詩「君の姿」

君と駆け抜けてきた。

嬉しかったことも、
悲しかったことも、
つらかったことも、
幸せだったことも、

その全て君と一緒に

縁側に一人で遠くを思い出す

夏空を背に手を振る君の
心悲しそうに海を眺める君の
嬉し泣きする姿も
真っ赤になって告白してくれた姿も

風鈴の音を聞きながらうたた寝する君さえも

一瞬一瞬を、切り取って、仕舞いこんで

手を振っている
空は濃く青く澄んでいて
呼ぶ声がする
泣きたくなるほど懐かしくて

走れなくなった
君が揺らいでしまう
それでもいつか
追いつけるように

待っていて