小説のかけら 6 【君はまるで太陽のように】
切り取られた真夏の空が浮かぶ。僕はそれをぼんやりと眺め、流れる汗を拭うことなくそのままにしていた。
また来たの、と声を掛ける女性がいた。見遣るといつもの女性が呆れ顔で僕を見下ろしている。女性は遮光カーテンを素早く閉めてエアコンのスイッチを入れる。真夏の空は姿を消し、代わりに目に入ったのは女性が差し出したビニールの袋だった。がさりと音を立てて僕にずいと差し出された袋の中には、夏に相応しいチョコミントのアイスクリームがふたつ仲良く入っていた。食べるでしょ、とぶっきらぼうに言