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救急は110じゃなく119!熱性けいれん茶番劇

●メッセージ

・救急は119
・38.5℃とか出てたら解熱剤使おう
 
高熱で脳内スパークすると痙攣する
・熱性痙攣起こすと、キャリアに響く
 
保育園・病児保育のお迎え基準が厳しくなる

 この3つが伝えたいことです。以後、長いので興味ある人だけどうぞ。

●2023年10月31日の経緯

・前日
 エン様(子どものあだ名)が朝起きた時点で「あったかいな?」と思っていた。熱を測るとまだ36.9℃だったので、おかしいなと思いつつ保育園へ。私は出社。案の定、12時ごろ電話がかかってきて「お迎えお願いします」と。38.4℃が出たらしい。会社から園まで1時間かかるので、すぐにお迎えに行けず申し訳ない。。
 帰ってくると、熱はあるものの元気。外に行きたいというので、少しだけ公園に行った。夕方受診し、一応インフルエンザの検査をするものの、陰性。鼻水止めの薬だけもらって帰宅した。
 18:30頃、夕飯を食べながら寝ていきそうだったので、ハミガキもお風呂もなしでそのまま寝かせた。3:30に夜泣き。

・5:30
 さすがに寝るのが早かったからか、起床。しばらく添い寝してみたが、泣くので起きてお水を飲む。ぐずぐずしている感じ。

・8:00
 病児保育室を予約できたので、車で向かう。預けるときギャン泣きで心がえぐられる。仕事休めばよかったかな……。

・9:00
 帰宅して仕事をする。9:00の打合せがこの日一番重要だったので、諸々進んでほっと胸をなでおろしたのもつかの間、

・11:00
 病児保育室からお迎え要請。現状、39.4℃で、39℃以上が出ると病児保育でも預かれないらしい。この後給食なので、食べ終わったタイミングで引き渡すとのこと。
 迎えに行くと看護師さんの第一声が
「熱が出ているのに給食完食しました」
 さすがエン様、食い意地張ってる! ハロウィンらしい給食だったらしい。きっとおいしかったね、よかったよかった。
 看護師さん曰く、病児保育利用申請書に医師から与薬のコメントがあれば、病児保育室で解熱剤を投与できるらしい(※このあたりは施設によって運用が異なると思うので確認を)。

 迎えに行ったとき、エン様は肌着姿で氷枕を背中に背負わされていた。私が39℃出る時って悪寒でガタガタ震えるイメージだったので驚き、看護師さんに聞いてみると
「熱が上がっていく途中は悪寒がするけど、上がり切ったら熱くなるので放熱するのが大事です」

 この時、私はこの看護師さんの言葉が熱性けいれんの伏線になるとは露も知らなかった……。

・12:00
 帰宅。私はまだ昼食を食べていなかったので、ご飯を温めてカレーを食べた。エン様は待ってもらっていたが、カレーを指差して「食べたい」とか言うのでちょっとだけあげた。この日のカレーは全然辛くないものだったのであげてみたが、ひと口で満足した模様。

・13:00
 熱がこもらないよう下着姿で、一緒に室内遊びをするも、ぐずってあまり遊んでくれない。ぼやーっとテレビを見たりしていた。ほっぺを寄せると「あつっ」と離れてしまうような熱さ。

 この辺りで解熱剤の坐薬を使ってあげたらよかったのかもしれない……。まだいけるかな、と様子見していた。

・14:00
 あまりにぐずぐずするので、少し寝てもらう。泣き疲れて寝たが、30分程で起きてしまった。

・15:00
 OG訪問(Web会議)というリスケしにくい予定が入っていて、迷ったものの子連れ出席することに。社内の会議ならリスケしやすいけど、学生さんがスーツとか着て気合入れて質問考えてきていたら申し訳なさすぎるので……。
 ディスプレイでYouTubeしなぷしゅを流し、PCの画面で面談というカオスな感じに。Web会議に付き合ってくれたエン様に大感謝。

