見出し画像

花束みたいな恋をみた

映画の「花束みたいな恋をした」を配信で観た。すごい良くて感想を書きますが、少しネタバレあります。

すごく沢山の固有名詞が出てくるんだけど、私の好きな人が好きな漫画や、好きな人が好きなファミレスや好きな人が好きなバンドが出てきて、嬉しかった。あーこれは同じ世界を生きてる2人の物語なんだなと思った。

坂元裕二さんの脚本の作品が大好きだけど、あの人々が共感を生む小さなエピソードの散りばめ方は毎回感服してしまう。

好きな絹ちゃんと一緒にいるために好きな事以外を仕事にして忙しくなってしまう麦と、好きな事が同じ麦を好きになったけど変わってしまう麦を悲しく思ってしまう絹ちゃん。私は就職して数年は結構忙しく働いてたし、結婚した後は忙しい夫とあまりゆっくり話す時間も取れない時期もあったし、麦の気持ちも絹ちゃんの気持ちもわかる気がする。

麦がパズドラしか出来なくなる、というエピソードも秀逸だと思う。電車で通勤中にパズドラをずっとしているような若いサラリーマンを見て、坂元さんはこの子にはこういう背景があるのかもしれないとか、そんな風に思い着くんだろうか。着眼点が天の才だ。

恋の始まりから終わりまで、きれいに描かれていて(美しくという意味でなく、きっちりの方のきれい)必要以上の脚色やロマンティックはないけど優しい、素敵な話だった。「大豆田とわ子と三人の元夫」と同じ年にこの映画を観られる幸せ。

坂元さんの作品の恋愛モノはよくファミレスが出てくると思うけど、これからも「カラオケ屋に見えないカラオケ屋」で始まる恋より、ファミレスで始まる恋の物語を観たいなぁと思う。



この記事が参加している募集