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好きなものを好きといって何が悪い

これは20代前半の私に向けての言葉である。

「おいそこのシンプル、他人の好きなものを笑うな、口出しすな
モノにこだわる人を敬遠すな、浅いんだよおめえの考えはよう」

私はモノに対して「使うことができれば、なんでもいい」と思い、
20代を過ごしてきた。

好きなデザインと感じるものはあるものの、
ダメになれば買い替えればいいというマインドを持ち、
質のいいモノを持つことや、高価なものを購入することを苦手としていた。

何よりメンテナンスが不得意だ。
直したりきれいにしたりするのが苦手で面倒。
高価なものを購入したら大切にしなくてはいけない、
それが苦手だった。

こだわりがあり、自分のお気に入りをそろえている人に対し、
少し煙たそうな人だなとも感じていた。

モノにこだわる人は、口出しされるのも嫌いそうだし、
何かプレゼントするときも気を使ってしんどい。

そう思っていた。

しかしだ、今30代半ばとなり、思う。

自分が心からほしいと思ったもの、
「好き」と感じるものは、そこまで多くない。
好きに出会えて、手に入れることができたら、
景色が変わり人生が豊かになる。

「人生が豊になる」
ありきたりな言葉だけど、

自分が「好きだ」と思うものを
少しずつ揃えることで得られる栄養がある。

モノを大切にできない自分が嫌だった。
うしろめたさがあった。
大人が進んでいき、大切の仕方が少しずつ分かってきた。

今私はちいかわが大好きである。
ちいかわ、ぼのぼの、猫村さん、
ちょっとシュールで癒し系のものが好きなのである。

好きだけど、家を飾るには景観がよくないと思い揃えていなかったし、
キャラ物が好きな自分をどこかで隠していたかった。
恰好つけたかった。

でも、一つ、ちいかわちゃんを飾ると、
デスクが一気にかわいくなり、やる気が満ちた。
大げさだけど、本当。かわいすぎてひそかに悶絶している。

ちいかわちゃんを飾りたいから、
デスク上をきれいにしようと思った。

アライグマのしっぽのような、ほわほわのものを注文し使ってみた。
ホコリ取り一つでもかわいいものを求めている自分。
水筒やカレンダー、目に入るものは自分がかわいいと思うもので
統一したくなった。

考えたり、飾るだけで楽しかった。
自分がご機嫌でいられる理由となった。

好きなものが誰かにわかることが恥ずかしいとも思う。
「へーいい歳してちいかわ好きなんだ」と若者に思われるかも。

かつての私もその若者だったので、むしろ言われても仕方ない。
というか、もう言ってやってほしい。私の戒めのために。
うるせえって今なら言ってやる。あー恥ずかしい。

そんなこんなで今日も自分の好きなものを探していく。

シンプル

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