【腸内細菌を介した運動効果】
Umito / カラダ・コンサルティングの山本健太です!
理学療法士の資格を持って地域で予防の活動に取り組んでいます!
・睡眠について最低限知っておいてほしい情報
・睡眠習慣を見直す情報 を発信します!
前回は、新生児時期の睡眠が体重にもたらすリスクについてお伝えしました!今回は、睡眠の質を改善するための腸内細菌を介した運動効果について考えていきます!
睡眠障害と腸内細菌
脳がない生き物はいても、腸がない生き物はいないと言われるように、腸は重要な臓器であり、脳と密接に連絡を取り合うことから第2の脳とも言われています。腸内細菌叢は私たちと共生し、私たちの身体的かつ精神的健康に重要な役割を果たしています。消化を助け、栄養素の吸収を促進し、複数のビタミンとアミノ酸を生成し、毒素を中和し、特に大腸で腸の通過を刺激します。一方、腸内細菌叢は宿主の免疫系でも重要な役割を果たしています。
そんな腸内細菌の研究も進んでおり、巷でも腸活に注目が集まっていますね。睡眠の質を改善するとした乳酸菌飲料等も販売されており、睡眠と腸内細菌に何かしらの関係があることは既に知られている事実ですね。ある研究では、不眠症の人の腸内細菌叢は、正常な睡眠パターンの人と比べて構成と機能が大きく異なることが報告されています。睡眠障害のある人とない人では、腸内細菌叢の豊富さに違いがあるようです。
運動による腸内細菌叢の変化
睡眠の質を高める運動の効果について、なんとなく効果がありそうだと思っていてもそれを裏付ける報告は多くはありません。長期的な運動習慣が睡眠の質を高めることを報告している研究はありますが、そのメカニズムについて確かなことは言及されていません。しかし、ある研究では運動介入が、睡眠障害を持つ人々の腸内細菌叢の多様性を変えるだけでなく、睡眠の質を改善するための重要な手段であることを報告しています。
その研究では、大学生において睡眠障害がある群とない群で、週に3回、時速8~9km、4~7km/時(1か月で合計48~84km)のジョギングを8週間運動を行い、腸内細菌叢と睡眠の質の変化を調査しています。結果、運動介入によって両群ともに腸内細菌叢が有意に豊かになったようです。睡眠障害のない群では腸内細菌叢の組成には有意な変化がなかったのに対して、睡眠障害のある群では組成にも有意な変化があったようです。そして、睡眠の質の向上も認められたようです。よって、運動介入後に腸内細菌叢の組成の変化が睡眠の質の改善に寄与し、腸内細菌叢が睡眠の質に関連している可能性があることが明らかになりました。嫌気性グラム陽性菌の一種の主な代謝物の1つである酪酸は、メラトニンの生成と関連していることがわかっており、その腸内細菌が豊かになることでメラトニンを介して睡眠の質が向上する可能性が考えられています。
参考文献:Qiu L, Gong F, Wu J, You D, Zhao Y, Xu L, Cao X, Bao F. Exercise Interventions Improved Sleep Quality through Regulating Intestinal Microbiota Composition. Int J Environ Res Public Health. 2022 Sep 28;19(19):12385. doi: 10.3390/ijerph191912385. PMID: 36231686; PMCID: PMC9564517.
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