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投資#83 寄りかからない覚悟


書籍の情報


タイトル:百歳人生を生きるヒント
著者:五木 寛之
出版社:日本経済新聞出版社
発行日:2017年12月20日

書籍の要約

50代から始まる下り坂、そこを歩く心構えを教えてくれた1篇の詩がある。詩人・茨木のり子さんの「倚りかからず」という作品だ。
「もはや できあいの思想には倚りかかりたくない もはや できあいの宗教には倚りかかりたくない もはや できありの学問には倚りかかりたくない もはや いかなる権威にも倚りかかりたくはない ながく生きて 心底学んだのそれぐらいで 自分の耳目 自分の二本足のみで立っていて なに不都合のことやある 倚りかかるとすれば それは 椅子の背もたれだけ」
この倚りかからないという姿勢は、百歳人生を生きる上で、とても大切なことではないか。考えてみると、私たちは無意識にいろいろなことに寄りかかって生きている。例えば、権威、この国に生きていて、一番の権威は国家の言質だが、それを鵜吞みにしてはいないか。
実は、このことに対して、私は13歳の朝鮮半島からの引き揚げ体験から学んだことがある。国の言うことに従って生きていたら、つまり国に寄りかかっていたら生き延びられないということだ。
当時、私は敗戦を平壌で迎えた。敗戦直後、現地の日本人には、ラジオ放送で繰り返し、お上からの声が流された。「治安は維持される。一般人は軽挙妄動することなく現地に留まるように」と。
情報を持つ政府要人の家族や利口なグループは、ここにいては危ないと察知し、列車でソウルの方に南下した。取り残されたのは、政府の言うことを愚直に信じた普通の日本人だけだ。国家に寄りかかっていた私たちは、やがて侵攻してきたソ連軍にすべてを奪われて、地獄の日々を体験した。
私がその体験から思うことは、国という権威は何でもできるということだ。人間の命を紙切れ1枚で戦地に引っ張り出すこともできるし、植民地に残された国民が悲惨な譲許に陥ることがわかっていても、大丈夫だと言って放置する。
私は茨木さんが指摘するように、国家に寄りかからないで自分の勘をセンサーにして生きていく覚悟を決めた。むしろ指示される方向とは別な道はないかと、自分で考える癖がついた。
今、盛んに政府が「人生100年時代構想」を提言しているが、それを鵜呑みにして踊らされているのではなく、百歳人生とは自分の人生の幸せを構築するための長いスパンを、天から与えられた一種のモラトリアム、と考えた方がよいと思う。
50代は、その大切な事はじめなのだ。

感想

この書籍には、
「百歳人生」を生きる上での心構えが、
10年ごとに区切って書かれています。

人生100年時代構想が提言されていて、
70歳まで働くことが前提となりそうです。

ただ、これは、
他人から押し付けられた考えであり、
自分の考えでないので、
鵜呑みにしてはいけないということです。

ボケ防止や、健康に過ごすために、
高齢でも適度に仕事をし、
社会と繋がっていることが良い
とされています。

事実なのでしょう。

でも、自分がそうしたいかどうかは、
一度考えるべきだと思います。

情報を持つ政府要人の家族や利口なグループ
にはなれませんが、

インターネットがあるおかげで、
テレビや新聞では知れなかったことが知れます。

情報を持つ政府要人の家族や利口なグループ
の動きも、テレビや新聞だけの時代よりは、
把握できるようになっているのではないでしょうか。

こちらも目を光らせておくと、
何か対策が取れるかもしれませんね。

まとめ

自分で考え、寄りかからない覚悟を持つ


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