見出し画像

TOEICで三ヶ月以内に860点を取る方法。正しい参考書と正しい勉強方法とは

※12/21追記: この方法で無事900点突破しました。

画像4


※後で述べますが、本文の99%が無料です。

 普段はもっと概念的な内容について書いているけれど、今回は(ある人にとっては)もっと実用的な内容について書いてみようと思う。タイトルにある通り、TOEICで三ヶ月以内に860点を取る方法について。この記事はとてもピンポイントな読者を想定しているので、TOEICなんてつまらないものに興味はないという人や興味はあっても860点なんて楽勝だという人には全く刺さらない内容になっている。点数を上げたい人は5分程度で読めるので、トイレに篭りながらでも読んでみる価値はあると思う。実際に筆者は三ヶ月で540→875点まで向上した。

 初めにいくつか共通認識としておきたいことがある。思っていた内容と異なっていたから、点数が上がらなかったから等と後から文句を言われないための免罪符的な内容も含んでいる。

1. 一部有料であることについて: はじめに述べたように最後のほんの一部だけ有料設定とした。購入しなくても勉強方法の理解と実践、目標達成には何ら問題ない。
2. 記事内リンクについて: 参考書の紹介のために一部リンク記載があるが、あくまでも紹介のためであってクリックしたところで著者には何のメリットもない。
3. 背景について: 詳しく後述するが、著者のバックグラウンドをよく理解してから読み進めてほしい。これが一番大事。

 具体的な記述に取り掛かる前に、著者の英語教育に関するバックグラウンドについて理解していただきたい。この記事は、例えば医学的な論文のエビデンスレベル(どれくらい普遍的な根拠・証拠として用いることができるかの程度)で言えば症例報告にあたる(階層の下から2〜3番目くらい、つまり根拠としては足りない)。簡単に言えばどういう病気の人がいて、どんな症状があって、どんな治療をしたら、「その人は」どうなりました、という報告だ。だからどんな人も同じ経過を辿ることを期待するものではない。ある人はどうなりました、という報告から示唆を得ることが一つ大きな目的だ。そのため、対象となる人の背景についての理解が重要になる。全く同じ背景を持つ人はいないので、あなたが著者とどれくらい同じ(あるいは異なる)背景を持っているかを理解することで、その後の行動をどう変えるかを考えやすくなると思う。逆に言えば、スタートラインも明確にせず、ただ「この方法で〇〇点達成しました!」みたいな巷に溢れる勉強方法を鵜呑みするのは危険ではないだろうか?背景や現時点でのレベルはそれぞれ全く異なるのだから、方法も同様に異なってしかるべきではないだろうか。

 私は元々英語がとても苦手だった。普通の公立中学校に進学したが、英語の順位はあまり良くなかった。特に一、二年生の頃は大体100人中30-40番くらいだった。テスト当日の朝、「疑問文ではbe動詞が文頭に来るんだからね」と親に念を押されたにも関わらず平常文に?をつけてしまうくらいの文法力の無さだったし、通知票に5の評価(=最高)を貰えることは結局三年間で一度だってなかった。
 高校は、一年に0-3人くらいが東大に進学するような地域の自称進学校(大体こういう高校は開校100周年なんかを誇っていて、文武両道をモットーにしている)に進んだが、ここでも三年の初めまでは予習もやらず単語テストの成績も散々で、通年の成績は大体3-5くらいだった(10=最高)。高校三年生の時にはライティングの授業が始まった。ここでは上と下のクラスに分けられる(もちろんこの時も下のクラスだった)のだが、クラス担当の先生が教えるのがお世辞にも上手とは言えず、そこから抜け出したいと思いテスト対策をした。結果的にはこれがきっかけとして功を奏したのか、大学入試センター試験では英語が数少ない武器の一つになるくらいにはなった。二次試験対策のライティングでは「あなたこんなにできたんだっけ」と英語の先生に初めて褒められた。センター英語は本気で満点を目指したが、結局168点しか取れなかった。所詮その程度ということだ。
 大学一年の頃、英語授業のクラス分けのために初めてTOEICを受けたが、集中していたにも関わらず540点くらいに終わり、二度目もほとんど変わらない点数だった。クラスは大体真ん中くらいのレベルに振り分けられた。大学卒業後は大学院に進んだが、この期間は人生で一番英語に触れた二年間だった。一ヶ月の短期留学でイギリスに行った際は現地の語学学校に通ったが、そこにいる生徒たちは初日にも関わらず流暢な英語でコミュニケーションをとっており、語学学校に通う必要なんて感じられない人たちばかりだった。そしてここで文法に特化しすぎた教育を受けてきたこと、発音と語彙が大事なんだということを経験した。大学院に戻った後は留学生の世話をして、話せないなりに英語でのコミュニケーションに取り組んだ。
 そして年月は過ぎ、社会人二年目にして初めてTOEICの対策をすることになる。ひょんなきっかけで会社の英語研修に参加することになった私は、そのクラス分けのためにまたオンライン短縮版のTOEICを受けることになる(このテストはいつもクラス分けに利用されるらしい)。ここで初めてTOEIC対策をし、短縮版とは言え過去最高点(R445、L345)を取ったことで、TOEICにはTOEICの対策が必要であることを知り、取り組むことになる。つまりごく簡単に読者を想定するとすれば、「中学〜高校レベルの英語はある程度身についている。TOEIC対策なんてやったことない状態で400〜600点レベル」といったところだろうか。

