心がここまで軽やかになる。見える景色が全く違う。と、しみじみ実感をしました。
ここから、私の社会人人生の、第2章が始まります。
この先に待っているのはどんな景色なのか。
今から楽しみで、ワクワクしています。
End
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