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【気づき】詩的なものを書いてみて

詩を書き始めた理由

 昨年の8〜9月ごろからnoteを書き始めるようになりました。過去の記事をご覧になるとわかるように、ずっと思うままのことをダラダラと文章に起こしていました。

 ただ、今月からアウトプットの形式が「短文・詩」になる瞬間が出てきました。まるで他人事ですよね。実際、自分でもなぜ詩になっているかが分からないんです。特に書き方を学んだわけでもありませんし、詩を好んで読む人間でもないですし。

 でも、思い当たるフシはあります。形式にとらわれることをやめようと思い始めたのがちょうど今月からだったことです。
 今までは、難しそうな文章を書いてみて、それが分かる人にだけ分かればいいと思っていました。しかし、自分が作り上げた形式にとらわれるがあまり、本当に私が書きたかったことって何だろうと、逆にガチガチになってしまっていたわけです。
 そこで出会った、というか、自然発生したのが「詩」です。自分が思っていたこと、考えたことをそのまま書いたらあんな形になった。という次第です。

 今までとは違う形式で書いてみると、色々と気づいたこともあります。そんなわけで、最近詩を書き始めたことで考えたことを共有していこうと思います。

そもそも「詩」ってなんだ

 自分で始めておいてなのですが、「詩」ってなんでしょうね。
なんか、短い言葉を集めてみたものかな。
それが心に響いたら、詩?
よくよく考えてみると知らないんですよね。
調べてみたら、こんな定義でした。

文学の様式の一。自然や人事などから受ける感興・感動を、リズムをもつ言語形式で表現したもの。

コトバンク

 なんか、カタいですね。
こっちから調べておいて悪いのですが、そういうのが知りたかったんじゃないんですよ。
もっと、こう、何だろう。
ココロにグッと来る良い感じの意義が欲しかったんです。

 こういうときは、絵本に答えが載っていると思っています。子どもに概念を伝えるためにはこんな堅苦しい説明ではなく、もっと直感的な言葉が必要なんですよ。

 ネットで「詩 とは 子ども向け 絵本」で調べたところ、ミーシャ・アーチャーの『詩っていなあに?』を見つけました。

ミーシャ・アーチャー、石津ちひろ訳『詩ってなあに?』2017年
(割と最近の絵本ですね)

 図書館に行くなり、買って届いた後に読むなりすれば良かったのですが、あいにく私は今すぐ書きたい人間なので、申し訳ないのですが、これまたネットから内容を抽出してきました。

「詩って なんだろう?」と思ったダニエルが、7匹の生き物たちに「詩ってなあに?」と訊ねていくお話です。例えば、くもは「あさつゆのきらめき」、ハイイロリスは「おちばの かさこそと なる おと」、かえるは「ぴょんっと とびこみたくなる ひんやりとした みず」が「詩」だと答えます。自分の「詩」を見つけたいダニエルは、「ゆうひに あかく そまった いけ」を眺めているとき、「こころが すみわたっていくような き」がして、「これが ぼくの 詩なのかも・・・・・・」と考えます。

西南学院小学校HP 

 なんと聡明な雲とリスとカエルがいたものでしょう。

🐸<ひんやりとした みず
いい世界だなぁ。

 そうそう、おじさんはこういう意味づけを知りたかったんですよ。子どもにも伝えたい内容が物事の核だと思っています。「詩」の核はさしずめ、「自分の身近な出来事をそのまま素直に伝える」ことでしょうか。ダニエルくんもまた良い味を出していますね。「これが ぼくの 詩なのかも……」そう、そんな感じのふわっとしたニュアンスで捉えていくものなんだと思います。

じゃあ「詞」はなんだろう

 そうすると、「詩」と「詞」の違いも気になってきた。私は文章をよく読む方ですが、同様に歌もよく聴きます。歌で使われている言葉を「詞」と書きますが、これもまた「し」なわけです。同じ言葉で同じ音、似た内容と来たら、そりゃあ違いが気になり始めるわけです。こちらも調べてみます。

1 ことば。文章や詩歌。また、特に、歌詞。「詞に曲をつける」

2 中国の韻文の一。唐末から宋代にかけて流行。もとは楽曲に合わせて作られた歌詩。

3 単語を文法上の性質から二つに分類したものの一。辞じに対する。単独で文節を構成しうる語。

公平を期すため、こちらもコトバンクから

 思ったよりも、「詩」に比べて何というかドライな感じの定義でした。どちらかというと学問チックなニュアンスが強まっているせいですかね。現代では立場が逆転して「詞」の方がポップな存在になっているのも面白いですね。

