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ウミネコの洗礼を浴びながら・・

先日、昨年までお世話になっていた八戸のアウトドアガイドショップ「RIVERRUNS」さんと合同でレスキュートレーニングを行う。シーズン毎に必ず再確認しなければならないことでもあるし、今年度より「北三陸OUTDOORS」に仲間入りしたシーカヤック・タンデム(2人乗り)のレスキュー方法について検証したかったのが一番の理由。そもそも、タンデム(2人乗り)のカヤックがひっくり返ってしまった際に、水抜きできるのか、できなければどうするべきなのか、といったところを検証したく、お付き合いいただいた。(合同トレーニングというよりかは、付き合っていただきありがとうございました!(笑))

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上の写真の空だけ見ると、すごいいい天気。西側には若干黒くモクモクした雲が。当日の気温。7度。海水温8度。北風6mほど。レスキュートレーニングするにはもってこいの環境であった(笑)。こんな時には1秒でも早く助けてほしい。レスキュートレーニングに入る前に、今年度より北三陸OUTDOORSに仲間入りしたカヤックが三艇ある。今回は、そのうちの2艇を使用、レスキュー方法について確認、検証した。

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1艇目は、seakayakingUK/romany sportive、2艇目はpoint65club/doubloon。シングル艇、タンデム艇を1艇ずつ。参加者の皆さんに乗っていただく艇は、紫色のdoubloon(2人乗り)になる。今現在の所持しているカヤックは、シングル艇(一人乗り)3艇、タンデム艇(2人乗り)2艇となる。写真のオレンジ色のカヤックは、あくまでもガイド艇となるので数に入れていない。

そうして進水式。安全航海ができるようにと願いを込めて、水に浮かべる前にお酒を飲ませる。

進水式に船にのませるお酒は、中世の時代、赤ワインから白ワインへ、そしてシャンパンへ変わってきたそうだ。日本ではお神酒、日本酒を飲ませることも多い。何がだめで、何がいいというものではないらしい。ということで、今回飲ませたお酒は、最近私がはまっているウイスキー・Dewar's white label。いつもはこの価格帯を遊び歩くが、今回は珍しくDewar's white label2本目に突入した。

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ブレンデッドスコッチウイスキー。1000円から1500円の価格帯のウイスキーが、面白い。1日1oz(約30ml)だから、ビールより経済的。700mlなら20日ちょっと持つ。すきっ腹に、1ozほどちびちびと飲む。そして、目をつむってふわふわしたところでフィニッシュ(就寝)というパターンが多い。蓋が開いた飲みかけのウイスキーであったが、飲んだことのないお酒よりも持ち主が好きなお酒の方が、きっと艇も喜んでいることだろう(笑)。

【2014年7月5日 AFP】英国のエリザベス女王(Queen Elizabeth II、88)は4日、英スコットランド(Scotland)のロサイス造船所(Rosyth Dockyard)で行われた英国最大の軍艦となる新空母「クイーン・エリザベス(HMS Queen Elizabeth)」の命名式に出席し、祝いのウイスキー・ボトルを船体にぶつけて割った。 女王が「この船をクイーン・エリザベスと命名する。この船とこの船で航海する全ての者に神のご加護がありますように」と述べてボタンを押すと、スコットランドのアイラ(Islay)島産のボウモア(Bowmore)シングルモルト・ウイスキーのボトルが船体にぶつかって割れた。

ウイスキーで大丈夫なの?なんてことも言われたが、全然問題なし、大丈夫。スコットランドは絶対に進水式はウイスキーだろうと予想していたが、やっぱりその通りだった。ただ、日本と違うところは、艇に酒を飲ませるではなく、酒の入った瓶を艇に投げて割るといったところだろうか。カヤックに酒瓶を叩きつけるだなんて、申し訳なくてできそうにない。・・・というどうでもいい情報は置いておいて、レスキューの話に戻る。

艇にお酒を飲ませて、安全航海の祈願をし、いざ海へ。八戸・蕪島は、今の時期2万から3万羽ほどのウミネコたちが、営巣の為、1年の長旅から戻ってきている。海上から見るウミネコたちは、圧巻。そうして、ウミネコたちの糞が雨のように降ってくる。洗礼を浴びる(笑)。八戸では、このウミネコの糞のことを「ウミネコバクダン」とも呼んでいる。運(ウン)がつくということで、ご利益があるそうだ。今年度に限っては、いいことが起こりそうな気はしないが、期待しておこう。

