経営とマーケティングが楽しく学べる!マーケティングタウン体験レポート
「マーケティングを中心とした会社経営をリアルに体感できるボードゲーム」
これだけでめちゃくちゃ面白そうですが、実際にやってみると思った以上に面白かった。
そのゲームの名前は「マーケティングタウン」
ボードゲームを通じて、経営者の思考、マーケティング思考がトレースできる、体験型の学習コンテンツです。
ボードゲーム好きな人、ビジネスに興味がある人なら絶対にハマります。
このマーケティングタウン。どうやって知ったかというと、マーケター思考を身につけるコミュニティ、マーケティングトレース内の「マーケティングタウンとのコラボイベントやるよ」という告知で知りました。
マーケティングトレースは、ブランディングテクノロジー(株)の役員でもある黒澤さんが主催されている、マーケターやマーケティングに興味のある人が集まるコミュニティです。
このマーケティングトレース、「日本人全員が財務諸表を読める世界をつくる」でおなじみの会計クイズとのコラボイベントには何度も参加させてもらっていますが、マーケティングトレース単独のイベントとしては、実は今回初参加でした。
冒頭でもいいましたが、マーケティングタウンは3時間では物足りなく、もっともっと遊んでいたくなるほど面白かったです。
そして、マーケティングタウンで経営者思考を疑似体験したあとで行ったマーケティングトレース。こちらは銀座ルノアールを題材に、「銀座ルノアールの営業利益を上げる施策を考える」というお題に挑戦しましたが、経営者思考、マーケター思考が鍛えられたのか、いつもよりしっかり考えられた気がしました。
ちなみにこの日の夜には会計クイズでも財務分析勉強会があり、そちらでは「mixiの営業利益率を上げる施策を考える」というお題に挑戦しましたが、マーケティングタウン、マーケティングトレースで鍛えた経営者脳をしっかり活かすことができました(^^)
土曜日の朝の恵比寿で、「マーケティング~ターウン!」、「ナイスマーケティング!」と、しっかり声出しした甲斐がありました。
今回のイベント資料、なんと公開してくださっていますので、興味をもった方はぜひご覧になってみてください!
イベントの流れ
今回のイベント、
①導入講義(マーケティングとは)
②マーケティングタウンのデモプレイ
③基礎講義(マーケティングと営業利益)
④マーケティングタウンプレイ
⑤銀座ルノアールのマーケティングトレース
⑥ワーク(銀座ルノアールの営業利益を最大化させる打ち手を考える)
という構成で行われました。
講義部分については資料が公開されていますので、「おっ」と思ったポイントを。
それは、「マーケティングは経営のエンジンである」という点です。
会社の中でそれなりにポジションが上がってくると、自社の経営のことを意識するようになってきます。
それが会計クイズにハマった理由の1つだったりするのですが、会計クイズで企業のビジネスと財務諸表の関係を勉強していくと、「どのようにして売上・利益を出していくか?」というのを考える上で、マーケティングが切っても切り離せないことを実感します。
それがマーケティングに興味を持ち、マーケティングトレースに入ったきっかけだったので、「マーケティングは経営のエンジン、組織革命だ!」というお話にとても共感しました。
マーケティングタウンの概要と感想
マーケティングタウンというゲームをざっくり説明すると、
・プレイヤーは小売店の経営者になる
・他のプレイヤー(ライバル)とともに、仮想の街で小売店の経営を行い、より多くの営業利益を稼ぐのが目標
・1サイクル(1期)では、12ターン(12ヶ月)行動できる
・できる行動は、「市場調査」、「出店」、「仕入」、「販売」、「広告」(複数サイクル行う場合はここに「資金調達」が加わる)
・「販売」以外の行動は手持ち資金を消費する
・「販売」して商品が売れると手持ち資金が増える
・その場所にあった商品を売らないと、売れないこともある。また、ライバルと競合して売れないことも。
ライバルの動向から市場の動向を探ったり、競合に勝つために広告を打ったりと、読みや駆け引き要素もあり、非常に知的なゲームです。
仮想の街、マーケティングタウン。人が暮らす街と駅で構成される
今回はプレイヤー5人なので、5×5マス
店舗規模は4つ。これを街に出店すると、出店費用と固定費がかかる
右上の正方形は影響力を表しており、これが多いほど競合に勝つ可能性が高くなる
ルールブック
最初はデモプレイを通じ、ルールを覚えていく
このゲームで意識すべきなのはこの2点。
・どうすれば商品が売れるのか?
