その愛すべき距離感を 突破するか
2015年11月から
この珈琲を淹れている。
2017年9月頃に 今の店に移動して
自分の暮らし方を考えながら
ずっとずっと続いていた日常。
手放すと決めたら
あっというまだった。
残された時間を大切に。
感謝の気持ちで過ごせますように。
そう祈る日々。
とはいえ
天使のような心持ちばかりで
仕事ができるわけでもなく
何も変わらずに日々は過ぎて。
急なことで
お客さまへの挨拶も ままならず。
きっと
最近 見かけないな…
おや? 辞めたのかな?
と もやぁっとフェイドアウトしてゆくのだろう。
ちょっとだけ
ほんの一瞬だけ
想いを巡らせてくれたら 嬉しい。
わたしの存在した名残を。
喫茶店の愛すべき距離感。
誰もが何者でもなく存在できて
わたしは みんなの ぼやけた背景になりたかった。
と言いながらも
もう少し近しい距離感で
わたしに会いたいと言ってもらえたり
わたしの淹れた珈琲が美味しいと言ってくれたり
そんな方たちもいるけれど。
でも。
この珈琲の味は、このお店のものであり、
わたしは それを担っているのみ。
それは自覚している。
だけど。
宝物のような手紙をいただいた。
わたしの求めていた距離感でいてくれた人。
わたしはカウンターの中で働き
彼女は いつも本を読んでいました。
なんとも心地良い時間。
お店が静かなときには
たまに言葉を交わしたけれど
お名前を知ったのは 辞めると伝えてから。
ここに来れば会えると思っていたから。
ああ。
いろんな人の
そんな存在でいたかったな。
という願いも本音。
でも。
答えは こうでしかなかった。
決断の後は いつも そう思う。
名残惜しい人たち。
ちょっとだけ迷う。
距離を詰めて
連絡先なんて交換したり
してみようかしら。
だけど。
今の関係は
この喫茶店を媒介としていて。
それを無くしての関係は
全然別のものなのだ。
それは 働く人たちも 同じ。
積み重ねてきたコンビネーションで
気持ちよく働くことができたこと。
束の間の他愛のない話。
かけがえのない時間。
尊い距離感。
やはり愛している。
大切にしたい。
だけど
それを突破することも
もしかしたら あるのかもしれない。
サポートしていただけたら とっても とっても 嬉しいです。 まだ 初めたばかりですが いろいろな可能性に挑戦してゆきたいです。