こんな時でも自然の時間の流れは何も変わらない。少しの差はあれども同じ時期に必ず戻ってくる。自然のなかで逞しく生きる渡り鳥たちに感服する。

ところで、聞いた話によると、鳥類は飛んでいるときに肛門の筋肉が緩むために、飛び始めたあたりが糞をよく落とすそうだ。本当に、ぼたぼたと落ちてくる。というどうでもいい情報(笑)。

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少しだけ漕いで、新艇の感触を確かめ、レスキュートレーニングへ移る。

今回確かめたかったことは、タンデムシーカヤックに関するレスキュー方法。ひっくり返ってしまった時に水がどれほど入るのか。そして、それをTXレスキューで水抜きすることは可能か。レスキューの前、後ろの順番は。という三点。シングル艇のレスキューに関しては、タンデム艇でレスキューする際、どちらが行うべきか?ということ。

まず、タンデム艇にシングル艇をレスキューしてもらった。このときはTXレスキューで前側にレスキューしてもらう。前側がレスキューしているときに後ろ側はパドル操作で艇を安定させることもできる。逆の場合もまたしかり。二人に一人が助けてもらうというのは気持ちも安心できるし、自由度も広がる。前、後ろどちらで行っても特に気になる感じはしない。

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レスキュー時の艇の抱え方や、レスキューされる側からのパドルをもらうタイミングなどを再確認した。

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風や波高、そして人とパドルとカヤックが全部バラバラになった場合。どうするべきなのか。そんなことも意識しながらの実践。実際に沈してしまう場面は、いろんな条件が重なった複合的な場面が多いのではないだろうか。そのような場面で冷静でいられるかどうかは、そのような場面を想定したトレーニングで鍛えることができると思っている。その状況を知っていれば、現場でも行動に移せるはずだ。レスキューの現場で、イチかバチかの判断はしたくない。

そうして、次はタンデムカヤックのレスキューについて検証。

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まず、ひっくり返ってしまうとバウ、スターンの見分けがシングル艇よりもわかりにくい(タンデム艇に慣れていないだけなのかもしれないが)。

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そして、TXレスキューができるかどうかの検証。少し気合が必要だが、持ち上げて水抜きをすることはできた。ただし、今回は静水域でのトレーニング。波があった場合には、浸水の量が増え、持ち上げることは困難になる場合も考えられる。その場合には、まずはカヤックを復元し、再乗艇してもらい、水を抜くといったパターンになるだろうか。

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実際見てみると、このタンデム艇はデッキ部分の盛り上がりがすごい。バタ足でデッキに胸を載せる時、レスキューする者のライフジャケットで引っ張り上げる補助が必要になることも考えられる。また、コックピットからバウ、スターンまでの長さがが短いため、前、後ろどっちから再乗艇してもらうべきか?も焦点になると感じた。当然、セオリーであれば後ろ側からのレスキューになるが、カヤックの特徴、安定感を考えた時に、ベストな方法は必ずしも後ろからではないと感じる。後ろから再乗艇してもらうとスターンが沈みすぎてしまうような気もする。

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しかし、タンデム艇のボリューム(容量)ときたら・・・。すごいボリューム。一通り実践、そして検証することができたので約1時間30分ほどのトレーニングは終わりに向かう。

帰路、どんよりした雲がかかるが、オレンジ色のseakayakingUK/romany sportiveはこんな空が似合う。暗い天気でも楽しくなる色だ。

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そうして、ガタガタブルブル震えながらのレスキュートレーニングが終わる。先々週に西伊豆を漕いだ時は、気温15度ほど、海水温17度ほどだったのに、八戸の海は気温6度、海水温8度。ショックを受けた(笑)。けれども、こんな身の引き締まるような海が好きだったりする。

もちろん、参加いただいたお客さまにこんなことは体験いただきませんのでご安心ください(笑)。ご希望の方は、北三陸OUTDOORSプログラムのスキルアップスクールで対応します。

新型コロナウイルス感染拡大が、深刻となってきています。幸いなことに、今現在では岩手県ではまだ一人も感染者が出ていません。少しでも感染を抑止するために、遊びを我慢すべきところまで来ているのでしょうか。

見えないモノ・コトだからこそ対策をしっかりと取らなければならないのは今回のレスキュートレーニングと同じだと思っています。いろんな情報、各事業者様の対応を見て頭がぐるぐる回っている状況です。

しかし、こんな時ですからしっかり楽しいことを考えて収束に向けて実行に移す準備を、そしてできる限りの遊びで免疫力を上げていきたいですね!少しの間でも生活から遊びが遠ざかっていくのは残念ではありますが、1日も早く周りを気にすることなく、北三陸エリアで思いっきり遊べる日が来ることを願っております。皆さま、免疫力上げていきましょう!!


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