離婚まで89日 〜家族ってなに〜
長期出張から、彼が帰ってきた。
私の顔を見ずに「ただいま」と言った。
そしてそのまま自室に篭り、荷物や書類の整理を始めていた。
私も「お帰りなさい」と言ったっきり、彼の顔を見なかった。
私たちはその日、一度も目を合わさずに、1日を終えた。
本当は、言いたいことや聞きたいことがたくさんあった。
彼に引き継いだ仕事も気になっていたし、
昔の知り合いや、お世話になった人の消息についても聞きたかった。
私にとっても思い出深い場所だったから、現在の状況も知りたかった。
たとえ、私が「どうだった?」と聞いても、
「別に」もしくは「君には関係ない」と言われるのがオチだ。
今となっては彼を好きとか嫌いとか、そういう問題ではなくて、「悪意を向けられること」「拒絶されること」がとても辛い。
しかも、本来なら一番の味方である「家族」なのに。
私はまだ、その辛さに勝てなかった。気を緩めると泣きそうだった。
翌朝、私は彼が起きる前に家を出て、1人で図書館やカフェをハシゴした。
ー今日の教訓ー
「家族」にこだわりすぎない。他人に期待をすると辛くなる。
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