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電車で酷いパニック発作を起こしたら、少し冷静になった

今日、外出のために電車に乗ったら、乗車時の必需品であるイヤホンが使えないことに気付いた。最近Androidから中古iPhoneに機種変し、イヤホン端子が変わったことに気付かなかったのだ。

イヤホンは、パニック障害の自分にとって、なくてはならないものだった。音楽を聴くことで電車に乗っている恐怖を紛らわせて、予期不安や発作を多少抑えられるからだ。

買おうか考えたものの、この間もイヤホンを忘れて途中で割高で買ったので、流石に勿体なく感じた。家にはBluetoothのもあるし、今日だけはイヤホンなしで頑張ろうとした。

しかし、用事を終えて電車に乗ると、駅の手前で電車が急停止。非常用ボタンが押されたらしく、長時間停車になると、アナウンスされる。

私は電車乗車中、少しでも途中停車があると閉じ込められる恐怖感で心臓が飛び出そうな動悸が起こる。さらに今回は気を紛らわすイヤホンはないし、周りには人も多い。

史上最悪に過呼吸と動悸が出る。恥とか忘れて蹲るように呼吸する。隣の初老の男性が大丈夫ですか、と声をかけてくれたのでパニック障害持ちで、、、と言うと成程、という感じで一言。あくまで無視は気まずいから義務的に声をかけたようで、あまり会話を続けたくなさそうだった。それでも少し助かった。

アナウンスは、扉は開けられません、まだしばらくかかります、という恐怖を煽るものばかり。私は耳を塞ぎ、目を瞑り、現実逃避する。

しかし、ここで、初めて異変が起きた。しばらくして顔を上げてみると、少し、この非常事態に精神が落ち着いてきたのだ。さらに、水を飲むとより理性が戻ってきた。
その状況で、ワイパックスを一錠飲む。(ワイパックスは減薬中だけど、こういう事態のときは飲む)

いつも電車が途中停車するときは、動き出すまで酷い動悸が止まらない。一般論の、パニック発作は10分以上で落ち着いてくなんて嘘だろ、と思っている。特急列車で地獄のように永遠に発作が出てたときもある。

しかし、途中停車の状況で、少しずつ、情緒が冷静になっていく。まだ、薬が効いてるわけでもないのに。男性に対して、パニック障害を申告し、会話したから?
または、動悸で蹲るのではなく、敢えて顔を上げて、周りを見る姿勢をとったから?

このとき思う。
いつも乗車時に恐れている「閉じ込められたらどうしよう。きっと恐怖で頭がおかしくなってしまう」という状況は、直面したら意外と開き直って理性的になれるものではないかと。

そして、この「閉じ込められることへの不安」こそが、実際にその事態に直面したときの恐怖を上回っているのかもしれない。
この予期不安のせいで、生活に支障が出たり、まともに電車に乗れなくなったりすることこそ、一番怖いのかもしれない。(非常事態の程度によるが)

結局電車は動き、私はその駅で降りた。
しばらく、駅で休んでいた。なんか、恥ずかしさと情けなさで涙が出てきた。なんとなく、しにたい気分になった。

パニック障害になってから、腰が重くなってしまった。もともと一人旅をしたり、交流イベントに参加したりするタイプだったのに、性格も人付き合いも閉鎖的になってしまった。

だけど、本当はもっと色んなアートを見て回りたいし、仕事ももっと頑張りたい。だから最近は周りに迷惑かけない範囲で積極的に外出するようにしている。しかし、こうして発作に直面するたび、自分はもう普通の人とは違うんだ、という疎外感と自己嫌悪に襲われる。

今日、こうしてパニック発作に打ちのめされると同時に、電車の「途中停車への不安」を、少し乗り越えられた気がした。
いつも急行は避けてるけど、各駅でもこういうことはよくあるので、不便のないように電車に乗りたいものだ。

また、乗車前のトイレ、水と頓服の常備は重要だと再実感した。きっとイヤホンより大事。


※補足
私のパニック障害は外出や仕事(基本リモート)をできる程度には落ち着いている段階ですが、電車の途中停車や満員電車、急行は苦手です。普通電車でも動悸や不安が湧くことも。
また、日によって発作が出たり出なかったりします。今日は朝から精神状態があまり良い方ではありませんでした。

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