 とある方のnoteにて、詩と詞の違いが考えられていました。抜粋します。

やはり、曲がつけられた「詞」には曲のイメージが先行します。
そして1度、作詞すれば分かると思うのですが、
「Aメロ」「Bメロ」「サビ」→1番を踏まえた2番への流れ
という大枠で考えなければいけません。
(あくまでも商業的な歌詞を考えて、の場合)
詩の自由性とは少し違うでしょう。

「詩と詞の違いを、改めて考えてみた。」

リンクはこちら↓

 上述のコトバンクの定義だとやはりカタいので、noteを参考にしました。こちらの方の定義はより現代に寄ったものですね。
 「商業的」というのがポイントのように感じます。現代では「詞」は歌のために生み出され、歌のために使用されるものですので、伴い、確実にお金がくっついてきます。まぁ、「詩」も出版してしまえばお金がついてきますので、どっちもどっちかもしれません。
 というより、何でもかんでもお金にしてしまう現状のシステムが中々イカついのかもしれませんね。今の社会ではお金になるかどうか、価値になるかどうかが最優先ですから。

 ともかく、こうして「詩」と「詞」の違いが浮き彫りとなってきました。「詞」の方が諸々の制約を受けていて、また歌や文法などにも駆り出されるため役割も多いです。「詩」の方がもっと個人的な利用ができるわけですね。

詩を書いて気づいたこと

 ようやく本題です。詩を書いてみて気づいたことというと、「案外表現って自由にしていいんだな〜」。これに尽きます。頑張って飾らなくていいんだと、書いた途端にすごく自由に思えました。
 私の今までの文章は、見えない何者かに憧れて、それに向かって書いていたような、そんな気がします。でも、半ば無意識に気づいたんですよね。背伸びしてもそれは本当の私じゃないのかもしれない、と。

 無理やり自分らしくない表現をしても、やはり板につかない。もう少し継続してみたら、それこそ定着したんでしょうけど、私の本来の気持ちは「自分の考えを正しくアウトプットしたい」ですので、形式にこだわる必要は全くなかったわけです。「他人に良く見られたい・思われたい」とは目的が違うということです。
 他人に良くみられたい場合は、それこそ、カッコイイ人の形式を真似して自分の形式と錯覚するまで継続してみたらいいと思います。それもまた良いんじゃないですかね。私は否定しませんが、私はそうなりたいわけではないので、お互い別の道となります。それまでです。

 私のアウトプットの形でいうと、文章の書き方さえも変わっています。今までのnoteでは、「〜しなければならない」「〜ということである」など、もっとズッシリとカタい口調で書いています。でも、今まで話してきたように、私の目的とはズレていたことに気づき、今こうして語り方も変えるチャレンジをしているわけです。
 もはや「チャレンジ」でもないですけどね。頭に浮かんだことを、なんの変換もせずにつらつらと書くだけなので、書く行動そのものについては挑戦でもなんでもないです。
 チャレンジしているのは、どちらかというと心の方かもしれません。他人に良く見られようとしている自分に気づき、その存在を認めて、自分にとってはいらない感情であることをしっかりと見つめることの方が、よっぽどチャレンジングです。
 今のスタイルの方が私にとっては都合がいいです。文字数なんかも全く気にしていなかったのに、この時点で3,000字です。今まではハァハァと息切れしてようやく2,000字程度でした。
 やっぱり無理をしていたんだろうなと思います。同じような苦労をしている方がいらっしゃれば、参考にしてみてください。思ったより自由を感じますよ。しかも無限に書ける。良いことばっかりです。

最後に

 文章を書き始めたので、当然締めも必要ですね。最後に、詩の大切さでも語ってみようかと思います。先ほど引用したnoteの方が、とても素敵な文章の着地のさせ方をしていました。引用します。

そして詩にしても作詞にしても、どうしたら一人の人の心を動かせるか。その点を考えて創作したらいいと思います。

これの最初のきっかけは、内なる自分を動かせるか、どうか。その点に尽きると思います。

先掲「詩と詞の違いを、改めて考えてみた。」

こんな感じです。素晴らしいですね。思わず「いいぞー」と言ってしまいました。
 「内なる自分」をきちんと見つめてあげて、それを「動かす」ことが大きな課題であり、楽しさでもあると思います。そしてそれは何も「詩」に限った話ではなく、「詞」にも言えることであり、何ならすべての創作活動、ないしは生活行動にまで共通することだと思います。

 重要なのは、私たちは私たちの内側からしかものを作り出せないので、そのためにも、普段から自分の見たもの、感じたもの、聴いたもの、考えたものを大切にしつつ、また外部からの吸収量そして質を高めていくことだと思います。

 良いものを貰って、自分も良いものを返す。そんな物々交換の創作をしていきましょう。

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