 長々と背景を理解してもらったところで、ここからはいよいよ対策内容について述べたい。それまで500点台だった私はいかに対策をして三ヶ月で860点まで点数を上げたのか?ここからはいたって具体的に、どの参考書を使って、どう対策をしたのか、時系列に話したいと思う。


1. TOEIC(R) L&Rテスト 直前の技術-受験票が届いてからでも間に合う11日間の即効対策プログラム

人生初のTOEIC対策本がこれだった。会社の英語研修のクラス分けを目的として短縮版のTOEICを受けることになった。テストまで残り一週間、少しでもレベルの高い研修を受けられるようにせめて一冊は勉強したい、だけど時間が無いという時に手に取ったのがこれである。実際に一週間弱でやり終えることができた。ここでは得点を伸ばしやすいパート順に適した対策方法を学び、練習問題に取り組むことになる。この時点ではTOEICがいくつのパートから構成されているかすらも忘れていたので、その復習にもなった。問題を数こなすというよりは、「まず敵を知ること」に特化した参考書と言える。そしてその効果は抜群だった。短縮版はオンラインで受講し(つまりヘッドフォンで聴ける)、内容もおよそ半分で終わるため集中力も持続しやすく、そのため高得点を取りやすい傾向にある(はず)。とは言えこの時点でL445、R345の790点を獲得した。この時点で240点アップとなった。


2. TOEIC L & R TEST 出る単特急 金のフレーズ (TOEIC TEST 特急シリーズ) 

次に購入したのがこの単語帳。恐らくTOEIC対策の単語帳といえば王道中の王道だ。単語だけでも合計1000語が、その難易度を目標得点別に分けて記載されている。abceedというスマートフォンアプリをダウンロードすれば音声は無料で聴くことができるので、通勤中はひたすら聞いた。そして後々わかるけれど、結構この単語帳から出題される(当たり前だけど)。体感ではあるけれど、この時点で1000語のうち500-600語くらいが単語を見て和訳できなかった。

3. 1日1分! TOEIC L&Rテスト 炎の千本ノック! 2 英語の筋トレで無理なくムダなく

単語帳と模試の間に取り組んだのがパート5の文法問題に特化したこの本である。内容はシンプルで、ひたすらパート5の一問一答を繰り返すものだ。一冊150問程度で決して多くはないが、その分比較的解説が丁寧ではある。これも模試と同様に最新のものから手に入れた。最新版から数えて3冊やった。あまり昔に遡るとTOEICの改訂に対応していない可能性があるからだ。


4. 公式TOEIC Listening & Reading 問題集 6

王道中の王道が続くけれど、やはりこれも欠かせない。単語から始め、文法にも取り組んだ段階で模試を解き始めた。公式が作成した、本番と同じような難易度、答えの導き方を求められる模試が2セット。後述する参考書と比較すると一回の模試あたりの費用換算ではコストパフォーマンスの面でやや劣るものの、実力を図ったり、対策をするには文句なく良い。先に挙げたabceedでは音声対応しておらず、オーディオブックというアプリを使わなければならないところだけが玉に瑕(なぜかすごく使いづらかった)。問題集6というのは最新のもの(2020.12現在)だが、より新しいものが最近の傾向を反映するだろうという予測でこれを選択している。そして恐らくこの予測は大きくずれてはいない。


5. TOEIC(R) L&Rテスト 精選模試リスニング3

大体模試を一回解いたあたりで悲しい現実に直面した。元々リスニングは得意な方だったし短縮版でもよく獲れたので、別段これ以上の対策をしなくても良いかな、なんて思っていたら模試の一セット目が全然解けない。何言ってるかわからず、特に集中力が切れかけた後半も辛い。これはまずいぞ、とリスニングに特化したものを探し手に取ったのがこれだ。リスニングセクションだけが5セット用意されている。公式模試よりも難易度がやや高めに設定されている。だから初めは結構心が折れるが、良い練習になる。公式問題集と同様の理由で3から購入した。物足りなければ2、1も買っていいと思う(筆者は2まで買った)。


6. TOEIC(R) L&Rテスト 精選模試リーディング3

リスニングと大体同様の理由でこの本を手にした。最初の参考書(直前の技術)についている一回分の模試ではギリギリ時間内に解けたので、単語をよりたくさん覚えていけばどんどん楽になる一方だろうと思っていた。しかし実際のところは到底時間内に間に合わず点数も散々だった。そしてこの本を手にした。以下、リスニングと同じ。リーディングはとにかくタイムマネジメントが辛い。わかっていても終わらない。パート5は20秒x30問で10分、パート6は一題4問2分x4題で8分、これでパート7に57分残すことができる。パート5でどうしても10分を超えてしまうため、対策を強化せざるを得なかった。


7. 1日1分! TOEIC L&Rテスト 炎の千本ノック! これなら続けられる英語の筋トレ

以上の理由でパート5対策に取り組んだ。参考書3の一つ古いもの。


8. 1日1分! TOEIC L&Rテスト 炎の千本ノック! 