・どうすれば利益を最大化できるのか?
マーケティングの基本フレームワークである、「4P」と「3C」を意識して行動する必要があるため、「これらのフレームワークが意味するところが、ゲームを通じて肌感として身についていく」という点が、このゲームのポイントだと思います。
デモプレイを通じて、ルールをある程度理解すると、このゲームの複雑性や戦略性に知的好奇心が刺激され、早く本番プレイがしたい気持ちが押さえきれなくなります。
デモ後の休憩では、ルールの再確認や、どういう戦略で行動すればよいかなど、会場全体が早く本番をプレイしたい、ウズウズした気持ちで溢れかえっていました。
通常であれば3サイクル(3期)で「営業利益150万円」を目標にプレイを行うそうですが、今回は1サイクルのみ本番プレイを行いました。
結果は「△4万円の営業赤字」でした。
どこでどんな商品が売れるか(エリアのランク)は、「市場調査」をしないとわからないのですが、最初に0ターンとして1箇所だけ「市場調査」が行えるため、前半(4~10月)はそこで稼ぎつつ、後半(11~3月)は、ライバルの行動から、より高単価な商品が売れるエリアの当たりをつけ、そこでより利幅の大きい商品を売って稼ぐ戦略を取りました。
下の写真は最終的な街の状況です。
あっという間の1サイクルでしたが、手堅く市場調査→販売する人、市場調査せずに販売する人、高単価な商品が売れる場所を押さえてお金を稼ぎまくる人と、プレイヤーによって個性が出ていて、めちゃくちゃ面白かったです。
1サイクルだけということで、競合を避ける心理が働いていたと思いますが、3サイクルプレイしたら、もっと行動も変わっていたと思います。
同じテーブルのプレイヤーと、「あそこはこういう行動をすればよかった」、「3サイクルならこういうプレイをしたい」と感想戦で盛り上がり、全員、「まだまだ物足りない」という意見で一致していました。たぶん、イベントに参加した全員がそうだったと思います。
ゲームを通じ、
・粗利益への意識高まる
・出店コスト意識する
・市場調査はライバルの動きを利用する
・良い市場を見つけたら稼ぎまくれる
・広告は市場独占、競合の競争力を削ぐ効果を実感
・各行動で費用対効果をめちゃくちゃ意識する
という思考回路が頭の中にできました。
マーケティングタウンは、知らず知らずのうちに経営者脳になれる、本当によくできた、めちゃくちゃ面白いゲームだと思います。
ビジネスに興味のある人全員に、めちゃくちゃオススメします。
もし興味がある方は、次は新宿で体験会を開催されるようなので、ぜひ体験してみてください。
銀座ルノアールのマーケティングトレース
マーケティングタウンのあとは、マーケティング”タウン”トレース。
登場企業は、コーヒーショップの「銀座ルノアール」、「スターバックス」、「ドトール」です。
マーケティングタウンを引き合いに、各社のビジネスモデルやマーケティング戦略の違いが語られたため、頭の中にすーっと入ってきました。
銀座ルノアールは「高単価低回転」を前提としたビジネスモデル
つまり、仕入の商品個数は少なくし、☆3のよい商品を高く売って稼ぐ、回転率より粗利率を重視したビジネスモデル。
ドトールは「低単価高回転」を前提としたビジネスモデル
つまり、仕入の商品個数は多く、☆1の商品を低価格で大量に提供し、回転率で稼ぐビジネスモデル
ビジネスモデルの違いをマーケティングタウンで表すと、こんな感じになります。
より現実に近い姿を再現するとこんな感じ。
・銀座ルノアールは駅前の一等地(Aランク)で影響力を発揮して稼ぐ
・スターバックスはそこそこの土地(B~Cランク)数多く出店し、広い範囲に影響力を持ち、面で稼ぐ
・ドトールは低単価を売りに、まぁまぁの土地(D~Eランク)の土地で回転率で稼ぐ