・16:30
 小児科受診。さすがに下着姿で行くわけにはいかないので服を着せる。グズグズでベビーカーには乗れないと思ったので、抱っこ紐に入れる。

 インフルエンザとアデノウイルスの検査をするも、陰性。解熱剤を処方してもらって、再度病児保育利用申請書を書いてもらう。薬局で解熱剤をもらい、少し買い物をして帰る。

 この間、熱がありぐったりした状態で、ずっと長袖長ズボンに抱っこ紐のなか。これがよくなかったのかもしれない……。

・17:45
 帰宅。すぐに夕飯を用意する。豆腐とトマトは完食、ご飯はほぼ食べず、ごちそうさま。

 膝の上に乗せて、絵本を読んでいた。最初はふつうにしていたが、ある瞬間、感触が変わった。なんとも言い表しにくいけど、膝に乗せているエン様の体重や質感が一瞬で変化した感じ。顔を覗き込むと、目が左に向いてしまっており、口がモゴモゴしている。呼びかけに反応しない。

うわあああああけいれんきたあああああ!!!!!
けいれんといえば動画! スマホどこ?!
キッチンに置いてたので一瞬エン様を寝かせてスマホを取りに行く。
動画撮ろうと思うのに焦って写真撮ってしまう。
食べた直後だったので吐いて窒息したらやばいと思い、左手で頭を支え、右手で動画を撮る。
まず1分。激しくはないけど手足が変な動きをしている。顔色が悪く唇が紫。あれ、何分で救急やっけ……
一旦動画を止めて、音声入力で「熱性痙攣 何分」と入れたかったのにマイクが熱性痙攣を理解してくれず、もう! とキレて手打ちでググる。5分で「受診」と出てくる。もしかしていきなり「救急」ではない? と迷いが生じた。

痙攣を始めた時からスマホ取ったりググったりで既に2分は痙攣してる。あと3分。
続きは社用スマホで動画を撮る。救急に電話するなら自分のスマホを使うと思ったから(社用スマホの私的利用ごめん🙏)。

うーわー、これ5分経つよ。
ググったときに「受診」と出たのが引っ掛かり、まずは今日受診した小児科に電話してみたが既に時間外。県の救急医療相談に転送された。自動音声の案内が非常に鬱陶しい。はよつなげ。

オペレーターにつながった瞬間「すみません、子どもの熱性痙攣なんですけど……」と言うと「まずは性別と年齢を教えてください」
はい。結局
「5分続いているなら緊急性が結構あるので、この電話を切って救急へ連絡してください」
「救急って110ですよね?」
ここではいって言われた気がするんだな……私がテンパって聞けてなかった可能性が高いけど。

110にかける。まじで一瞬でつながる。
「すみません、子どもの熱性痙攣で……」
「えっと、事故ですか? 事件ですか?」
「え、病気で……」
「今110にかけられているのですが、救急ですかね……?」
ハッッッッ!!!!!
「すみません、119ですね……」
「お大事になさってください」
女性の警官さんで、口調から気遣いが伝わり少し救われた。こんなことしてる間もエン様ずっと痙攣してるやんごめんんん。ほんの一瞬、エン様の顔が土気色になった。息してない?! こちらの血の気が引く。エン様の顔色はすぐ戻ったが、またなるのではと気が気じゃなかった。

119にかける。まじで一瞬でつながり、感動。
「火事ですか? 救急ですか?」
「救急です」
かくかくしかじか説明しながら、同時並行で最寄り救急隊が向かってるとのことだった。

日本の救急医療万歳!!!
これがアメリカだったら何十万何百万払う話になってるよ。

119に電話している間、エン様の様子が少し変わった。顔色は完全に戻り、むしろ赤く、手を口に入れてギイィィィィィィと噛むようになった。異常な力が出てまじで噛みちぎれるんじゃないかと思ったのと、窒息が怖かったので、エン様の手を外して私の指を入れた(隙間ができて息ができるようにした)。するとギイィィィィと噛まれてイテテテテテテテと苦悶する私の声が動画に残ることになった。

119の電話で、横にして動かさないようにと言われた。抱っこもしないでと。
救急隊が到着するまでの間に、夫に連絡する。
すぐピーポーピーポーと音がして、あ、来た、と思った。エン様を寝かせ、玄関を開けてベビーカーを室内に放り込んで入りやすいようにした。

実は少し前に仕事で救急救命士や救急専門医の方とガッツリ組んでいたので、救急のフローはわかっていた。これ、仕事でやったやつ!

