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【「うみとさち」パートナーのご紹介Vol.4】サステナブルシーフードレストラン「シンシアブルー」③

MSC、ASCといった認証魚や未利用魚などを使った料理をビュッフェで提供するレストラン「シンシアブルー」。厨房で腕を振るう吉原誠人シェフは、オーナーである石井真介シェフの海と魚の未来に寄せる思いを共有する、いわば同志。そんな吉原シェフに、日々サステナブルシーフードを使って料理をし、お客様に提供する中で感じたことをお聞きしました。

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(写真は「うみとさち」クラウドファンディングで実施した特別コースのリターン時)

湘南で生まれ、海の近くで育った吉原シェフ。朝、釣りをしてから学校に行くほど、海と魚は身近な存在だったといいます。そんな身近にあることが当たり前だったものが、自身が料理人となり魚を扱うようになったことで意識が変わりました。フランスで修業した吉原シェフは、帰国後に日本一周の旅に出ます。その際、訪れる先々で「昔はもっと魚があったのに」という言葉を何度も耳にしました。日本は海の幸に恵まれているという意識があったため、その時は不思議に思うだけでしたが、石井シェフと仕事をし、海と魚を取り巻く現状を知ることで、旅先で聞いた言葉が改めて「ああ、本当のことなんだ」と実感されたといいます。吉原シェフが子どもの頃から慣れ親しんできた湘南の魚たちも危機に瀕しています。そんな魚たちを未来に残していくために自分にできること、料理人としてできることに参加していかなくては、と強く思ったのです。

「シンシアブルー」の厨房には、毎日様々な食材(魚)が入ってきます。未利用魚は通常は市場に出回らない魚のため、ウツボやコバンザメなど、それまでに見たことも触ったこともない魚もたくさん。吉原シェフは、初めて出会う魚たちを「どう料理しようか」と考えることにワクワクし、日々それを繰り返すことで腕も磨かれるといいます。さばいた魚の内臓からエビが出てきたら、「エビを食べているなら、間違いなくエビと合わせたら相性がいいな」というように、魚から食物連鎖までわかるのが面白いところだとか。「こんなにも幅広い味や香り、種類があるなんて、といつも驚きます。未知の魚たちに出会える素晴らしい機会です」

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「料理人が自分の扱う魚のことがわからない、というわけにはいきません」と吉原シェフは笑います。「シンシアブルー」では、料理に使っている魚についても積極的に知る機会を持つようにしているそう。スタッフ皆で漁獲の現場に行き、漁師さんに話を聞いて、加工のプロセスを見学するなどして、普段料理している魚がどのように生きていて、どのように獲られ、食材として運ばれてくるのかを自分たちの目で確かめています。魚に限らず、野菜など他の食材についてもその姿勢は変わりません。「厨房にいるだけではわからない、その素材が持つ背景やストーリーを知ることが大事だと思うのです」と吉原シェフ。

「シンシアブルー」を訪れるお客様の多くは「美味しいものが食べたい」という方たち。サステナブルに関心があってやって来るゲストも、料理を口にすると必ず「美味しい!」と驚くとか。また、マンボウやウツボなど、知っているけれど食べたことのない魚が出てくると皆、珍しさに喜び、食べてその美味しさにびっくり。メニューには魚の説明が書かれ、質問されればスタッフが説明し、そこから話が弾むことも。まずは美味しいことが入口で、そこからサステナブルに興味を持ってもらえればいい、と吉原シェフはいいます。

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海と魚の問題をもっと若い世代にも知ってもらいたい。この大切な問題を料理人である自分たちから発信していきたいし、料理人として問題意識を持って広めていくことに誇りを持っています。それぞれのやり方でサステナブルを実現できたらいいですね」。ウミトロンのシーフードアクション「うみとさち」とのコラボレーションもユニークな試みだったと振り返ります。「今後もいろいろな形で行動していきたい。食育の観点で、小学校で魚の屋台を出す、なんていうのも楽しそうですね」


■うみとさちHP

■シンシアブルー紹介note(石井オーナーシェフインタビュー)



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