【カフェインと睡眠】
Umito / カラダ・コンサルティングの山本健太です!
理学療法士の資格を持って地域で予防の活動に取り組んでいます!
・睡眠について最低限知っておいてほしい情報
・睡眠習慣を見直す情報 を発信します!
前回まで、睡眠負債を溜めない工夫についてお伝えしました!今回は、よく耳にするカフェインと睡眠の関係についてお伝えします!
睡眠物質による眠気
以前の記事で“眠くなる要因”について2つをあげて、お話したことがあります。仕組みの詳細な部分をお伝えすると、生体リズムや日中の活動による代謝によって、脳内には睡眠物質と呼ばれる眠気を誘発する物質が分泌されます。代表的なものにプロスタグランジンD2(PD2)と呼ばれるものがあります。「カフェインは眠気を覚ます」ことは聞いたことがあると思いますが、その作用を説明する前に眠気を誘発する神経回路についてお話します。
PD2は、脳のくも膜で産生されて脳脊髄液に分泌されます。その脳脊髄液内での濃度は、睡眠覚醒リズムと相関した日内変動を示し、断眠時間に依存して増加することがわかっています。その後、視交叉から視床下部後部に至り、くも膜に局在する DP1 受容体を刺激します。すると、くも膜下腔のアデノシン分泌が促され、濃度が上昇していきます。アデノシンは第2の睡眠物質として脳の実質に拡散していき、アデノシンA2A 受容体を持つ神経細胞を刺激して、視床下部前部の睡眠中枢(腹側外側視索前野:VLPO)を活性化します。それと同時に、VLPO から GABA およびガラニン系の抑制性投射を受けるヒスタミン系覚醒中枢(結節乳頭核: TMN)の活動を抑制して睡眠を誘発します。