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自転車日本一周WWOOFの旅(14軒目:石川県vol.3) 〜アグリクエスト/ファームファンタジー(仮)〜

WWOOFを活用し、農家さんをお手伝いしながら農レベルを上げ、自転車で日本一周もしちゃおう & 日本全国の地元でしか味わえない美味しいものも食べちゃおう & 全国の観光地ではない自転車ならではの風景もお届けしちゃおうのUmiです。

石川県のWWOOF滞在は人生初の本格酪農体験!

輪島での超貴重な伝統工芸や人間国宝の方との出会いから、富山湾の方へ向かった山奥へ。しかし出発前にもたもや。。 自転車に荷物を載せようとしたら、タイヤがパンクしてる‼️ もう何回目ぇ〜⁉️ ここ最近は移動日の度にパンク。タイヤもすり減ってきているし、そろそろ替え時か。

出発予定時間が修理の時間へ。徒歩1分の自転車屋に持っていくも今日は休業日。なんてこった。。 輪島と言えどもそれほど大きくはない町。そんなにたくさんの自転車屋があるわけではない。一番近くて徒歩20分。自転車を押して持っていった。今回直してくれた自転車屋さんはまたも高齢。しかも初の女性! そしてまたもやいつもの不安がよぎる。。ちゃんと直してもらえるのだろうか。。(心の声)

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少し時間がかかるというので近くの喫茶店へ。ここがまぁレトロ! オーナーは重蔵神社神主さんの同級生という、これまた高齢。サラリーマンから30歳くらいで脱サラし急に喫茶店を始めたのだそう。なぜ喫茶店を始めたのか伺うと「何となく」だそうだw それから半世紀近くも喫茶店をやっている。なんてこった。現代の私たちはなんでもかんでも意味を追い求めすぎなのではないだろうかとこんな楽しいおじいちゃんを見て気づくのであった。旅サイコー‼️

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黒電話が今なお現役‼️

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今やこんなにでかいベルト式コーヒーミル(しかも2連)は超レア! バブルの時はこれがフル可動していたらしい。これ欲しい✨

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パンクはしたけど美味しいコーヒーをいただけ、新鮮なコーヒー豆も購入でき、めでたしめでたし! さてパンクが直ったようので自転車を受け取りに。たぶんちゃんと直ってる!はず! さぁ出発。頼むからパンクしないでくれと祈りながら。

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距離にして約30キロ。能登の山を上り、超え、さらに山奥へ入り、2時間半ほどで無事到着。そこで、いきなり目に飛び込んできたのは何と猪の解体‼️ すげー、初めて見た‼️

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今朝罠にかかっていたのを解体中だった。皮を剥ぎ、肉を部位ごとに切り分ける。皮を剥ぐ用の包丁などがあることを初めて知る。荷物を下ろすのも忘れて夢中で見ちゃいました!

能登の山の上り下りのスリリングな映像から、牧場へ到着し猪に出会うまでの一連の”カメラを止めるなGoPro動画”を載せますが、解体の生々しい映像を見たくない方は到着した後で映像を止めた方がいいです。

さて、解体を見学した後は、今回泊まる部屋へ案内してもらい、荷物を置いて、少しお話をしました。こちらは初老夫婦と次男の3人で酪農を営む二子山牧場。お父さんが結婚してすぐに牛3頭から酪農を始めたそう。何で始めたのか伺うと、”何となく”だそう。どういうこと⁉️ 1日に2人連続で人生を何となくで決めちゃった人に出会いましたw 当時のことを聞くと、ずっと貧乏だったと。3人いる子供も小さい頃から手伝いをさせていてかわいそうだったなぁと涙ながらに言うのかと思いきや笑ってました。根っからのポジティブ思考な夫婦ですw

早速先ほど解体したばかりの猪のヒレ肉をサッと焼いて食べさせてくれました!

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うん、ちょっと固めで野生的な味! うまい! そのまま早めの夕飯になり、19時からは搾乳の仕事を早速お手伝い。お母さんが搾乳の準備をしている間に私と次男さんで子牛に餌やり。生まれて数ヶ月からまだ乳の出ない若い牛がいる牛舎で年齢ごとにあげる餌や分量が違うので教えてもらいながら明日から1人でやることになるので必死に暗記。でも情報が多すぎて1回で覚え切れるわけないので、現代っ子らしく動画を撮ってメモ。

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そしてその後は搾乳。何十頭もいる牛たちを次々と搾乳していきます。

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搾乳する時のエプロン姿。

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牛の乳頭にも模様があって各牛違うんです!