というマーケティング戦略が、マーケティングタウン上でトレースされると、ゲームの後だとてもわかりやすかったです。
黒澤さんは、「4P分析の際は、この違いを意識すべき」と強調されていました。
これ、ちゃんと意識できていないと、間違った経営戦略を立ててしまうことになるので、ビジネスに関係する人は全員知っておくべきだと思います。
ということで、自分が立ち上げに関わっている新規事業のメンバーにも、速攻でフィードバックしました。
銀座ルノアールの営業利益を増やす施策を考える
私は、銀座ルノアールの強みである「Product(くつろぎ空間)」に着目し、「客単価」を上げるための施策として、”手荷物預かりサービス”を考えました。
【銀座ルノアールの営業利益を増やす施策】
①「自分がCMOだったら?の打ち手」
手荷物預かりサービスで客単価を上げる
②「コアターゲットを誰にするか?」
外回り中、出張中のサラリーマン
③「マーケティングミックスの何を工夫するか?」
コーヒーではなく、喫茶店としての空間というプロダクトの強化。サラリーマンの便利な立ち寄り所に。
④「競合との差別化要素は何か?」
駅近の立地、回転率が低くても成り立つビジネスモデル、サラリーマンを意識した店舗づくり
⑤「その打ち手にいくら投資するか?」
店舗の空きスペース、従業員を活用できるため追加投資はほとんど不要
⑥「収益インパクトはどれくらい出せるか?」
1回500円×年間来客数1000万人×利用率5%=2.5億円
マーケティングタウンのプレイ中の思考プロセスをトレースして考えてみました。
「考えやすかった」のはよかったところですが、アイデア自体は改めて見返すと、「有料なら駅のコインロッカーでいいやん」とツッコミどころ満載ですね。まだまだ修行が足りないようです。
他の方からは、「高齢者(高所得者)が多いエリアに出店」や、「サラリーマン向けサービスを充実させ、より高級路線に」というアイデアが出ていました。
フィールド調査
「優れたマーケターになるには、フィールド調査が大事」ということで、イベント終了後、早速、恵比寿東口店に調査に行きました。
「ビジネスパーソンをターゲットに魅力的なくつろぎ空間を提供」というのが銀座ルノアールの提供価値だと理解していましたが、店舗によってはそうでないところもあるようです。
「リアルを見ないと、机上でだけで語っていても意味はない」
というのを実感しました。
まとめ
イベント終了後、マーケティングタウンの目線で街を見るようになってしまいました。
「このエリアの客層は?」
「エリア内に競合はどのくらい存在する?」
「自分がこの店の経営者だったら、どういった戦略を取るか」
などなど。
すっかりマーケティングタウンに影響され、経営者脳、マーケター脳になってしまったようです。マーケティングタウン恐るべし・・・
たかだか3時間でもこんな調子なので、「マーケティングタウン、マーケティングトレースを繰り返していれば、めちゃめちゃ成長できるんじゃないか?」と思ってしまいます。
実在の企業を扱ったマーケティング”タウン”トレースは、会計クイズとも、とても相性がいいと思うので、「マーケティングタウン×マーケティングトレース×会計クイズ」のコラボも実現したらうれしい・・・
ということで、
・マーケティングタウン
・マーケティングトレース
・会計クイズ
どれも本当にオススメなので、ぜひ一度体験してみてください!
会計クイズの方は、さらに深く学ぶための「ファイナンスラボ」というコミュニティがありますので、興味のある方はぜひ検索してみてください!(マーケティングトレースとも、よくコラボしていますよ^^)
ファイナンスラボでの学びを最大化する方法を知りたい方は、こちらのnoteをどうぞ!
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