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はじめに、自己紹介


●このnoteを作った背景


私は発生生物学を学び、仕事で医療に関する情報を扱っている、現役妊婦です。本記事執筆時点で妊娠4ヶ月。プレママの世界に入り、2点思うことがあります。

・胎児の成長に関する詳しい情報がない!
・妊婦向けの情報が正しく伝わっていなくて誤解を招いてるケースがめちゃくちゃ多い!

正しい情報を得られなくて必要以上に不安を抱えたり、体調を崩してしまったりする妊婦さんが多くいることがわかってきました。雑誌やネット記事、アプリでの情報提供は限界があるのはわかっています。それらに加えて私が持っている情報を提供することで、少しでも同じプレママさんが安心して過ごすことができたら……と思い、このnoteを作ることにしました。
私は医学系の大学院を出ていますが医療従事者ではないです。それでも一般の方より医学知識があることは自負しているので、医療従事者と一般の方の間を埋めるような情報提供をしたいと思っています。本当に相談すべきことは医師や看護師、助産師に聞いてください。

●胎児の成長をリアルに伝える

アプリやネット記事で伝えられる胎児の成長は「この頃に心臓ができ始めます」という程度のことが多いです。……もうちょっと詳しく知りたくないですか? 私は受精から胚形成、器官形成の解剖学的形態変化や遺伝子の相互作用を知りたい。99%の妊婦はそこまでは知りたくないかもしれませんが私は知りたい、というかもう一度勉強し直したい。

加えて、いろんな妊婦に関する情報にあたっているうちに気づくことがありました。

基礎(発生生物学)と臨床(産婦人科)の内容を両方知れる情報ソースがない

私は両方知りたい……両方知りたいよ……。受精プロセスも知りたいし不妊治療への応用も知りたい。初期発生の胎児の変化も知りたいし妊娠初期の流産確率も知りたい。胎児循環も知りたいし母子感染も知りたい。基礎の知識と臨床の知識がつながることでリアリティを持って今の状態を理解できるようになると思います。
ということで私が基礎と臨床両方の教科書を買い、勉強します。妊婦の間が人生で一番勉強した、と言えるよう、学んだ内容をここにアップしていく予定です。

※グロ画像に注意
発生生物学の教科書には、人によっては「グロい」と捉える写真や図が載っています。特に先天奇形の臨床事例や術中写真は、私でもウッ……となることが。またネットサーフィンで記事に辿り着いた方を不用意に傷つけることはしたくないので、無理かも、と思ったらそっとページを閉じてください。

●妊婦向け情報の誤解を解く

魚を全く食べてはいけないとか、下剤は酸化Mg以外使えないとか、体重増加の目安とか、いろんな情報に妊婦さんは踊らされています。
このテーマの難しいのは、医師によって方針が変わること。リスク偏重で魚を禁止する産科医もいれば、適量に抑えればokという医師もいる。医師の言うことを無視することもできないですが、産婦人科学会や厚生労働省といった信頼できる情報源の言ってる内容と矛盾することもあります。私は(医師個人の意見ではなく)少なくとも今の科学で正しいと言われている内容を、できるだけそのまま、わかりやすく伝えていきます。判断するのは妊婦本人ですが、参考になる情報を提供します。

●自己紹介

「1個の受精卵から勝手に私たちのこの体を作るってどういうこと?!」
高校の生物の授業で発生生物学を習ってから、この問いの虜になりました。他の理系科目は壊滅的にできなかったけど、発生生物学だけが好きすぎて、大学で発生生物学を学びたい! という気持ち一本で受験に挑みます。
一浪の末、あえて戦略的に人間健康科学科に入学しました。仮にも医学部なので人体解剖実習があり、ヒト発生の最終形態を学び尽くすことができました。現状、人生で一番勉強した時期。
3回生で理学部に転学部し、発生生物学の教室へ。学部生の間はニワトリ胚を使って受精卵が個体に発生するまでを学びました。
大学院はマウスES細胞やマウス胚を使い、 受精卵を生み出す配偶子(精子・卵子)ができるまでを学びました。修士卒です。
今は総合コンサルの医療・ヘルスケア担当で、医療に関する様々な情報を扱う仕事をしています。

いつか妊娠したら人体解剖実習の時より勉強しよう

と前から心に決めていました。
ライフワークとして、学びの記録を残していきたいと思います。

●基本情報

アラサー
大阪→京都→東京→2022年4月神奈川引越し
無排卵月経→ホルモン注射+タイミング法
2021年12月下旬、妊娠確定
2022年8月中旬、出産予定

●参考図書

《教科書・医学書系》
・『ラングマン発生生物学』
 ヒト発生の教科書、医学生が使用。かなりグロいので一般の方にはおすすめしません。
・『ギルバート発生生物学』
 マウス、ニワトリ、カエル等の発生の教科書、理学部生が使用。
・『ヒト発生3次元アトラス』
 京都大学にあるヒト胚標本をデジタル化した書籍。JST予算で行った研究成果を書籍化したもの。京都大学先天異常標本解析センターには中絶、流産、死産の胎児標本が保存されており、丸ごと胎児もあれば切片もあり、ヒト胚発生を学べる貴重な施設となっています。私は学生時代、中を見学しました。
・『グレイ解剖学』
 人体解剖実習で使っていた教科書、医学生やコメディカル系の学生が使用。ヒト発生の最終形態がわかる。イラストなので安心。
・『病気が見える 産婦人科 第10版』
 医学生やコメディカル系の学生が使用、イラスト豊富でわかりやすい。
・『妊婦健診マニュアル 第2版』
 産婦人科医向けのマニュアル。

《一般書》
・『BIRTHいのちの始まりを考える講義 発生生物学者ギルバート博士が生殖補助医療と人間を語る』
 上述の『ギルバート発生生物学』のギルバート先生が一般向けに書いた書籍。
・『人体はこうして作られる』
・『すばらしい人体』
・『胎児の話』
 産婦人科の臨床医が長年胎児を見てきて感じた内容を書いた書籍。すごく臨床寄りで、妊娠出産にまつわるおまじない的な話にも触れている。

興味を持ってくれる方がいらっしゃいましたら♡押してもらえると嬉しいです!
♡とPVでモチベーションが上がるのでよろしくお願いします。

《終わり》

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