救急隊は常に3人行動。1人が保護者(通報者)から詳細を聴取し、後の2人が傷病者のバイタルチェックなどをする。教科書通りの展開。
エン様のバイタルは、体温40℃というのだけ覚えてる。

教科書通りでひとつショックを受けたのが、私からの聴取内容を全部紙に書いていること。これ、病院に着いたらまた紙で渡して電子カルテに入力し直しますよね。効率化……(※効率化できない背景も私は知っている)。

救命士の方に「痙攣は何分続きましたか? 意識はありましたか?」と聞かれる。
ここが判断難しくて、今の状態(目線合わない、呼びかけ反応しない、噛む動作を繰り返してる)は痙攣ではない、と言われた。意識は混濁してそう。とりあえず痙攣5分で、その後意識混濁と伝えた。素人には何が痙攣で何が意識混濁なのかわからない。

今日は当番病院の関係で最寄りに搬送できないこと、必要な荷物などを伝えられて、準備をする。たまたま今日病児保育や受診で荷物が揃っていたのでよかった。着替え、おむつセット、母子手帳ケース、処方薬、貴重品を持って救急車へ。

簡易式のストレッチャーを持ってきてくれていたけど、落ち着いてきたので抱っこで連れて行く。
18:30頃、ちょうどマンションに帰ってくる人の多い時間帯ですれ違う人に心配そうな顔をされる。

救急車の後ろに、簡易ベッドに寝かされたエン様と私と救命士が乗り込む。救命士さんは、穏やかに話してくれた。 
 
「初めての熱性痙攣だったんですよね。今後も心配だなと思ったら遠慮なく119してくださいね」
まじ日本の救急医療神! 

会話の中で私が動画撮ってたことがわかり、見せると「たしかにこれは痙攣ですね。不随意運動で口がモゴモゴ動いてますね」とレビューしてくださり、ほっと安心。
 
「痙攣と思って救急隊が到着してみたら、寒くて震えてただけということもあるんですよ。そんな場合でもお母さんは放っておいたら心配だと思いますし、救急隊が駆けつけて何もなければそれでいいので、何かおかしいと思ったら呼んでください」
神!

合間を見て夫に状況連絡。夫は会社から帰宅途中だったが、一度家に帰って、車で迎えに来てくれることになった。

エン様は搬送し始めた頃はまだ呼びかけに反応せず、サチュレーションのセンサを引っぱって取ったり、周りをバンバン叩いたり、タオルをギイィィィと噛んだりしていたが、途中で呼びかけに反応するようになった。

周りの車をどけまくって、搬送先へ到着。事務の方が立っていたので私は誘導されるがままについていく。問診票をいろいろ書けと言われる(これもまた手書きで、電子カルテに後で入力するんでしょ……悲しくなっちゃう)。エン様はベッド搬入口から入るという。

よくわからないまま待合室で問診票を書き始めていると、救急外来の看護師が来て
「お母さん! お子さんから離れちゃダメでしょ!」
といきなりブチギレられる。
えっ、誘導されるがままに来たんですけど……。
今度は抱っこして外来のベッドに移って座れと言う。エン様を座らせるという意味かと思い、下ろそうとすると
「お母さんが抱っこしたまま座るのよ! 当たり前でしょう!」
いやわからんから😂

エン様は徐々に意識が回復してきて、よくわからない状況にビエェェェェェェと泣き出す。ギャン泣き。これだけ元気なら大丈夫やわ。

小児科医が来て、状況から単純型熱性痙攣でしょう、と伝えられる。
 
「救急の考え方はいろいろあるんですけど、僕としては痙攣が起こったらすぐ救急車でいいと思うんです。もし何度も痙攣が起こるとか、長時間続くと脳や臓器に重大な影響を及ぼすので、迷うなら呼んでください。もしくは、家の車で来てもらってもいいです。救急車で来るか家の車で来るかの違いだけなんで」
神!