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この乳頭をきれいに拭き取るのが私の仕事。

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下の写真の四つある乳頭のうち、右の腫れているのは乳房(頭?)炎になっているので搾乳しません。牛乳の味も悪く、雑菌が入ってしまうと。

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乳牛は1日に朝と晩の2回搾乳しなくてはなりません。そうしないと乳房が腫れて牛も苦しいし、病気になりやすいそう。なので牛は自ら搾乳されにきます。いつも早く来る牛もいればなかなか来ない牛もいるんですw 実はどの牛も厳密に2回ではなく、乳量も季節や牛の体調によるので1回しか来ない牛もいます。

搾乳が終わり糞尿の処理などの後片付けまでやると終わるのが22時頃。夜の搾乳は大体50頭弱だそう。朝の方が多いのと糞尿も多いので時間がかかるのだとか。私は部屋に帰れましたが次男さんはまだ片付けが残ってるそうでもう少し仕事すると。私はシャワーを浴びて明日の朝も7時に朝食なので就寝。

次の日少し早めに起きて牧場の朝日を拝みました✨

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新鮮なこの牧場のミルクでUmiラテを家族の方に淹れました! 普段インスタントコーヒーしか飲まないそうですが、美味しいと言っていただけた✨

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餌も毎日数回あげなくてはいけないし、搾乳は2回しなくてはいけないので酪農家さんは年中無休。これをひと家族でやるのは大変。さらにここでは循環型の有機的酪農をしているのがWWOOFに登録できる理由なんです。

牛が出す大量のフンを近くのキノコ(菌床栽培)会社が育てた後のおがくず(捨てると産業廃棄物になり有料)をこの牧場に運んできます。そのおがくずとフンを混ぜて堆肥を作ります。その堆肥で夏場に牧草を育て、その牧草で牛を育てるという循環を作っているのです! 

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ただ牧草100%で育てると牛乳の味も乳量も変わってしまうので、10%ほどは飼料を与えているそうです。

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現代ではどの牛がどのくらい飼料を食べていて、どのくらい乳が出ているのかもデータでわかるようになっています。さらにこちらのお母さんは牛の番号とどのくらい牛乳が絞れているか、データからではなく、毎日自分の目で見て覚えているから、個別に餌を与えていたり声をかけていたりして、これぞ熟練だなと。

次男の方は北海道で酪農学校に行かれたり、ご自身で交配もできる資格をお持ちなので、下の写真ように繁殖カレンダーもあるんです。私がお手伝いした2日目には人工授精の様子も見させていただきました。 すごいっす! 腕を牛の肛門なのか膣なのかに突っ込んで長い注射器で精子を注入します。

どうやって繁殖期かどうかわかるかというともちろん周期でも予測はできるのですが、繁殖期になると牛も暴れたり気性が荒くなるそうです。そんな時はドアや柵が壊されてしまう時もあるそう。

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酪農で育った次男さんでも北海道の酪農学校で働いた時には2ヶ月で辞めたくなったそうです。北海道は飼育頭数も多く、仕事の量が非常に多かったのだとか。なのでこのくらいの規模で自分のペースでできるので良いと。でも365日休まず働くのは大変ではないかなぁ。

昼には休憩時間が長く取られていますが、牛舎の管理などで、ほぼ毎日何か作業をしています。私が滞在した4日間でも鉄格子の溶接、牛舎の寝床掃除などなど。私は牛が作業中に近づいてきたり逃げ出したりしないように見張っていただけですが、それでも私がいるのといないのとでは作業ができないのだとか。大体どこに行ってもすごく重宝されます、わたくし❣️

もし酪農をやっていなかったらどんなことをしていますかと聞いたところ、「私なんか酪農くらいしかできない」と消極的な返事でした。趣味もないし、お付き合いしている女性もいないらしく、今後この牧場はどうなっていくのでしょうか。この状況で一人でもいなくなったらたちまち立ち行かなくなるだろうなと。それでもこの循環型の酪農は能登地域でも注目されていて、他の循環型で同じように飼育している牧場と牛乳業者が提携をしていて生産者の顔が見えたり、飼育にこだわった能登ミルクブランドとして販売しているため、買取価格が他の牛乳に比べ高いそうです。さらに石川県では県内で生産される牛乳が少ないため他の県に比べると平均の買取価格が高いのだとか。他の県から買うと輸送費などのコストの面で見ても県内で買った方が良いみたいです。ちょうど牛乳業者が訪問した時にちゃっかり一緒に話を聞いてましたw 


さてその酪農の仕事をざっと書き出します。

朝の餌やり、搾乳、フンの処理、餌やり、牛舎の点検・修理、休憩、夕方の餌やり、搾乳、フンの処理、リピート ✖️ 365日

ご覧いただいた通り、フンの処理が餌やりと搾乳と同じ分だけあります。私なんかは雑用係のようなものなのでフンの処理ばかりしているようなものでしたw これができる私はおそらく人間の中でもどこでも生きていけるタイプの部類に入るでしょうねw この生きる力レベルは相当高めだと自覚しています。なんか牛乳を安く買い叩かれるのは納得がいかなくなってきました。 みなさんフェアトレードでお願いします‼️

もっと酪農家さんもある程度休み取れて旅行に行ったり好きな趣味をしたりできてもいいですよね。農業もそうですがみんなで少しでずつもできたらいいんじゃないかなと。そのアイデア探しと農レベルアップがこのアグリクエストです‼️

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