もう一つ古いもの。


9. [音声DL付]TOEIC(R) L&Rテスト Part 3&4 鬼の変速リスニング2 TTT速習シリーズ


リスニングをなんとかしたいとさらに思って手にしたのがこの本。Amazonプライムに入っていたのでKindle版を無料でダウンロードできた。音声はabceedで無料で聴けるため、実質無料で取り組むことができた。題名の通り変速でリピーティングやシャドウイングにも取り組む内容で、取り組んだ参考書の中でも珍しくスピーキング力の向上にも繋がる。発音に一生懸命取り組むことはTOEIC対策として一見遠回りのように感じるが、これが実は近道になる。有料であってもやる価値がある。模試より前に始めてもいいくらいだ。参考書3と並行して始めるくらいのイメージで。


10. TOEIC L&Rテスト 文法問題 でる1000問


abceedでダウンロード購入した。文法問題を素早く解くことが相変わらず苦手だったので、スマホでも文法に取り組むために購入した。これは本で買わずにアプリ内で購入したのが正解だったと思う。ひたすら四択問題を繰り返すだけなので、スマホとの相性がいい。ただ、買ったはいいものの860点に到達した段階では半分程度しか取り組めていなかった。1000問と膨大な量な分、解説はやや控えめなため、ある程度理解力を培ってから取り組んだ方が効率的だろう。

 参考書は以上で全て。大きく分けると対策方法、単語、文法、実戦模試に分けられる。それぞれの学習法について簡単にまとめよう。


1. 対策方法: 参考書1を丁寧に取り組み、各セクション、各パートの特性と心構えについて学習する。これは基本的に一度でいい。
2. 単語: 単語学習は終わらない。TOEIC頻出語は単語帳で学び、不足分は都度記憶する。模試に一度取り組むと20-50くらい曖昧な単語に遭遇するので、それらをしらみつぶしに覚えていく。
3. 文法: ひたすら文法問題に取り組み、パターンを学習する。文法知識だけでなく、語彙を増やすこともまた文法問題の正答率向上に寄与する。
4. 実戦模試: 他参考書で学習した集大成としてタイムマネジメントを含めて取り組む。間違えた問題は特に力を入れて復習をする。リスニングでは1.3倍で何度も聞き、余裕があればシャドウイングをする。リーディングでは曖昧な文法や単語をなくす。パート7など、パズルのように複数箇所から答えを導く過程は問題を解くにつれて慣れていくので別段集中的に取り組まなくてもいい。これを三ヶ月かけて(1日平均2時間程度)取り組めば860点に届く。900点も十分到達圏内だ。

 最後に、最も重要なポイントの一つである語彙をより効率的に増やす方法を紹介したい。なぜ最も重要なポイントの一つであると言えるかといえば、語彙力は文法問題や長文問題を解く際にも役立つからだ。また、リスニングの点数を増やすためには問題文を先読みする必要があるが、これを素早く行うためにも語彙力は欠かせない。そしてこの単語学習は終わらない。知らない単語はいつまで経っても尽きないからだ。

 筆者が860点を達成した際に、これに大きく寄与したことの一つがこの効率的な単語学習方法である。この方法ではスマートフォンがあれば(PCもあることが望ましい)、簡単に取り組むことができるアプリケーションを使用する。今まで沢山の方々で単語を学習してきたが、その中でも断然効率がいい方法だ。単語をもっと効率的に学習したければ是非おすすめしたい。もちろん、繰り返しになるが、これを使わなくとも既に述べた内容に取り組めば十分860点には到達可能だ。ただ個人的にはあまりに有用だったため、他人に易々とは教えたくないという理由で僅かばかり有料にした(TOEICのライバルがあまりに増えても困るし)。もし、もう少し効率的に単語を覚えたい、できれば忘れたくないという方で、「コーヒーの一杯くらいなら奢ってやるか」という方は記事を購入していただきたい。ただしつこいようだが、買わなくても目標には十分到達しうる。ただ効率的に単語が覚えられるというだけだ。また、もしこのアプリを予め知っていたとしても、そのことを筆者が推し量ることは不可能なので返金等には応じられない。その点はご了承いただきたい。


ここから先は

1,346字 / 3画像

¥ 500

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?