まぁ、今回は5分続いたから救急呼んだものの、これからはたとえ痙攣が起こっても大丈夫だろうと思っている節がある。むしろ痙攣が起きないように早めのタイミングで解熱剤を使ってあげるのが重要だろう。
でもこういう慢心がよくない事態を引き起こす可能性は大いにあるので、何かおかしいと思ったら救急外来に行った方がいいのだと思う。

その後、痙攣予防の薬を投与し、泣き疲れてエン様は寝た。
私も少し落ち着き、考えると、夕方受診した時に抱っこで熱がこもって脳内スパークしてしまったのかもしれない、早めに解熱剤使っていたら……といろいろ反省が出てきた。今後は早く解熱剤使おう。

痙攣予防の薬は時間をあけて2回投与しないといけないので、追加の分を処方するためにお薬手帳を見せてくれとのこと。
ここで穏やかな小児科医の口調が急に変わる。

「今の処方薬見せてください。レボセチジル塩酸塩、処方されていますね? このシロップ。家に帰ったら廃棄してください。痙攣と相性の悪い薬なので、飲ませないように」
 
さっきまでふんわり柔らかな人だったのに、かなりきつく言われた。ただの鼻水止めなのに? と思ったけど、たしかに調べると痙攣と相性が悪いらしい。
お薬手帳だいじ!

レボセチジリン塩酸塩 添付文書

もう帰っていいとのことで、夫が来るまで待合室で寝かしておいてよいか聞く。
例の看護師と小児科医が居合わせ、看護師は即座に何か否定的なことを言おうとした。すると小児科医「いいですよ。何か問題あります?」
(一瞬の間を置いて看護師)「ベンチから落ちないように見ててくださいよ!」
捨て台詞を吐いて出ていった。
なんなんだろうあの看護師。救急外来が過酷すぎて性格ひん曲がったのか?

その後、院内処方のお薬を受け取り、夫が到着し、帰宅。だいたい20:30、痙攣起こしてから2時間くらいの出来事。

救急車呼んで、救急外来で処置してもらって、院内処方でお薬までもらってるのに支払いゼロ! 日本の医療制度素晴らしすぎる泣きそうありがとう税金払います。

 

⚫︎一度熱性痙攣を起こすと、キャリアに響く

 火曜日に熱性痙攣を起こした時はことの重大性に気づいていなかった。

 水、木の病児保育を予約していたが、とりあえず水曜は休むとして木曜日預けられるのか確認すると
 
「熱性痙攣を起こしてしまった場合は、今後しばらく痙攣を起こしやすいので1ヶ月間受け入れできません。またその後利用する際は、お薬がないと37.5℃でお迎えとなってしまいます。利用の際は医師にダイアップ(痙攣予防のお薬)と解熱剤を処方してもらって、病児保育利用申請書に与薬の旨書いてもらってください」

 詰んだ……。木曜に私個人で大きなプレゼンを控えており、抜けるわけにはいかなかった……。

 もしや保育園も登園の制限があるかと思い、連絡すると
 
「しっかり治って機嫌が良くなれば登園可能です。ただ、熱性痙攣を起こしたお子さんの場合、これから37.5℃ですぐお迎え要請となります」

 詰んだ……。実はキャリアアップを考え、いろいろ動いていたけど今はやめておいた方がいいということか……。


 エン様は木曜朝に完全に解熱し、発疹が現れた。突発性発疹。どうりでインフルエンザもアデノウイルスも陰性なわけだ。
 
 発疹と同時に史上最強不機嫌ママエンドレス抱っこ要求モードに入った。突発性発疹では典型的な流れらしい。スマホを触ることすら許されない。顔も洗えない。家事なんて何もできない。月曜午後からずーーーっと12kgを抱っこしていて、私の身が削れた。
 金曜日の午前中、心配になるほど延々と寝続け、起きてからは期限が良い。ようやく復活か……? 三連休は安静に過ごします。


 こんな事の顛末でした。まだ熱性痙攣やっていない人も、経験談を見聞きしていると判断が早くなると思うので少しでも誰かの役に立てればと思い、書きました。
 最後にメッセージ再掲。


・救急は119
・38.5℃とか出てたら解熱剤使おう
 高熱で脳内スパークすると痙攣する
・熱性痙攣起こすと、キャリアに響く
 保育園・病児保育のお迎え基準が厳しくなる


 他にも、日本の医療制度の素晴らしさやお薬手帳の重要性など、たくさんの気づきを得た体験でした。エン様にはしんどい思いをさせてしまって申し訳ないけど、こちらも親素人なので経験を積んで親スキルアップを図ります。とにかく解熱剤は早く使う。

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≪終わり≫

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